- isuzakumon
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夜になると梟の声がする木が、このあいだ伐り倒された。 枝のあった、もう何も無い空間から、今でも夜に梟の鳴き声だけがする。 #怪談
2020-02-21 07:25:42赤く熱した鉄の棒を頬に押しつけられる。 そんな夢から大声をあげて目覚めると、おばあさんが氷枕を頬に当ててくれた。 て、おばあさん、あなた誰? #怪談
2020-02-20 07:32:34緑の海のような広い広い野原。 開放感いっぱい。 柿が一つ落ちてきて、熟していたのかべしゃりと潰れた。 鳥が落としたに違いない、と見上げると、雲だけが浮かぶ青空。
2020-02-19 07:28:02家のトイレの中から「別嬪さん、別嬪さん」という知らない声が聞こえる。 照明のスイッチはオフになっている。 「誰だ!」と思い切って開けるが、誰もいない真っ暗なトイレだった。 「一つ飛ばして別嬪さん」とさっきの声が真っ暗なトイレに響いた。 #怪談
2020-02-17 07:29:00祖父は子供の頃に血を流す石を見たという。緑色透明で中央に凹みがあり、そこから真っ赤な血が溢れてくる。 祖父はそれをずっと探し求めていた。 そんな祖父が亡くなり、焼き場で骨になった。遺骨の中に緑の石があった。凹みから赤い液がにじみ出てきた。 探していた石は祖父の身体の中にあったのだ。
2020-02-16 08:08:52気付くと、切れた電球の代わりにリンゴを押し込もうとしていた。 自分が怖くなる。 疲れているのだと床に就いた。 気付くと、切れた電球の代わりにリンゴを押し込もうとしていた。
2020-02-15 07:39:58取材のとき録音していた音声ファイルの内容が変化していた。 もう字には起こしてあるので、当時はちゃんと録れていたのは確かだ。 今は知らない男の笑い声がずっと入っている。 #怪談
2020-02-13 07:43:33ひとり暮らしのGさんは、朝起きると布団の中に知らない護符らしき紙が入っていることが度々あったという。 どれも文字か模様かわからない奇妙な柄で、どこのもので、なんのためなのか、誰が置いているのかわからなかった。
2020-02-12 07:29:33自分の頭蓋をパカリと開けて、スプーンを刺す。 思ったよりも弾力がある我が脳をこんもりと掬いとる。 ちょっと苦みがあって食が進む、自分の味。
2020-02-11 23:19:19深夜、ずっとテナントが入らないままになっている空き店舗の奥から「出てらっしゃい」と声がする。 ギョッとして立ち止まり、店舗に目をやるが真っ暗闇。 もう一度、「出てらっしゃい」とこちらに呼びかけているような声が聞こえる。 #怪談
2020-02-11 08:09:59雨の夜にわざわざ綺麗な羽布団を敷いてある、謎の空き地がある。普段は敷いていないのだ。 雨でもいつもではないから、敷いているところ狙って見るのは難しいが、たまたま見ることができた。 話を聞こうと近付いたが、怒りのオーラを発しながら無視された。
2020-02-10 07:32:21ベランダに出て見下ろすと、ここから落ちたら絶対死ぬなとゾッとする。 その一方で、飛び出してみたいとタナトスがそそのかす。 いつもはちゃんとそこで思いとどまる。 でも、今日は、思いきっ
2020-02-09 22:50:18運転していたのでチラッとしか見ていないが、さっきの死体、猫でも犬でもない。 強いて言えば、ステゴサウルスのちっこいやつに見えた。
2020-02-07 22:42:22トンネルを掘ると、龍が横たわっていて邪魔で工事が進まなかったという話を聞く。 近くに龍神様として祀ったそうだが、工事は進まない。 お供え物として金銀を山と積むと工事は難なく進んで完成したという。 #怪談
2020-02-06 07:36:02ドライブ中に電話ボックスが横に付くという話を聞く。 電話ボックスは走っているというよりは、車の一部のように付随している感じがするそうだ。 その電話ボックスには赤ん坊がぎゅうぎゅう詰めになっているという。 #怪談
2020-02-05 07:47:29Kさんが東名高速を時速130キロで飛ばしていた。 岡崎を過ぎた辺りで後ろに赤いカウンタックがピタリと付けパッシングしてくる。 走行車線にずれると160キロは出ているだろう速度で抜いていった。 その後を真っ赤な馬が付き従っている。 しばらく行くと大破している赤いカウンタックがあった。 #怪談
2020-02-04 07:32:58長い廊下の奥から、巨大な足の裏がドーンと迫ってくるという話を聞いた。 部屋に横っ飛びして逃げたというが、ドアの向こうに、硬そうなすね毛の生えた大きく太い脚が見えたという。 足はまた引っ込んでから消えたというのが面白い。 #怪談
2020-02-03 08:03:16捨てたのに家に帰ると鎮座しているという人形の話を聞いた。 人形が自ら戻ってくるのではなく、持ってくる者がいたのだという。 そいつは、自分を恨んでいる人の生霊だったという、珍しい話。 #怪談
2020-02-02 07:01:50