外科医になりたての頃、医療ミスを犯してしまい患者家族に説明することになった時の話

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ケリーちゃん @msmmpssse

これは私がまだ外科医なりたての頃の医療ミスの話です。(長文) 知らずに大きくなった大腸癌が原因で腸閉塞となり、救急車できた高齢患者さんがいました。その日のうちに緊急手術で一時的な人工肛門を作って💩の逃げ場を作り、その後に精査して癌そのものを切り取る手術を行うことになりました→

2020-04-24 10:58:24
ケリーちゃん @msmmpssse

緊急手術により体調が回復したため、精査の1つとして腸に細長い管を差し込んで造影剤を流し、腸の形を写し出す注腸検査を行いました。私は自分で検査するのはほぼ初めてだったので、先輩医が付き添ってくれて教えてもらいながら検査しました。無事終わったと思ったら、その日の夕方から高熱が…→

2020-04-24 10:58:24
ケリーちゃん @msmmpssse

注腸検査で使った管の先が(腸閉塞で薄くなっていた)腸壁に当たって腸に穴が開いており、腹膜炎になって、再度緊急手術で穴を塞ぐ治療が必要となりました。自分のミスで患者さんに更なる手術を強いることになり愕然とし震えました。近くに住む娘さんに正直に事の顛末を話し、緊急手術を行いました。→

2020-04-24 10:58:25
ケリーちゃん @msmmpssse

その夜、超遠方から息子さんも駆け付け、説明を求められました。部長が同席してくれるかと淡く期待しましたが一人で行けと言われ、恐怖で震えました。面談室に入る直前に「正直に話して心から謝るしかない。」と覚悟を固めた時の景色を今でも覚えています。部屋に入ると、小娘一人が入ってきたことで→

2020-04-24 10:58:25
ケリーちゃん @msmmpssse

むしろ息子さんはたじろいでいました。私は拙いながらも正直に、こちらの過失で患者さんに再手術を強いてしまったことを謝り、さらに癌治療のためにもう一回手術が必要なことを説明しました。息子さんは最初、怒り心頭(当然です)で色々質問されました。→

2020-04-24 10:58:25
ケリーちゃん @msmmpssse

しかし、段々と落ち着いてきたら「先生が全く取繕わず、完全に私の落ち度です、と言ったことで逆に信頼できる気がしてきました」「私もこんな若い先生を責めたい訳じゃない」と仰って許して下さり、私は泣くのを堪えつつ感謝して、あと一回癌の手術をさせて頂く同意を得て後日手術しました。→

2020-04-24 10:58:26
ケリーちゃん @msmmpssse

最終的に無事全ての手術が終わり、施設へ退院されましたが約一年後に娘さんがひょっこり来院されました。数日前に施設で突然死されたとのことでした。30分ほど思い出話をされ、私は頷くことしか出来ませんでしたが、最後に「先生が主治医で良かったです」と言って下さりました。→

2020-04-24 10:58:26
ケリーちゃん @msmmpssse

こんなに未熟でミスを犯した私を許してもらうなんておこがましいですが、誠意を尽くしてその時提供できる精一杯の医療をすることが償いかと思います。この患者さんとご家族はとても良識ある人達なことも大変救われましたが、お陰様でここまで医者を辞めずに続ける上で私の心の大きな支えになってます。

2020-04-24 10:58:27
ケリーちゃん @msmmpssse

これから研修医や専攻医の先生は、初めて目の当たりにする命の重さに震える場面が何度もくると思いますが、この経験が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

2020-04-24 11:35:13
ケリーちゃん @msmmpssse

こんな経験談を読んで下さり、皆様ありがとうございます💦 今も医療ミスで苦しんでおられる方には、不快な思いをさせて申し訳ありません。 あと1点、この時私は担当医でなく主治医で、1人前にさせる為にも部長は一人で説明に行かせたと理解してます。そして今も仲良しで尊敬する外科の師匠です😊

2020-04-24 15:42:15
ケリーちゃん @msmmpssse

すみません、ご指摘頂いたので誤解無いように捕捉致します。 注腸検査では、稀ですが腸が穿孔する可能性はあり、医療ミスではなく合併症の1つとして起こりえます。 この件では私に幾つかの落ち度があって起こったことだったので自分のミスだったと思っていますが、他の全ての件がそうとは限りません。

2020-04-24 19:06:44
Lift up @Nanopicos

@kazaaaaru 裏切らない勇気 怒りを受け止める勇気 誠実を尽くす勇気 失敗を生かす勇気 正直に皆んなに伝える勇気 素晴らしいです。

2020-04-24 12:40:14
ケリーちゃん @msmmpssse

@Nanopicos そんな💦恐縮です…ありがとうございます。 ほんとにちっぽけな人間ですが、周りの助けがあって一つ一つ乗り越えることで今があるなぁと思います。 時間が経ってやっと話せる勇気が出ました…

