1980年代の「角川映画ムーブメント」を回顧してみる

角川映画40周年を記念して、昭和時代(1988年まで)の角川映画48作品を一挙に上映する「角川映画祭」(7/30~9/2:角川シネマ新宿にて)が開催されるのにちなんで、当時の角川映画を振り返ってみました。
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7月30日から、かつての角川映画が一挙に回顧上映される角川映画祭が開催されます。初めてメディアミックス戦略を持ち込み、日本映画に新風を吹き込んだ角川映画は、80年代に青春を過ごした映画ファンにとって、非常に重要なムーブメントでした。 twitter.com/cinematoday/st…

2016-07-27 15:03:46
1976年

角川映画のスタートは、横溝正史原作の「犬神家の一族」でした。
この作品から、映画、ドラマ、マンガまで巻き込んだ「金田一耕助ブーム」が始まります。

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最初の角川映画は、巨匠市川崑監督が横溝正史のミステリーをオールスターキャストで映画化した「犬神家の一族」でした。この作品の大ヒットで、当時すでに忘れられつつあった横溝正史のブームが起こり、再び大ベストセラー作家として復活しました。 pic.twitter.com/Uc7x2ughHN

2016-07-27 17:24:40
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@woody_honpo 本格ミステリーの古典オールスターキャストで一流監督によって映画化する、という「犬神家の一族」の方法論は、シドニー・ルメット監督「オリエント急行殺人事件」が成功したことに、ヒントを得たものでしょう。 pic.twitter.com/UsuCud7w2m

2016-07-27 17:35:45
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1977年

「角川映画」というブランドが誕生したのは「人間の証明」からです。従来の常識を破るメディアミックス戦略を駆使した宣伝は、大ブームを起こすと共にマスコミの批判を浴び、「角川商法」と揶揄されました。

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「人間の証明」は角川映画が全く新しいムーブメントであると証明しました。メディアミックスによる宣伝戦略、ハリウッド俳優(ジョージ・ケネディ)の招聘とニューヨークロケ、ジョー山中の主題歌全てが新しかった。ただし、作品は今ひとつでした。 pic.twitter.com/a9CAjgA0EQ

2016-07-27 17:56:08
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徹底した宣伝攻勢で社会的ブームを巻き起こし作品をヒットさせる方法論は「角川商法」と呼ばれ、マスコミから批判を浴びました。しかし角川映画によって、子供たちが再び映画をトレンドとして話題にするようになりました。当時すでに斜陽だった映画が、エンターテイメントのトップに返り咲いたのです。

2016-07-27 21:25:25
1978年
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角川映画のイメージを決定付けた「野性の証明」は、後に角川映画の看板女優となる薬師丸ひろ子のデビュー作です。しかし、元自衛隊員が巨悪の陰謀に呑み込まれる、かなりアクの強い作品なので、宣伝に釣られて観に行った少年にはショッキングでした。 pic.twitter.com/UvMyrGYzug

2016-07-27 21:46:40
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当初、角川映画に批判的だった高倉健は「野性の証明」出演をきっかけに支持に「転向」しました。理由はケータリングなどが充実した、リッチな撮影現場にショックを受けたからです。「これが成立するなら、今までの日本映画は何をやっていたのかと思う」。予算の使い方が、従来の映画とは違ったのです。

2016-07-27 21:59:33
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それまでの日本映画では、撮影現場や宣伝に使うお金はなるべく抑えて、その分を映画のクオリティを上げるために費やすことこそ正しい、と考えられて来ました。しかし、映画の素人だった角川春樹は、撮影環境から宣伝までを含めて「映画」だ、という発想だったのです。これはコペルニクス的転換でした。

2016-07-27 22:05:40
1979年
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「蘇る金狼」は、当時カリスマ的なトップスターだった松田優作を主演に、大藪春彦のピカレスクロマンを映画化した、ファン待望の一作。しかし、ラストの唐突なオチが、後の「野獣死すべし」や「ア・ホーマンス」の「ビザールな優作」を予感させます。 pic.twitter.com/1Klv2ombGy

