Early Bird @ 41isyoichiさんの英語講座(2020年2月29日分)toとthat/may/killとmurder/主観的・客観的な形容詞の順序/make/緩述法/expensiveとhigh/while/suite/responsible/他

まとめました。
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Early Bird @41isyoichi

中高で英語を教え、大学で英語科教育法と受験英語指導研究を講じてます。教員研修会講師。文科省高校検定教科書 FLEX (増進堂)執筆者。NHKラジオテキスト英文法コラム元執筆者。『英語教育』(大修館書店)など専門誌へ寄稿多数。共著に『夢をかなえる英文法 ユメブン1』(アルク)。未来塾(@miraijuku2015)主宰。

Early Bird @41isyoichi

(1)I believe him to be honest. (2)I believe that he is honest. 何れも「彼は誠実だと思う」の意だが、(1)では話し手の思い入れ(= 介入度)が大きく、(2)では話し手の介入度は小さいと言える。(1)は主観的に見解を述べている。(2)は態度や行動から客観的に彼の誠実さを信じている。

2020-02-29 00:47:33
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] He may be rich. は It may be that he is rich. の意で may が全体を覆っている。「主観的な表現が客観的な表現を包み込む」英語の傾向が現れている。根源的な may ではこうならない。なお It may be that he is rich. で it と that が落ち may と be が結合し maybe の文副詞が生まれた。

2020-02-29 07:06:50
Early Bird @41isyoichi

It seems (that) George knows the story. は It seems, George knows the story. George knows the story, it seems. と変化し、さらに it も落ちて文副詞のようになることもあるが、「主観的な表現が客観的な表現を包み込む」という英語の傾向が現れている。seem は主観性の強い動詞だからだ。

2020-02-29 07:06:51
Early Bird @41isyoichi

「主観的な表現が客観的な表現を包み込む」という傾向は、助動詞と準助動詞が並列されるときも、will be able to というように「認識的」→「根源的」の順となり、*can be going to とはならないことや、so very happy や really very beautiful という表現にも見て取れる。

2020-02-29 07:06:51
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] (〇)He looked at the murdered man. と言えるが、 (✕)He looked at the killed man. と言えないのは、情報不足だからだ。もっとも、kill に何らかの情報(例えば「つい先ごろ」の意)を付け加えて (〇)He looked at the recently killed man. のように言えば🆗

2020-02-29 08:41:18
Early Bird @41isyoichi

簡単に解説。kill =「殺す」 に対し、murder =「殺す」+α の等式が成り立つ。つまり、kill は「殺す」という基本的意味だけから成り立っているが、murder にはさらに α 的要素(例えば「故意に」の意)が加わっている。α 的要素を余分に持つ動詞の過去分詞しか形容詞として名詞の前に置けないのだ。

2020-02-29 08:41:18
Early Bird @41isyoichi

形容詞の中には old/young のように「客観的な測定値を表す形容詞」と beautiful/ugly のように「主観的な判断を表す形容詞」が存在する。年齢は何歳と数字で表すことはできるが、美醜は数字では表し得ないことに注意したい。柏野健次『英語語法詳解』(三省堂、2012年、p.314)の明快な指摘。

2020-02-29 09:21:40
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 👉 I have a little red Italian car.(小さなイタリア製の赤い車を持っています) 話し手によって判断が変わる可能性のある(相対的な)形容詞(little)を、客観的記述をする形容詞(red, Italian)に先行させる。製造国はその製品の特質を表すので Italian はすぐ近くに置く。

2020-02-29 10:06:40
Early Bird @41isyoichi

複数の形容詞は名詞の前で「話し手の主観的な判断を表す形容詞」→「客観的に事物を言い表す形容詞」の順に並べる⚠️ 話し手によって判断が変わる可能性のある形容詞(interesting, easy, pretty など)を客観的記述をする形容詞(American, round, yellow など)に先行させる、ととらえるわけだ。

2020-02-29 10:06:41
Early Bird @41isyoichi

複数の形容詞(限定用法)の配列順序にも「主観的な表現が客観的な表現を包み込む」という英語の傾向が現れている。右展開の言語である英語で、主観的意味合いをもつ語は左手に出現する。これは、話し手が心理的に思いの丈をまず先に吐露したいと考えるからなのだろうか🤔

