- arishima_takeo
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杉田俊介+藤田直哉『百田尚樹をぜんぶ読む』(集英社新書)をご恵投いただきました。ありがとうございます。私などは「百田尚樹」と聞くと反射的に拒否反応を起こしがちで、その態度が変わるようには思えないのですが、とまれ、そんな人に向けた本気対談のようです。拝読します。 pic.twitter.com/SEK6GYG5Bu
2020-04-24 13:52:54「百田尚樹には、一貫して、女性の整形手術に対する複雑な嫌悪感や恐怖があります」(杉田俊介『百田尚樹をぜんぶ読む』22p)。へぇー。
2020-04-24 14:08:35「将棋よりも囲碁が好きなのも、その辺に関わるのでしょう。将棋やチェスは、擬人化されたコマに感情移入できるのに対して、囲碁はとても非人間的なゲームであり、テリトリー争い、陣地戦なんですね」(杉田俊介『百田尚樹をぜんぶ読む』45p)。将棋と文学研究会案件だな。
2020-04-24 14:33:25右や左、あるいはリベラルや保守である前に、モンテーニュ的なモラリストの時代まで戻って、普遍的な「人間」であろうとすべきだろうね。by杉田俊介『百田尚樹をぜんぶ読む』215p
2020-04-25 21:24:17「たとえば電通の過労死自殺した高橋まつりさんの件に触れて、ブラック企業からは遠慮なく逃げろ、と主張する。そんなものは現代の『女工哀史』みたいなもんだと。そのときにPOSSEの今野晴貴さんの本を好意的に引用したりもしています」(杉田俊介『百田尚樹をぜんぶ読む』249p)。へぇー。
2020-04-25 21:46:07杉田俊介+藤田直哉『百田尚樹をぜんぶ読む』読了。百田作を読んでないのでそうなのだと言われればそうなのかと答えるほかないわけだが、とりあえず、共著ではあるもののこれは杉田さんの本だという感じがする。読みどころとしては、ネトウヨ化という転向があったか(杉田)、なかったか(藤田)。
2020-04-25 22:23:26杉田俊介→百田尚樹の視線が橋川文三→保田与重郎のそれとパラレルなんだろうが、そのパラレリズムって本当に成立してんのかってことはおいといても、後者の矢印をよく知る方が重要だし有用なのでは(そして百田以前に保田のことを我々はよく知ってないのでは)、とか私は思っちゃうな。
2020-04-25 22:36:10百田尚樹を扱う必要を感じないのは、彼がネトウヨだからじゃなくて現在だからで、逆にどんなに下らない批評家であっても保田が素晴らしいのは彼がもう死んでいるからですね(すごい)。
2020-04-25 22:40:39これは落合陽一の高い評価とも関係していて、いやデジタルネイチャーが良くてもいいんですけど、それって中沢新一じゃダメなんですかね?とか思ったりするんですよね。ちょっとパッケージ変えただけで同じことやるすぎなのでは…というのが真の落合的なものの問題なのでは。
2020-04-25 22:48:53まあ「○○は昔の××の焼き直しすぎない」って老害言論人は言いがちで、そういう意味で私も老化が進んでいるのかもしれんが。
2020-04-25 22:51:30この歴史性の薄さが『百田尚樹』で議論になっていた保守論壇物語論の伸張/それにすら負けるリベラル物語批判(エビデンス主義)と関係しているような。つまり、歴史を掘れないから物語の複雑性が縮減され、ワンパターン化してしまうのでは。
2020-04-25 22:58:35左派側も物語じゃないと勝てないと言ったとき、既存のものをいかに換骨奪胎するかでしかないわけでしょう。でもそこで豊富な「既存」にアクセスできないと、中国が影で世界征服している論みたいなチープなものの対称しか出てこないのでは。
2020-04-25 23:05:30そういう意味で、丸山眞男の「つくる」じゃなくて「うむ」への着目は興味深かった。物語の自然状態とはなんなのか、といいますか。
2020-04-25 23:09:43ああ、一応断っておきますけど、本のなかでは、歴史認識の(ある意味での)見直しの必要性は説かれてますよ。ただ、それってわざわざ百田を通過しないと到達しえなかった知見なんですかね、とか思ったりもした。
2020-04-25 23:13:59そういや『百田尚樹』のあとがきは百田自身からTwitterでリプライが来たとの旨があって思い出したけど、数年前『石原慎太郎を読んでみた』を石原慎太郎が読んで著者に連絡したとかなんとかいう逸話があってさ、ああいうのは保守のもっているチャームと関係してると思うね。
2020-04-25 23:52:18