会津大学特別フォーラム「震災時と復興にITをどう活かしていくか」での及川卓也さんの講演

会津大学特別フォーラム「震災時と復興にITをどう活かしていくか」(2011.06.15開催)でのGoogleシニアエンジニアリングマネージャの及川卓也さんの講演。 @tsudaさんのレポートをまとめてみました。
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津田大介 @tsuda

会津大学での基調講演終了。これからGoogleシニアエンジニアリングマネージャの及川卓也さんの講演。テーマは「震災にITをどう活かしていくか」

2011-06-15 11:06:42
津田大介 @tsuda

及川「地震当日、東京の震度は微々たるものだったが、六本木ヒルズ26Fは免震構造だったのでとても揺れた。オフィスの中にテレビが見られる環境がなかったが、サイマル放送をテレビ局がしてくれたので大変になっていることがわかった」

2011-06-15 11:10:50
津田大介 @tsuda

及川「3月11日、震災直後から震災に関係するサービスの開発にかかった。当日にパーソンファインダーをリリースした」

2011-06-15 11:11:40
津田大介 @tsuda

及川「パーソンファインダーは震災から数時間で立ち上がって使ってもらえるようになった。その後も様々なサービスを立ち上げた。社員である自分も時系列で説明するのが不可能なくらいサービスがたくさんある」

2011-06-15 11:12:46
津田大介 @tsuda

及川「自動車通行実績情報マップも、ブラウザやスマートフォンだけでなく、ガラケーにも対応させた。できるだけ多くのプラットフォームでサービスを利用できるようにした」

2011-06-15 11:15:25
津田大介 @tsuda

及川「パーソンファインダーは、当初リリースしたがなかなか情報が集まりにくかった。実態調査をすると、実際の安否情報は避難所や市役所にアナログの紙で掲示されている。なので、そのアナログ情報をデジタル情報に変換する必要があった」

2011-06-15 11:16:48
津田大介 @tsuda

及川「そんなときに元グーグルの高広さんという人がツイッターで、Picasaで避難所の写真を撮ってそれをパーソンファインダーに入力すればいいんじゃないかというツイートをして、それを見たグーグルのエンジニアがその仕組みを作った」

2011-06-15 11:17:49
津田大介 @tsuda

及川「避難所の紙を人間が読んで、OCRのようにパーソンファインダーにボランティア入力する仕組みを作った。それが避難所名簿共有サービス。PicasaWebアルバムにはメールアドレスで投稿する機能があるので、多くの避難所にいる人に『写真をこのメールアドレスに送って』と言えた」

2011-06-15 11:19:24
津田大介 @tsuda

及川「初日で800枚の写真。今は合計1万枚以上の名簿写真が集まり、パーソンファインダーには14万件以上のデータが入力された。5000人以上のボランティアがその作業をやってくれた。グーグルは機械処理の会社だが、今回は時間が勝負だったため、人手をかける方法論をとった」

2011-06-15 11:21:46
津田大介 @tsuda

及川「助け合いジャパンという救援まとめサイトを作った。ボランティアしたいといっても、いろいろなニーズがある。そうした情報を集約する必要性を感じた」

2011-06-15 11:23:37
津田大介 @tsuda

及川「なぜGoogleはこのような活動を行ったのか。Googleの使命は『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする』ということ。ウェブに散在している情報をまとめることで人類の貴重な財産である『情報』をすべての人に届けることをしている」

2011-06-15 11:25:47
津田大介 @tsuda

及川「今回の災害支援の話で言えば、多くの被災地の人が情報を探していた。極端なことをいえば情報の有無で生命にも影響が出ていた。ならば、情報を集めて届ける我々が貢献できることもあるだろうと思った。我々は当たり前のことを当たり前のようにやっただけという意識」

2011-06-15 11:27:41
津田大介 @tsuda

及川「Googleはなぜこのような活動ができたのか。キーワードは2つのクラウド(Cloud / Crowd)。最初のクラウドは、今回の震災でサーバが壊れてしまった自治体やメディアも多かったが、AmazonやMicrosoftのクラウドサービスを使って復活させた」

2011-06-15 11:33:36
津田大介 @tsuda

及川「クラウドを使うことでマシンの調達や回線の調達でスモールでスタートして、必要に応じて少しずつ大きくできる。先ほどPicasaからパーソンファインダーに入力する人間OCRの話をしたが、Googleの社員も会社ではなく家からその作業をやっていた。これもクラウドがあるからできる」

2011-06-15 11:35:30
津田大介 @tsuda

及川「もう1つのクラウド(Crowd)。クラウドソーシングというのは、不特定多数の人に業務を委託する新しい雇用形態で、ウェブサービスの新しいトレンドになっている。パーソンファインダーのデータ入力の呼びかけなどはこのクラウドを利用して実現された」

2011-06-15 11:36:37
津田大介 @tsuda

及川「重要なのはオープンにすること。パーソンファインダーにはブログにウィジェットを埋め込む機能を付けた。もう1つ安否情報が乱立していたので、様々なメディアに呼びかけて朝日新聞社、毎日新聞社、警察庁、福島県、岩手県がそれぞれ持っているデータを提供してもらい、同期を取らせてもらった」

2011-06-15 11:39:50
津田大介 @tsuda

及川「パーソンファインダー自体もオープンソース。ミラーを立ち上げることもできるし、これ用のアプリケーションを他の人が自由に使うことができる。多くの人に使ってもらうためにはデータだけでなく、インターフェースやソース自体もオープンにすることが重要」

2011-06-15 11:40:44
津田大介 @tsuda

及川「sinsai.infoというサイトもあるがあれが数時間で立ち上げられたのはオープンソースだから。Ushahidiというオープンソースの災害情報プラットフォーム。今回3.11以前に日本語化が済んでいた。日本語化が済んでいたのでsinsai.infoがすぐ立ち上げられた」

2011-06-15 11:42:02
津田大介 @tsuda

及川「復興にかかる時間は阪神大震災と比べて3~5倍かかるのではと言われている。いかに持続的な形で復興を継続するかが重要。時間が経過するにつれ、ITができることは増えているのではと思っている」

2011-06-15 11:43:35
津田大介 @tsuda

及川「復興に向けて必要なもの。まずは生命、そして生活(衣食住)、次に雇用も含めた経済復興、そして風化防止、将来の災害への備えといったものが求められる」

2011-06-15 11:44:44
津田大介 @tsuda

及川「Googleが作った新しいサービス。1つはAnimal Finder。パーソンファインダーとほぼ似たインターフェースで、震災によって消息が不明になったペットの情報を共有する。動物の場合、引き取りなどの点で人間と比べて難しかったが、要望が多かったのでリリースした」

2011-06-15 11:46:53
津田大介 @tsuda

及川「パーソンファインダーリリース時ファインダーという名前が定着するかどうか悩んだが、定着してくれたので、今はビジネスファインダーというサービスをリリースした。震災以降、被災地で会社やビジネスが継続しているかどうかわからないという問い合わせが増えたのでそれを調べられるようにした」

2011-06-15 11:49:25
津田大介 @tsuda

及川「情報をオープンにすることから真実は生まれる。日本は『この情報を出すとパニックになってしまうのではないか』といったことで情報が出ない。そのマインドセットを変えていく必要がある」

2011-06-15 11:50:25