茂木健一郎さんの「日本の不得意なこと」

脳科学者・茂木健一郎(@kenichiromogi)の6月14日の連続ツイート。 日本は何が不得意になってしまったのか?
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茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(1)自分がどんなことが得意で、何が苦手かという「メタ認知」は、システムとしての脳の働きを安定化させるだけでなく、一歩前に進むための足がかりにもなる。特に、自分の不得意なことを認識することが大切である。

2011-06-14 08:08:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(2)先日、経済産業省のクール・ジャパン室長、渡辺哲也さんとお話した時、日本はだんだん売るものがなくなってきてしまったのだ、と認識した。だから、マンガやアニメに代表されるコンテンツを売ろうと、経産省も力を入れる。日本は、何が不得意になってしまったのか?

2011-06-14 08:10:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(3)十年くらい前から、フォーラムなどで「ものづくり」という言葉が強調されるのを聞くと、不安な気持ちになった。なぜそうだったのか、今になって考えると、日本人が言うところの「ものづくり」だけではやっていけない時代が来るという予感があったのだろう。

2011-06-14 08:11:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(4)日本人は、言挙げせず、黙々と良い品質のものを作るのは得意である。そのような生真面目な職人気質は、日本の誇りであって、すぐれた工芸品から始まり、遅れない新幹線、コンビニの店員さんの水際立った仕事ぶりまで、この島国を満たしている。

2011-06-14 08:12:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(5)日本人の得意分野については、大いに伸ばせばいい。不得意分野は、何といってもインターネット。グーグルやフェイスブック、ツイッターのような世界を制覇するようなパラダイムが日本からはなかなか出にくい。なぜか?

2011-06-14 08:13:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(6)日本人は定められたルールを黙々とこなすのは得意だが、何が起こるかわからない偶有性に向き合うのは苦手である。そして、偶有性こそがネットの本質。たとえば、著作権保護についても、日本人は文字通りに捉えすぎて完全に後塵を拝してしまった。

2011-06-14 08:14:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(7)電子ブックにしても、国内でごたごた言っているうちに、アマゾンやグーグルにぜんぶ持っていかれてしまうだろう。ネットに接続する次世代テレビもそう。地上波テレビの既得権保護に汲々としているうちに、時代は激変する。アップルやグーグルが来るのは見えている。

2011-06-14 08:16:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(8)結局、日本人の職人気質、勤勉さは、ネットのキッタハッタの世界には適応できていない。ネットでは、日本企業はやられっぱなし。結局、世界規模の競争にさらされていない大学や地上波テレビなど、保護壁のある産業だけが何とか続いている。しかし、それも何時までのことか。

2011-06-14 08:17:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

ふと(9)大学のカリキュラムも、時代の要請とミスマッチである。「総合政策」、「国際情報」などという茫洋としたテーマを掲げているよりは、がしがしとコードを書いて、システムを構築できるセンスを持つ学生を養成すべきだろう。ザッカーバーグが10人くらい出てくれば日本は助かる。

2011-06-14 08:19:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、日本の不得意なことについての連続ツイートでした。

2011-06-14 08:19:49