大林宣彦監督についての極私的な覚書

大林宣彦監督についての呟きをまとめました。 (セルフまとめです)
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

大林宣彦は『少年ケニヤ』を作った時、カットをわざと塗らず線画のママ撮影するというテクニックを使っていた。『少年ケニヤ』は興行的にも批評的にも成功しなかったが、『火垂る墓』を観た大林宣彦は「ここに理解者がいた!」と感動したのではないかと思う。 何故なら、私も劇場でそう思ったからだ。 pic.twitter.com/LkWXP2wWnX

2020-04-11 10:49:35
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『火垂るの墓』で劇場公開当時に線画だったのは、主人公が盗みをして村人に殴られるシーンだった。つまり、一番キツい瞬間に「これは絵ですよ」と教えてあげる訳で、大林宣彦的ロジックとしても整合しているのだ。 高畑勲には、そういう手法を使ってもおかしくない面があった。twitter.com/woody_susumu/s…

2020-04-11 11:02:03
ウディすすむ @woody_susumu

「火垂るの墓」の清太が盗みをして農家の人に殴られる場面は、現実の醜さに清太のヒロイズムが押し潰されるシーンですから、そこを線画にすることで「これは絵なんですよ」と観客に知らしめるのは「実に大林宣彦的だなぁ」と思ったのです。そうしたら、「時間切れの塗り残し」だったワケですが…。 😅

2017-04-27 11:27:59
ウディすすむ @woody_susumu

「火垂るの墓」の清太が盗みをして農家の人に殴られる場面は、現実の醜さに清太のヒロイズムが押し潰されるシーンですから、そこを線画にすることで「これは絵なんですよ」と観客に知らしめるのは「実に大林宣彦的だなぁ」と思ったのです。そうしたら、「時間切れの塗り残し」だったワケですが…。 😅

2017-04-27 11:27:59
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

宮崎駿ではあり得ないけれど高畑勲ならあり得ると空想してしまう。 宮崎駿は保守的で、CG等の新しい技術に懐疑的だけれど、高畑勲は新しい技術やテクニックにも柔軟で積極的だった。 仮に、存命中の高畑勲にインタビューが出来たとしたら「あのシーンの塗り残しは本当に偶然ですか?」と聞いてみたい。

2020-04-11 11:22:58
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

そういえば、宮崎駿が大林宣彦監督の『ふたり』について「ワンカットが長過ぎる。”思い入れがあればカットを長くしても良い"という今の日本映画の考えは間違いだ」と批判していましたね。批判していたことよりも「宮崎駿『ふたり』を観ているんだ」と驚きましたけれど。大林宣彦を意識していたのかな?

2020-04-11 21:59:05
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

大林宣彦監督はテレフィーチャーにも力を入れていた。『麗猫伝説』が、いかにも大林宣彦らしいギミックに満ちた作品で有名(後に映画版にしている)だけれど、『可愛い悪魔』という作品も、大林的な特徴のないストレートなサスペンスだけれど、良かった。TVで1回しか観ていないが、印象に残っている。

2020-04-13 12:38:43
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『異人たちとの夏』は、役者・片岡鶴太郎を生んでしまったという意味で、良くも悪くも記念碑的な作品だ。この映画の鶴太郎は実に良かったし世間の注目を浴びたけれど、大林宣彦監督は、どちらかと言えば損な役である、風間杜夫の演技を高く評価していた。

2020-04-13 12:43:37
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

クライマックスの浅草・今半での別れのシーンで、風間杜夫はずっと背中を向けている。インタビューで、このシーンの片岡鶴太郎の演技を褒める記者に対して、大林宣彦監督は「あれは(背中を向けている)風間杜夫が上手いんです。彼が良い演技をしているから、鶴太郎も良い表情が出来る」と話していた。

2020-04-13 12:49:01
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『異人たちとの夏』の公開時に、荒井晴彦が、名取裕子が急に風間杜夫を訪ねて来るシーンを「あんな風に名取裕子を追い返す男がいるか!」と批判していた。当時はその通りだと思ったのだが、今では「たとえ美女でも全く相手にしたくない時もあるな…」と考えが変わった。荒井晴彦も若かったのだろう。

2020-04-13 13:00:09
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『探偵物語』と『時をかける少女』が「両A面」(つまり対等)だったというのは、歴史的事実に反すると思いますね。 『時をかける少女』も宣伝はされていましたが、「薬師丸ひろ子と松田優作の共演!」というだけで『探偵物語』はモノが違ったんですよ。当時の超弩級スターの組み合わせですからね。