2020-02-29 10:06:41
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 複数の形容詞の語順については比較的順序が安定している表現を数多く与え、十分練習させあるいは暗記させ語感を養うことも大切だ。 👉 an interesting American movie 👉 an easy short test 👉 a pretty little baby 👉 a beautiful brand-new German car 👉 an ugly large round table

2020-02-29 10:44:18
Early Bird @41isyoichi

その他、下記を補充してもよいだろう。 👉 a beautiful yellow blouse 👉 these three English books

2020-02-29 10:44:18
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] make には「ある事柄が原因となって、別の事柄が自発的に(自然に)生じる」という意味を表す使い方がある。このようないわゆる「自発使役」の用法について、久野暲・高見健一『謎解きの英文法 使役』(くろしお出版、2014年、pp.3, 9-11)は次のような諺をはじめ、典型例を提示している。

2020-02-29 10:49:28
Early Bird @41isyoichi

👉Absence makes the heart grow fonder. (離れていると愛情がかえって増すものだ) 👉Love makes the world go round. (愛は世界を動かす) 👉You just sit down here and have a nice cup of coffee. It'll make you feel better. (まあここに座って美味しいコーヒーでも。気分がよくなりますよ)

2020-02-29 10:49:28
Early Bird @41isyoichi

なお、ここで言う「自発」は文法用語で「そうしようとは思わないのに、自然にそうなる/自然に起こる」という意味だと注記している。(p.189)

2020-02-29 10:49:29
Early Bird @41isyoichi

次の英文の空所を埋めるのに最も適切な語は(1)〜(4)のうちではどれ? There are several problems we have to(   )the prime minister to consider.

2020-02-29 11:10:59
Early Bird @41isyoichi

修辞学の緩述法を意味する meiosis [maióusis] は litotes [láitotiːz] とも言い、控えめに言って印象を強める表現である。That was some [sʌ́m] storm. (ちょっとしたあらしだった) や no bigger than (= as small as), not a few (= a considerable number of) などがその例だ。

2020-02-29 12:07:43
Early Bird @41isyoichi

盲点かも⚠️ ある行動の目的を表すには to 不定詞で十分だが、in an effort to do という形が用いられることがある。 👉He frowned in an effort to remember.(彼は思い出そうとして顔をしかめた)

2020-02-29 12:41:01
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] expensive は「値段が高い」の意。よって、(2)のように値段(price)を主語に据える場合は expensive ではなく high で応じる。値段は高低で言及する。 (1)This car is expensive.(この車は値段が高い) (2)The price of car book is high.(この車の値段は高い)

2020-02-29 13:17:56
Early Bird @41isyoichi

ちなみに、price を使って「この車はいくらですか」と言えるだろうか。答は What’s the price of this car? である。*How much を用いて尋ねることはできない点に注意したい⚠️

2020-02-29 13:17:56
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 盲点かも⚠️ while は元来「時間」の意の名詞だった。今でも after a while(しばらくして), for a while(しばらくの間), in a short while(しばらくしたら)などの定型句に残る。このように、定型句には、定型句を構成する語の古い意味が化石的に残存していることが多い。

2020-02-29 13:41:48
Early Bird @41isyoichi

It is worth while to read this book. という文で worth は前置詞として使われ、「~に値する」の意を表している。while は「時間」の意だから、この文は「この本を読むことは時間に値する」☞「この本は読む(時間をかける)だけの価値がある」「この本は読むに値するものだ」の意となる。

2020-02-29 13:41:48
Early Bird @41isyoichi

接続詞の while も本来は名詞だったが、2つの状況が並行しているさまを表す接続詞になったのだった。Mother was preparing supper while I was cleaning my room. などの文における while は文字通り during the time that の意だったわけ。(time の意の名詞 while が副詞役を務めている用法。)

2020-02-29 13:41:49
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] ホテルのスイートルーム(suite)は寝室・居間・浴室などがセットになった「続き部屋」を指す。 👉This suite is three times larger than my condominium.(このスイートルームは私の住んでいるマンションの三倍の広さだ) pic.twitter.com/e3bhoGbtA2

2020-02-29 17:29:06
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