2016-07-27 22:33:34
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今、何をしているかと言うと、角川映画の一挙回顧上映を機に、70年代終わりから80年代にかけての角川映画を、自分なりに回顧してみようとしているのです。

2016-07-27 22:39:50
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「戦国自衛隊」は角川映画が初めて「宣伝に追いついた」作品かもしれません。それまでの角川映画は、巧みな宣伝に釣られて映画館に向かうと「何だか期待していたのと違うな」ということが多かったのですが、この作品には期待を超える満足をしました。 pic.twitter.com/R8WDNItya1

2016-07-27 23:07:35
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角川映画の新しさの一つは音楽だった。「人間の証明」のジョー山中を始めとして、ロック・ポップス系の実力派ミュージシャンを起用してヒット曲を連発した。映画からヒット曲が生まれるのは、久しぶりだった。角川映画の音楽は、当時の若者に、それまでの日本映画とは明らかに違うセンスを感じさせた。

2016-07-28 19:51:35
1980年

この年、角川春樹が「自分は、この作品を作るためにプロデューサーになった」と語っていた、念願の大作「復活の日」が公開されます。

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角川春樹にとって畢生の大作「復活の日」は、当時は世界的にも新しかったバイオハザードによる人類滅亡というテーマ、ハリウッド級のスケールへの挑戦、世界初の南極ロケを捉えた木村大作のキャメラの美しさなど、再評価されても良い作品でしょう。 pic.twitter.com/WAB5IbJUbR

2016-07-28 20:05:57
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私は、小松左京によってSF小説の面白さに目覚めた人間で、「復活の日」も、すでに熱狂して読んでいましたので、映画公開当時は、原作と引き比べて不満が多かったのですが、今見直すと「頑張っているなぁ!」と思います。 pic.twitter.com/FLJSaRAzRa

2016-07-28 20:12:16
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「復活の日」には米国の俳優もかなり出演しましたが、当時は中途半端な役者ばかりなどと言われていました。しかし、グレン・フォード、ロバート・ヴォーン、ジョージ・ケネディ、チャック・コナーズ、ヘンリー・シルヴァといった、ジャンル映画ファンにとっては渋すぎるキャスティングなのであります。

2016-07-28 20:25:28
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「野獣死すべし」大藪春彦の原作では野性的なタフガイだった主人公を、松田優作は体重を落として奥歯を抜き、戦場で心に傷を負った異様な人物として造形しました。この作品で新たなステージへと入った松田優作に、ファンは当惑しつつも喝采しました。 pic.twitter.com/KDyZCWRVdj

2016-07-28 20:46:21
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1981年

それまで、年に1作か2作のペースで大作を発表していた角川映画ですが、この年から、精力的にプログラムピクチュアを量産するようになります。

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「スローなブギにしてくれ」南佳孝による主題歌が大ヒットした片岡義男原作の映画化ですが、監督の藤田敏八が主人公の青年より脇役の中年男に思い入れてしまったため原作とは異なる感触でした。当時、片岡義男が主題歌だけ褒めたのが印象的でした。 pic.twitter.com/W8H5X8M0Wa

2016-07-28 21:04:13
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「セーラー服と機関銃」は、薬師丸ひろ子の人気を「国民的アイドル」として決定づける大ヒット作となりましたが、同時に相米慎二監督による徹底した長回し撮影は、映画ファンのみならず映画関係者にもショックを与え、多くの模倣者を生みました。 pic.twitter.com/vhbrt7cAoc

2016-07-28 21:26:20
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当時、斜陽だった大手の映画会社は、新人監督の採用を行っていず、映画監督を目指す若手がデビューする道ロマンポルノ等しかありませんでした。角川春樹はそうした場所で頭角を現した若手監督を、エンタテインメントの大作に積極的に起用しました。これは、角川映画の残した非常に大きな功績でした。

2016-07-30 09:44:29
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コメント

トモヒロ @tomohiro9R 2016年8月2日
8月は観たい新作が無いから角川映画観に行こう。。
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