2020-04-16 19:36:15
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『探偵物語』の企画を聞いた時は「王手!」という感じで、思わず「おぉっ!」と声が出ましたよ。 しかし、実際に観に行ったら、『時をかける少女』のエンドタイトルに拍手していたのです。

2020-04-16 19:41:24
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

ポスターの扱いが同格だから『探偵物語』と『時をかける少女』が同格、という事にはならないのです。もちろん『時をかける少女』はあからさまなB面扱いではなく「豪華な二本立てだな」という印象でしたが、原田知世はこれがデビューだし大林宣彦監督もまだメジャーなヒット監督とは言えませんでした。 pic.twitter.com/ilDZ4eldG1

2020-04-16 19:49:07
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『転校生』は評価は高かったですが、リアルタイムではヒットしていないのです。ロードショーで観た人は少ないと思いますますよ。私が観た時も劇場はガラガラでした。後に、口コミで人気作になって行ったのです。 『時をかける少女』は満員でしたが、その集客力は殆ど『探偵物語』のものでした。

2020-04-16 20:00:47
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

✖️思いますますよ ⭕️思いますよ …失礼しましました😅 twitter.com/woody_honpo/st…

2020-04-16 20:23:34
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

当時の学生は、たいてい松田優作か薬師丸ひろ子のどちらかが好きでしたから、そりゃあ『探偵物語』は観に行きますよ。『時をかける少女』目当ての観客は本当に少数派だったと思います。だからこそ、このプログラムの主従関係の逆転劇は印象的だったのです。それを無かった事にするべきではありません。

2020-04-16 20:13:01
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

映画を上映している時から観客の反応が違ったし、ロードショーの期間中に評判が逆転して行くのが肌で感じられました。 特に『時をかける少女』がユニークだったのは、その独特な(ある意味で反時代的な)ノリに、若い観客が、最初は当惑しながらも次第に引き込まれて行った感じですね。

2020-04-16 20:22:18
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

クラスの皆が最初は『探偵物語』の話しかしていなかったのに、いつの間にか「『時をかける少女』ってイイらしいよ」と話が変わっていたんだよ。 当時は「角川映画の話題」は学生にとってトレンドだった。いったん斜陽になってしまった映画を角川映画は押し戻したのだ。それは称賛されるべきだと思う。

2020-04-16 20:38:03
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

今日(2020.4.18)の『時をかける少女』のTV放映、このエンドタイトルがカットされていたって本当?それは絶対にやってはいけない事です。『第三の男』のオーソン・ウェルズの「笑顔」をカットするのに等しい。 …え?例が古すぎる?😅 twitter.com/woody_honpo/st…

2020-04-18 22:41:24
ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo

『時をかける少女』エンディング このエンディングがあったから観客は泣いたのだと思う。(実際、みんな泣いていた) youtube.com/watch?v=RBSozb…

2020-04-13 11:48:57
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『時をかける少女』は、ラストのカーテンコールまで含めて初めて成立する「作品」なのです。エンドタイトルは「おまけ」じゃないのだ。

2020-04-18 22:55:21
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

大林宣彦は映画の虚構性に自覚的な作家であり、映画の始まりと終わりに「これは虚構(映画)ですよ」と示すことが多かった。『時をかける少女』のカーテンコールもそうなのだが、ここでは、閉じた内向的な作品世界が解放され、観客の感情も解放される(素直に涙を流せる)という唯一無の効果を生んだ。

2020-04-19 09:34:50
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

長部日出雄は、大林宣彦が「これは映画です」と示す癖に肯定的ではなかった。映画が外に広がって一般性を持つ事を妨げると考えていたようだ。『時をかける少女』を「世界的な評価に値する」と絶賛しながら、ラストのカーテンコールを「心配」していた。しかし、あれがあったからこの作品は残ったのだ。

2020-04-19 09:44:26
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

大林宣彦の「虚構性の提示」は寝物語を聞かせる母親が「さ、お話はお終い」と子供を日常に帰したり、キツい瞬間に「大丈夫、これはお話だよ」と避難させてあげるのに似ているが、長部日出雄は、それを表現者としての「逃げ」だと受け取ったのかもしれない。しかし、逃げというより緩和なのだと思う。

2020-04-19 09:53:51
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

大林宣彦が『火垂るの墓』の塗り残しを意図的なテクニックだと捉えて感動したのではないか?と思うのも、それが偶然にも、極めて大林宣彦的な「緩和」になっていたからだ。「大林宣彦が『火垂るの墓』を作ったら、同じシーンを意識的に線画にしたのではないか?」とすら思う。 twitter.com/woody_honpo/st… twitter.com/woody_honpo/st…

2020-04-19 10:00:45