字書き同人作家魔理沙とレイヤー咲夜（現パロ）

ハチ🐾 @hachisu716

それまではそもそも挿し絵を依頼することもなく、そんなに装丁にこだわるって感じでもなかったからなおさら目にとまりにくく。 もっと広まってもいいのになって思ってくれる知り合いもいたけれど、魔理沙が腰が重いタイプで在庫もあまり残したくないから、無理なく捌ける量しか出さず、

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たまには知り合いの中でも人気があり声の大きい作家さんが、「この人の話すごくいいから！　おすすめですよ！」って新刊告知をRTしながら推してくれたりもするけど、実際そこまで買って読む人は増えない。告知ツイートに、RTにつられていいねが少し増えるくらいで。

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挿し絵が入ってるときは、その絵を入れた作家さんのファンの人が買っていったりするから、ちょっと捌けの勢いはよくなるけど。 でも大体は絵で買っていっただけで小説をじっくり読む人は少ないから、たとえ読んでも「挿し絵がストーリーに合っててよかったです！」という絵の感想に偏ってしまう。

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知り合いに買われていく場合も実は似たような傾向で、ひとりは魔理沙の話が好きで、楽しみにしていて毎回買っていくけれど、その知り合いの知り合いは、ただ友達が推してたからそのときのテンションで買っていたり、

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声の大きい人が推してたから、「私も買いました！」って感じでとりあえず押さえるだけで、実際にイベントが終わってから小説を読む人は、ごく少ない購入者の中でも、本当に本当にごくひと握りっていう。

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魔理沙自身が長年同人小説やっててそんなもんだと思ってるからそれ以上を求めないし、読んでくれる知り合いの中でまめに感想を言ってくれるタイプの人がいればそれだけで満足しちゃうから（読んだよ、今回もよかったよ！ってだけでも）。 という閉じた世界で魔理沙の同人ライフは完成していたので、

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レイヤー咲夜さんもアプローチに悩んでしまって、きっかけがない。 さぎょいぷとかそういう作家同士が集まった通話環境で話したりできないかな……と思うけれど、それとなく魔理沙と付き合いのある知り合いに聞いたところ、小説勢の魔理沙は通話しながら文章は書けないということで。

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「合同に出てもらったときに提出の関係でIDは交換したから知ってるんだけど、誘ってもあんまり通話に来るほうじゃないんだよね」というお返事。 通話でしゃべる機会もない……しゅん……ってなる咲夜さん。 まじで交流するきっかけがなくて詰んでいる。かわいそう。

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魔理沙のスペースはディスプレイも簡素だし魔理沙自身が性格も見た目も控えめで目立つほうではないし（実際に原作では地球滅亡級に可愛くて輝いているのですがここではモブの存在感の世界線）、挿し絵入れないくらいだからポスターもないし、一般参加で足を止める人はほぼほぼゼロである。

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で咲夜さんはイベントしか会う機会ないわけで。 でもとっても魔理沙の作品のファンだから、めちゃくちゃ緊張して深呼吸しながら新刊買いつつ差し入れ渡しに行った。めっちゃ過疎った魔理沙の小説サークルに。 差し入れの袋には実は既刊の感想と（一度もうDMで送っているがなお）、

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ファンレター的な内容をしたためたお手紙が入っていたのだけど、差し入れの中に手紙が入ってるってことも、差し入れの袋を渡すだけで精一杯で緊張して言えなくて。 でもイベントが終わったあとにすぐ魔理沙からSNS上でDMが来て、

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『イベントお疲れさまでした。差し入れと、それからお手紙もありがとうございます。とても嬉しかったです。大事にします。』 ってお礼の連絡がきて、うれしくてキューーーーーーーーンってなる咲夜さん。

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なぜって咲夜さん自身も人気レイヤーだから差し入れもらうけど、もらう量が多すぎてイベント終わったあとにすぐ全てを開封するって出来ないし、下手すると開け忘れるから（悪気はないけどあまりにも量が多すぎるがゆえ）、魔理沙がすぐに差し入れを開けて、ちゃんと手紙を見つけてくれたのが

