Early Bird @ 41isyoichiさんの英語講座(2020年2月24日分)call up/square/circus/齋藤資晴氏の講義/紳竜の研究/東西南北/kick off/gasとtank/begin/land/another/一つの品詞に複数の働きをさせる/many more/強勢の記号

まとめました。
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Early Bird @41isyoichi

[THREAD] call up と言えば普通は階下から上の人へ声をかけるのだが、電話とが発明されると意味が特殊化され、電話口に呼び出すという意味に用いられ出した。 ship はもちろん船だが、when my ship comes in... (私が金持ちになったら)という際には、ship は比喩的に使われて、幸運という意味だ。

2020-02-24 13:58:29
Early Bird @41isyoichi

こういう風に一つの語が比喩的に使われ出すと、時にはその比喩的な使い方が勢力を占め、その意味が薄れてくることもある。

2020-02-24 13:58:30
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] square は「正方形」の意だ。そこから数学用語で「平方」という意味で使われる。square は「(四角形の)広場」という意味で使われることもある。

2020-02-24 15:01:08
Early Bird @41isyoichi

それでは「(円形の)広場」を英語でどのように言うだろうか。答は circus である。(アメリカでは circle ということもある。) ロンドンの地下鉄(underground)に Oxford Circus という駅があるが、この「サーカス」は「ピエロ」などがいるサーカスを意味しているのではないのだ。

2020-02-24 15:01:08
Early Bird @41isyoichi

齋藤資晴氏(駿台予備学校・英語科講師)によって2012年秋学期に行われた講義が上智大学の Open Course Ware にて視聴できます。人生の軌跡、過去から現在に至る仕事や業界の事情、学生へのメッセージなどが語られています。必見😊 ocw.cc.sophia.ac.jp/lecture/201210… pic.twitter.com/V1eRyzq5Yo

2020-02-24 15:14:46
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Early Bird @41isyoichi

以前、島田紳助さんの話術に惹かれてあるDVDを購入した。この『紳竜の研究』には紳助さんの芸人論が入っている。吉本総合芸能学院(NSC)でお笑い芸人を目指す若者に向けて行われたこの特別講義には、氏の死に物狂いの努力、あらゆる分野に共通する分析の方法などが満載でいつ見ても大きな刺激を受ける。 pic.twitter.com/wyccDLjlqC

2020-02-24 15:26:04
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Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 先日英語科の教官室で先生方と談笑していたときのこと。何の話題だったか、私が以前勤めた学校で She left Italy. という英文を「西イタリアに旅立った」と訳した生徒がいたという話をしました。いや、若い頭脳の想像力はたくましい。

2020-02-24 15:44:04
Early Bird @41isyoichi

そんなことを言いながらしばし皆でわいわいとこの迷答を分析し結局、地図上で西は左側にあたるので left Italy が「西イタリア」と化したのではないかという結論に帰着。そんな話を傍らで聞いていた博識のM先生、そこでひと言「上下左右を東西南北で示す言語があるらしいですよ」

2020-02-24 15:44:05
Early Bird @41isyoichi

オーストラリアのとある小さなアボリジニの集落で、小さい女の子に北を指さすように言うと迷わずに正しい方位を指さす。その子が話すクーク語(Kuuk)では、場所は相対方位(上下左右)ではなく絶対方位(東西南北)で表現される。例えば「妹は私の西側にいる」「カップは皿の南東にある」などというように。

2020-02-24 15:44:06
Early Bird @41isyoichi

ある研究によると、このように絶対方位で話す人は、慣れない場所や建物の内部でも、自分の位置を把握できることが実証されているらしい。何でも、これはスタンフォード大学の Lera Boroditsky 女史の指摘されているポイントだそうです。言語と思考の関係は興味深い。

2020-02-24 15:44:06
Early Bird @41isyoichi

『日経サイエンス』(2011年5月号、pp.66-70)には Lera Boroditsky 女史 の How Language Shapes Thought と題する記事の翻訳が掲載されている他、参考文献も紹介されています。

