アイデンティティの面から考える、読者と主人公の同一化

ライトノベルなどにおいて、主人公に共感する――主人公と同一化する。その理由などなどについての駄文考察。初めてTogetter使ったのでもっと分かりやすく編集出来るのかな…
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まず最初に言っておきたいのは、この私のツイート達は『読者の主人公との同一化』に対する私見であり、考え方のひとつである事。この発言がすべての理由だ、などとは露程も考えてません。

あと話の繋がりとして『女性主人公のライトノベルは売れないのか?』という議論の一端からツイートが始まっているので、『http://togetter.com/li/149337』を読んでおくといいかも。

大前提:アイデンティティについて-試行錯誤の説明-

Palantir🎨SPCの横暴に抗議する会 @Palantir_K

アイデンティティってなんだろ?自己肯定?

2011-06-14 22:39:08
ラピツティア @rabbitia

さて、三流大学の心理系学生の雑談。『ライトノベルを読む事は、アイデンティティ確立の役に立つのか?』という話に戻る。まずアイデンティティや自我は、『社会』の中で作るものだという前提を挙げておく。間違ってもアイデンティティを『個性』の類と勘違いしないように。

2011-06-14 22:20:47
ラピツティア @rabbitia

アイデンティティ、ここでいう自己同一性を形成する主な方法が他者とのコミュニケーションとなる。例を挙げると、赤ん坊の時は母親の対応によって自己を形成する。母親に愛されなかった者が非行に走りやすいと言われるのは、この自己の基礎がうまく形成できなかったからという考えもあるのですよ。

2011-06-14 22:26:52
ラピツティア @rabbitia

話を戻す。子供の発達段階を測るもののひとつに「遊び」がある。「集団でのごっこ遊び」はそのひとつで、これは擬似的な役割関係を自ら考え、それに従ってコミュニケーションする活動だ。これらにより、社会の中で自分はどんな立場なのか/どんな人間なのかを人は学んでいく。

2011-06-14 22:31:19
ラピツティア @rabbitia

飯より帰還。アイデンティティって何なのよ?何で他人と接する事で形成できんの?という問いに、この返答なら分かりやすいかな?

2011-06-14 23:14:52
ラピツティア @rabbitia

「パズルのピース合わせ」である。コミュニティ全体をひとつの額縁として、他人という別のピースに触れてその形を知っていく。そうやって多くの別ピースを知っていけば、自分というピースの『形』を知る事ができる。自己ってのは最初からあるんじゃなくて、周囲の存在によって『型どられる』ものと。

2011-06-14 23:17:27
ラピツティア @rabbitia

ごっこ遊びは仮想の額縁で仮想のピースと接する事で、自分を型どるスキルを磨く。そんな経験値稼ぎなのだと。

2011-06-14 23:18:41

アイデンティティは何か、というのは偉い学者でも定義が難しいのでもっと良く知りたい方はグーグル先生に!!

『事の発端』-エロゲとも絡めて-

Palantir🎨SPCの横暴に抗議する会 @Palantir_K

だいたい自己投影が目的で、読者=主人公ならば、自己投影しやすい主人公がでているものの方が売れているはずである。ラノベの傾向は知らないが、ERGでは全くそんなことない。むしろ群像劇のほうが受けが良いといっても過言ではない。

2011-06-14 17:52:36
ラピツティア @rabbitia

私の大好きなアイデンティティ論を用いるなら、ライトノベルは主人公との同一化――共感を重視する必要性が出る。アイデンティティの構成に他者が必要なのは論ずるまでもないが、アイデンティティ発達過程にある中高生は、ライトノベルの主人公と同一化する事でアイデンティティを発展させていくのかも

2011-06-14 18:03:11
ラピツティア @rabbitia

そもそもライトノベルのテーマ『青少年向け小説』の題目故に、主人公に共感する事を楽しみその裏で自己を確立させる『共感作品型』。それと作者=大人から子供へのメッセージを小説にした『大人からのアドバイス作品型』があるんじゃないだろうか。冲方さんは後者の典型として挙げたいw

2011-06-14 18:05:28
ラピツティア @rabbitia

そしてエロゲは対象年齢が上であるので、主人公への共感は必ずしも必要ではない。そこがライトノベルとの違いだと私は考える。むしろ大人の作者vs大人の読者間の価値観の衝突になるのだから、この場合の共感できないという言葉は、主人公に対してではなくその背後にいる作者に対してになるはずだ

2011-06-14 18:08:18
ラピツティア @rabbitia

せっかくなので『村正』で例を挙げよう。主人公である湊斗景明の苦悩や最終√での決意に対して、2chのスレでは『共感できない』『理解できない』という感想を書く人もいる。でもプレイした人なら分かるだろうけど、あの作品のテーマは作者の思想が色濃く、景明さんの決意=奈良原の思想だ。

2011-06-14 18:11:43
ラピツティア @rabbitia

つまり景明さんに共感できない人は、作者である奈良原さんの思想に共感できなかったと言いたいわけだ。ラノベの場合は(私見であるけど)主人公への共感と、作者への共感との間に距離があるように思える。それは中高生向けで、売れ筋に敏感でないと生き残れないという、『業界』の影響も強いから?

2011-06-14 18:15:24

ここでいう「業界の影響」とは、売上の為に編集者の意向に従うなどして、作者が自分の思い通りに作品を作れないという事情です。

ここからアイデンティティを絡めてお話。ツイートが前後して分かりにくくてスイマセン

ラピツティア @rabbitia

話を戻す。子供の発達段階を測るもののひとつに「遊び」がある。「集団でのごっこ遊び」はそのひとつで、これは擬似的な役割関係を自ら考え、それに従ってコミュニケーションする活動だ。これらにより、社会の中で自分はどんな立場なのか/どんな人間なのかを人は学んでいく。

2011-06-14 22:31:19
ラピツティア @rabbitia

それで、だ。乱暴な言い方に捉えられる事を承知で言うが、ラノベの主人公に同一化したい、という傾向はこの『ごっこ遊び』と近いのではなかろうか。自分を主人公に見立て、ヒロインなどの登場人物とのコミュニケーションをシュミレートする。これがライトノベルを読むひとつの目的に成り得ると考える。

2011-06-14 22:34:23
ラピツティア @rabbitia

捕捉をするが、ネット社会全盛で、イレギュラーに対する排他性の強い現在の日本だからこそ、若者のアイデンティティ形成が上手くいかない。そんな要員も影響しているかもしれない。そのあたりは以前呟いた『ネットによる価値観の相対化』を参照。(あとで全部まとめとく)

2011-06-14 22:38:23

補足:「http://togetter.com/li/144177」に対して以前呟いた事。現代の価値観の相対化とアイデンティティについて。

ラピツティア @rabbitia

ネットの発達により、価値観の相対化が現代では進んでいる。昔は「●●は面白い」と思った時、それに同意/反対する人間の数は限られていた。だがネット時代になれば不特定多数の価値観と触れる事となり、必然、人間は価値観の「共有」を果たそうとする

2011-06-05 15:21:10