2020-04-24 15:33:58
あさ*主婦せどり*まさこじの囲い副会長(だらだら) @asamatsu9

@kazaaaaru 息子が新生児の時に手術を受けたのですが、家族は何も出来ないので、神様のようにお医者様を信じてすがっていました。でも、お医者様も一人の人間なのだな、と改めて思いました。曖昧に逃げるより真摯に向き合って下さる姿勢は患者家族の心にも響きます。こういう先生にお世話になりたいと思いました🍀

2020-04-24 15:45:13
ケリーちゃん @msmmpssse

@asamatsu9 恐縮です、ありがとうございます🙏 そうなのですね、息子様もasaさんも大変な手術を乗り越えられたのですね。手術は患者さんご本人もですが、ご家族も大変な思いをされますよね。その思いに応えられるように日々精進したいと思います。私の方こそお力頂きました。

2020-04-24 17:40:54
p.24 @ICD10IMSLP

@kazaaaaru リスクを伴わない手術はないですよね。 私は素人で、仕事で毎日診断書は見ていますが、術後腹膜炎は穿孔部から消化液漏れただろなと思ってます。リスク管理し、すぐ異変に気づいてリカバリーは全体として医療ミスとまでは思わない派ですが、 心に留めて真摯に患者に向き合う姿、尊敬します。

2020-04-24 18:12:55
ケリーちゃん @msmmpssse

@PP2436120621 恐縮です💦ありがとうございます。 当時は本当に未熟で、不十分な対応も多かったと反省しています。医療ミスになるかどうかというよりは、少しでも患者さんに負担がかからない治療で良くなってもらうというのを目指してこれからも頑張ろうと思います。

2020-04-24 23:30:04
ちっぴー @chihipuh

@kazaaaaru 実は私、加害者も被害者も経験してます。合併症と見るかミスと捉えるかは難しいですね。被害の方、やらかした担当医は「よくある事なんで」って謝罪なし。主治医が真摯に謝罪してくれたので納得しました。そんな主治医を今でも尊敬してますし、今も学会で会うのを楽しみにしています。

2020-04-25 01:54:41
ちっぴー @chihipuh

@kazaaaaru 加害の方は研修医の時で上司から当該患者、家族とも接触しないように指示され謝罪出来ませんでした。これはずっと後悔しています。どっちの案件も医者的には合併症でも患者側からしたらミスって思える...って状況でした。両方経験した身としては、先生が迷わず謝罪したのは本当に凄いと思います。

2020-04-25 02:10:08
ケリーちゃん @msmmpssse

@chihipuh いえいえ💦とんでもないです。当時は未熟でしたし対応が全部正しかったとは思いませんが、理解してもらえて有り難かったです。 先生も研修医の時で色々悔しい思いもされたと思います。教えて頂きありがとうございましたm(_ _)m

2020-04-25 02:15:47
りょう @rinto1111

@kazaaaaru 突然すみません。 もし私の家族が、同じようになったとしても、正直に言って下さった事で安心して、先生に任せようと思います。 隠される、ごまかされるが、一番不信感が湧きます。 私も、正直な先生に診てもらいたいと思います。

2020-04-24 19:00:52
ケリーちゃん @msmmpssse

@rinto1111 貴重なご意見ありがとうございます。そうなのですね、なんだかこれまでの患者さんへの向き合い方は間違ってなかったのかなと思えるようになりました。ミスや合併症は無いのが一番ですが、何かあっても誤魔化さずに向き合っていこうと改めて思いました。

2020-04-24 23:51:23
へし折れちきら@TB2後半保留中バレOK @refuse_chkllr

@kazaaaaru 初めまして。ツイートを拝見いたしました。私の亡父は同じようなケースで入院し、連休で手術を延期されているうちに検査の時の管で腸が破れ、緊急手術の後5日間意識不明でした。私は亡くなった時に連れて帰れるよう(そういわれました)病棟の廊下で寝て、帰宅を許されませんでした(続

2020-04-24 18:28:34
へし折れちきら@TB2後半保留中バレOK @refuse_chkllr

@kazaaaaru 父はなんとか意識を取り戻し、その後7年生きたので仕方なかったのだと自分に言い聞かせてきました。拝見して、医療ミスだったことを知り、今更ながらやりどころのない感情がわいてきました。主治医の説明がわかりにくかったため、ずっと医療ミスだったことを知らないままでした(続

2020-04-24 18:34:08