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なおさら嬉しくて。 ちなみに差し入れを渡したあとの咲夜さんは推し作家が尊すぎてちょっとテンションが変になっていて、ちょっと話ができただけでトイレの個室で「あーーーーー…………」って顔真っ赤になってて顔覆ってた。ハイパー美人がそうなってると更によきだと思います。

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一方、イベントが終わったあと家で咲夜の差し入れを開けた魔理沙は、かわいい封筒に入った手紙を見つけて、丁寧に広げて読みながら、綺麗でかわいい字だな……とか思って穏やかに目を細めていた。 便箋からは、ふわっと香水のようないい香りがした。

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自分はそんなにsakuyaさん（仮）と中が良いわけではないのに、こんなにしっかりした手紙と差し入れをいただけるということは、知り合いひとりひとりにこんな風に配っているのかなあ。交流も多くて相当大変だろうに、とてもマメで親切なかただなあ……といまいち好意が伝わっていないことを考えていた。

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で、数ヵ月がたち、次のイベントが来ますやん。 で今度は魔理沙の方が咲夜さんに差し入れとお手紙を用意してきた。 渡しにいきたいけれど、有名な咲夜さんがコス売り子してるスペースはやはり大手で、しかも魔理沙が活動しているジャンルとは別なので、

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売り子さんにしか用事がないのもサークル主さんに失礼だし、スペースへどうやって差し入れに行こう……と迷って行けていない状態でタイミングを迷っていた。 で、もたもたしてたらまた咲夜さんがスペースに差し入れと挨拶をしに来てくれたので、

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魔理沙「あああ、こちらから席も立たずに申し訳ないです」 とか恐縮して謝りながら、「えっと、これ、良かったら私からも差し入れです」と咲夜さんに紙袋を渡すじゃないですか。 魔理沙「えっと……拙いんですけど、中に手紙も入ってるので……先日はお手紙ありがとうございました」

ハチ🐾 @hachisu716

ってお礼言うじゃないですか。 そしたら？？？？？ 咲夜さんが受け取った紙袋を胸に抱くようにキュッと持って？？？？？？？ 本当に嬉しそうにきゅんとした顔で、感無量っていうようにぐっと目を伏せて大事そうに紙袋を抱えながら 咲夜「ありがとうございます…………」 って言ったら？？？？？

ハチ🐾 @hachisu716

そのやり取りを隣で見ていた魔理沙の売り子の友達が、 （あれっ…………この反応…………ガチで大好きなのでは……………？？） って思うんだけれども、咲夜さんがお辞儀して去っていったあとの魔理沙が 魔理沙「ああやって知り合いみんなに挨拶に行くみたい。有名なのに、マメでいい人だよなあ」

ハチ🐾 @hachisu716

ってのんびり言うから、「ええっ……いやっ……うーーん……」ってなるけど魔理沙本人が関心持ってないから言えない。 あと売り子友達もあのsakuyaさん（仮）がスペースまで来て挨拶していったことにめっちゃびっくりしてる。 腰高！！！！ 顔ちっちゃ！！！！ 体の全部が脚なのか？？？？ みたいな。

ハチ🐾 @hachisu716

ちなみに咲夜さんの方は、イベントでしか魔理沙と会う機会がなく、年間でも夏冬のコミケと、大きなオンリー２回程度の通算４回会えるかどうかみたいな関係だから、イベント終わったらまた次は数ヵ月後…………はああ…………ってなっている。

ハチ🐾 @hachisu716

そんでおうち帰ってからめっちゃそわそわしながら魔理沙にもらった差し入れ開けるじゃないですか。 お風呂入ってドライヤーして化粧水と乳液つけて万全の態勢になってから胸押さえて呼吸整えて、ドキドキしながら手紙も開けますやん。 そこには教科書みたいに丁寧な字で、丁寧なお礼が述べてあって。

ハチ🐾 @hachisu716

そんなにたくさんは書いてないけれど、でもおそらく咲夜さんが前回渡した手紙と同じ分量には合わせて書かれていて。 『この前つぶやいていた衣装の写真のここは、これこれのつぶやきを活かしたこういうこだわりかなと思えた、細かい装飾の隅々まで創作の神経が通っていて、とても感動しました』