磯直樹『認識と反省性』読書メモ集

礒直樹『認識と反省性――ピエール・ブルデューの社会学的思考』(法政大学出版局、2020)の読書メモをまとめました。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

写真だと分からないが、カバーがなんか波波している。

2020-03-22 09:23:43
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューが影響を受けたバシュラールやカンギレムのエピステモロジーは、一九世紀から二〇世紀にかけてのフランスのある種の知的伝統に根ざしている」(堀直樹『認識と反省性』)。へぇー。

2020-03-22 13:56:40
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューは、自らの無知を認めずにアルジェリアを論じる知識人を問題視し、特に想定していたのはサルトルとファノンであった」(磯直樹『認識と反省性』77p)。へぇー。

2020-03-22 14:19:37
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ここで「シェム」という概念が出てきたが、これはブルデューのハビトゥス概念を理解する上できわめて重要である」(磯直樹『認識と反省性』169p)。ブルデューのいう「シェマ」と「シェム」は違う。メモ。

2020-03-23 19:14:34
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「シェム概念はどちらかといえば行為者に帰属する構造であり、行為と認識を支える原動力になる。一方のシェマ概念は、対象の認識の仕方であり、認識対象に結び付けられた諸々のイメージの体系である」。うん、よく分からん。

2020-03-23 19:17:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューのこのような用法から分かるのは、文化資本とエートスは相互補完的に用いられており、前者はデータとして収集しやすい対象に対して、後者はそうでない対象に対して適用される傾向にあるということである」(磯直樹『認識と反省性』181p)。なるほど。

2020-03-23 19:32:59
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューは「社会的再生産」と「文化的再生産」を使い分けており、前者は「階級構造の再生産」に意味が近く、後者は「世代間文化伝達」に意味が近い」(磯直樹『認識と反省性』184p)。へぇー。

2020-03-23 19:38:10
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

磯さんは再生産の理論家としてのブルデュー像を偽として斥けるが、そもそも階級の再生産の議論自体はどう思っているんだろうか。

2020-03-23 19:48:38
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「構造化された構造」「構造化する構造」みたいな言い方は再生産の話じゃないんだろうか。

2020-03-23 19:51:02
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

界概念などのブルデューの基礎概念は、その用語法が『ディスタンクシオン』以前にはあまり安定していない。この点をよく自覚して読まないと、われわれはブルデューの著作を誤読することになる。by磯直樹『認識と反省性』213p

2020-03-23 20:39:49
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューにとって、資本の前にくる修飾語は何でも構わない。便宜的に「経済資本」「文化資本」と呼んでいるだけであり、理論的に重要なのはむしろ界の特性である」(磯直樹『認識と反省性』216)。重要だね。

2020-03-23 20:44:45
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ハビトゥスは、複数の界を取り結び、諸々の界の特性によって見えにくくなる全体社会の輪郭を顕す役割を担っている。ブルデューにとって、異なる領域における実践を統合する原理は、ハビトゥス以外にはあり得ない。by磯直樹『認識と反省性』223p

2020-03-23 20:52:09
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

社会空間は、理念的に設定されたある瞬間を共時的に捉えようとするのに対し、ハビトゥスはこれを補完し、通時的な視座も提示する。by磯直樹『認識と反省性』281p

2020-03-24 17:04:38
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ブルデューのカント美学批判の前提にあったのは、フランスにおけるハイデガーの受容の問題であった」(磯直樹『認識と反省性』293p)。意外だね。

2020-03-24 17:15:24
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ブルデューがスゴイのは客観化する主体の客観化の方法論を練り上げたから…みたいな感じなんだろうか。

2020-03-24 17:28:14
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

レイモン・アロンの娘であるドミニク・シュナペールは、『美術愛好』の共同研究者の一人であり、調査も執筆も担っている。にもかかわらず、同書の初版では彼女は著者の一人として名を連ねておらず、彼女の名前は表紙に印刷されていない。by磯直樹『認識と反省性』321p

2020-03-24 17:46:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

石井洋二郎『文学の思考』、要チェック。

2020-03-24 17:48:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ブルデューにとって理論構築とは、それが構想されていった過程をも可視化する作業を伴うのである。by磯直樹『認識と反省性』331p

2020-03-24 17:56:01
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

磯直樹『認識と反省性』読了。勉強になった。他方、ブルデューのオリジナリティを反省性(客観化する主体の客観化)に求めるのだが、社会学者って他にそういうことやってないのか?的な、他の学者の反省性との間に差があるのかないのかがよく分からなかった。

2020-03-24 18:41:05
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

たとえば、ルーマンも反省性とか観察者がどうのみたいな話するじゃないですか。ああいうのとは全然違うんですかね。

2020-03-24 18:42:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

地道な調査経験の有無やエピステモロジーの伝統の有無が違うのかな?

2020-03-24 18:44:02
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

これと関連するが、磯さんは【ブルデューはスゴイ学者だから面倒くさい概念連関でも用法を守って正しく使おうね】という考えなのか、それとも【ブルデュー社会学はブルデュー語でできてるから気軽に使わない方がいいよ】という考えなのか、どっちなのか。

2020-03-24 18:50:00
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

つまり、ブルデューを正しく理解することは、ブルデュー研究にとって有意義なのか、それとも(または、それに加えて)社会のことをもっと的確に理解するのに有意義なのか。

2020-03-24 18:52:34