2020-02-24 15:44:07
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] kick off と言えば普通は単に「蹴飛ばす」ことだが、football が盛んになるにつれ、試合を開始するという比喩的な意味が極めて強くなった。 great という語は small に対して形の大きいことを意味しているが、This book is great. と言うときは、価値のある本を意味している。

2020-02-24 16:00:57
Early Bird @41isyoichi

一つの語が比喩的に使われ出すと、時にはその比喩的な使い方が勢力を占めて、その意味が薄れてくることもある。

2020-02-24 16:00:57
Early Bird @41isyoichi

元の意味と比喩的な意味とが並存する例もある。 gas は台所を預かる人と、自動車を運転する人とでは違った意味をもつ。 tank は水槽も意味するが、軍人にとっては別のものを意味する。

2020-02-24 16:20:22
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 一つの語はその語にまつわるいろいろな連想をもつ。例えば、begin という動詞は「出発する」「運動を起こす」という根幹の意味の周囲に、newness, youth, creation, wonder, the dawn, birth 等々の観念をまとわりつけている。

2020-02-24 17:04:00
Early Bird @41isyoichi

そこでその周囲にまとわりついている観念が根幹をなす意味を押しのけてきて、次第に根幹をなす意味が薄れてくる場合も起こるわけだ。

2020-02-24 17:04:00
Early Bird @41isyoichi

An airplane lands on the sea. という場合の land(着水する、もとは着陸する)だとか、一週間に一遍しか発行されない weekly が “Journal”(もとは joul というのは一日の意)と名づけられたりするのはその好例だろう。

2020-02-24 17:04:01
Early Bird @41isyoichi

another は不定冠詞 an と形容詞 other が結合した語。  another experiment は3つ以上の実験の中で「もう1つ別の実験」の意。 the other experiment は2つの実験の中で「もう1つの別の実験」の意。2つの中で「別の」といえば、必然的に「もう1つ」が限定され、定冠詞の the が必要だからだ。

2020-02-24 17:34:17
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 一つの品詞に属していた語に他の品詞の働きをさせるというのは英語の大きな特長だが、品詞の働きが変わる際には意味もまた変わってくる。red (赤い)は a red と言えば急進派、共産主義者になり、whites of the eye と言えば眼の白いところを意味し、a green と言えばゴルフコースの芝生だ。

2020-02-24 23:06:45
Early Bird @41isyoichi

blues と言えば音楽のブルースであり、editorial は editorial article が略されて新聞論説という名詞の働きをしている。

2020-02-24 23:06:45
Early Bird @41isyoichi

まだ、elevator のことをイギリスでは lift と言うが、この語はもとは動詞だった。yield, produce(産出する)という動詞が the yield pr produce of the field などと名詞に用いられると、crop(収穫)の意になる。

2020-02-24 23:06:45
Early Bird @41isyoichi

英米の有名詩人にはこのように品詞の働きを変え、言葉に新しい魅力をもたせる工夫をする人が多い。Shakespeare は Lord Angelo dukes it well. (アンジェロ公は領地をよく支配しておられる)と、Tennison は Diamond me no diamonds. (ダイヤモンド、ダイヤモンドとそう私に言うな)と言って巧みだ。

2020-02-24 23:06:46
Early Bird @41isyoichi

many more books(さらに多くの本)は *much more books ではないかという質問が多い。比較級だから much ではないかとのことだろうが、two more, some more と同じで正しい。もっとも、不可算名詞なら much more water と言う。「much +不可算名詞」の習熟を徹底させたい。

2020-02-24 23:20:10
Early Bird @41isyoichi

言葉は人智の進歩、社会文明の変遷とともに変わっていくものだ。そこで我々が一つ一つの語の歴史をたどっていくと、単語の歴史は人類の進歩を反映しているものであることを悟ることだろう。語源の活用の一つの仕方はあるいはこういうところにあるのかもしれない。

2020-02-24 23:37:42