歴史的建造物の「復元的整備」についてのメモ。

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日光81 @nikko81_fsi

改めて読んでみているが、何人かの方が指摘しているように、これまでの復元に対する考え方は堅持されており、またなんでもかんでも「復元的整備」ができるというものではないが、若干の不安要素はあるなぁというのが改めて読んでみた所感。 twitter.com/yamamoto_zombi…

2020-04-25 19:34:50
山本ゾンビ@堺台場シンポ'23無事終了 @yamamoto_zombie

「史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準の決定について」文化庁サイトのPDF。日経の記事「城の天守、復元しやすく 史跡の魅力向上へ新基準」という見出しは誤解を招く。不安を感じましたが、内容はまともです。安堵。bunka.go.jp/koho_hodo_oshi…

2020-04-18 17:32:35
日光81 @nikko81_fsi

新たな「復元的整備」二つの定義があることに気づく。一つはア:史跡等の本質的価値の理解促進などの史跡等の利活用の観点等から規模、材料、内部・外部の意匠・構造等の一部を変更して再現すること。もう一つは…

2020-04-25 19:36:05
日光81 @nikko81_fsi

イ:往時の歴史的建造物の規模、材料、内部・外部の意匠・構造等の一部について、学術的な調査を尽くしても史資料が十分に揃わない場合に、それらを多角的に検証して再現すること。これらは「いずれか」であることから、どちらかの要件を満たせば「復元的整備」になる。

2020-04-25 19:36:19
日光81 @nikko81_fsi

変な天守とかが建っちゃうんじゃないかという懸念との関連で言えば、アの方であろう。つまり復元に当たって史的根拠の程度ではなく、利活用の観点で復元対象の一部を変更しうると読めるからである。

2020-04-25 19:36:56
日光81 @nikko81_fsi

復元には当地の遺構や建造物についての精度の高い諸史料が必須であるけれども、イのほうは一定の史料がある前提で完全には揃わない状況で可能な限り多角的に検証することで、揃わない状況を乗り越える可能性を示すものであるのに対し、アについてはこうした根拠となる史料に触れていない。

2020-04-25 19:38:19
日光81 @nikko81_fsi

ここでポイントになるのは「史跡等の本質的価値」とは何かという問題。この価値が特定され、かつその理解促進を含むものであれば史料的な観点で不十分であっても「復元的整備」として許容されるというが点が新規に出てきたことではないか。

2020-04-25 19:40:01
日光81 @nikko81_fsi

勿論その手順において「具体的な規模・構造・形式等を多角的に検証・実施できる体制を整備し、検討を行い、関係者間において合意が形成」を必要とし、再現に当たって採用した意匠・構造について、その経緯及び考証を明示すること」とはあるものの…

2020-04-25 19:40:35
日光81 @nikko81_fsi

その「本質的価値」の追求のためには、極論をすれば史料が極めて少なくとも、その「本質的価値」さえ担保されていれば、再建ができる可能性を示唆するものである。大凡は問題のない方針ではあると認めつつも、やや不安要素はなくはないというのが正直なところである。

2020-04-25 19:41:28
日光81 @nikko81_fsi

具体的な例を挙げると、高松城天守。構造的に特殊な天守の事例であり、南蛮造りの天守という現存例のない天守建造物の「本質的価値」を理解を促進するために、内部構造が不明であっても再建可能という道を拓いたと見なせる。

2020-04-25 19:42:29
日光81 @nikko81_fsi

それがいいのかどうか判断しかねるし、また外観写真からどこまで構造的に特定するに迫れるか次第ではあるが…史料不足に悩む今後の城郭建築の再建論について、注視すべき内容であることは間違いなさそうである。

2020-04-25 19:43:56