漫画版ナウシカの悪役勢のいいところは、それぞれ異なる政治観をもってて、それを背景に動き回るところ。なかでもヴ王は一番好きで、暴君だけど知識のバックボーンが見え隠れする。クライマックスでナウシカと同時に墓所に入ることで、ナウシカの偽善がただの偽善で終わらなくなる、大事な役目がある。
2020-04-25 00:15:44これみてナウシカ読み返したくなった。 初めてナウシカの原作読んで、これぞ戦争だよぉぉ、これぞ政治だよぉぉぉ!!ってちょっと大人になった気がした数十年前。 ナウシカって漫画にゃあ味がある。 スルメの様に味わえる。 twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 00:47:31漫画版ナウシカの名台詞の一つとして知られるヴ王の「失政は政治の本質だ!!」。ここだけ切り取ると暴君の開き直りでしかないのだが、よくよく前後を見ると、ナウシカとは別角度ながら、この世界の黒幕(墓所)の本質をよく突いているのである。というわけで以下少し補足したい。 #ナウシカ pic.twitter.com/YWGfVS1lKA
2020-04-23 21:22:59この一連のツイートは非常に秀逸で、意義深い言語化だと思う 異議ない 原作を10回20回と読むうちに、あるときこういうヴ王の人格がストンとはまって見えてきた 個人的には宮サンはこれ以後ここまでの存在を描けずにいる というか、宮サンの中にあるナウシカ的なものを描ききってしまったのではと思う twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 01:05:14以上、長々とツイートしましたが、ヴ王という「悪役」の魅力について一部でも伝われば幸いです。漫画版ナウシカでは土鬼皇帝のミラルパ・ナムリス兄弟なんかも実に魅力的ですので、論点がまとまったらまたツイートしてみたいですね。
2020-04-23 22:32:18ナウシカ歌舞伎では端折られてしまったけど、死して哀れな老人の姿になったミラルパはいつか彼らがたどり着けるかもしれない清浄の地の中で成仏していく 彼の因果宿業が償われたわけではなかろうが、哀れなものも救われるという描写 無垢たるオーマが母の欺瞞を知ってか知らずかに死したのと対象的だ twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 01:12:21そしてそんなミラルパにも、否そんな宿業の人だからこそ慕う者も多くいた。チヤルカ然り、ミラルパの敵討ちを試みて空しく散った無名の家臣然りである。これもまた彼にとっては救いとなろうか。兄ナムリスの亡くなった時とは非常に、残酷なまでに対照的な描写である。 pic.twitter.com/RcHk4iIt23
2020-04-24 21:37:41このスレッドの考察とても良かった。 ちょっと外れるけど、ミラルパって、Fateの間桐蔵顕(あってるかな)に似てる。始めは志を抱いて事に取り組むが、自分の死に囚われすぎて生きることそのものが目的化している。爺さんの場合は生きることが、ミラルパの場合は帝位と支配が、かなぁ
2020-04-25 11:32:44>RT 確かに、ミラルパの妄執はFateの間桐翁に重なる部分がある…。若き日の崇高な理想がいつしか摩耗し、魂を腐食させていく日々。してみると、間桐翁にとってのユスティーツィアはナウシカになるのだろうか…?
2020-04-25 13:23:52ナウシカは精神論からの現状追認、クロトワは現状認識からの生存戦略構築、クシャナ殿下は戦場設定のやり直しから全員生存を見据えるから、どこの部下になりたいのかは、人によってずいぶん変わる。それでもナウシカ派が一定数いるのが現実で
2020-04-25 21:29:05君主が長く玉座にいる為に必要な感情こそが、冷笑的・虚無的になりすぎない範囲での、ある種の諦念なのではないかと思う。 作品が変わるが、小野不由美の『十二国記』でも、これまでの歴史上のどんな名君でも、とある切っ掛けから国や民に絶望して暴君と化し、天命を失ったという風に描写されていた。 twitter.com/shirochichi070…
2020-04-24 21:55:24更に皮肉なことに、兄ナムリスによれば、若き日のミラルパはナウシカそっくりの「慈悲深い本物の名君であった」が、20年もすると「愚かなままの土民をやがて憎むようになった」という(それでも20年もったのは凄いと思うが)。 pic.twitter.com/RMzlhg0e8T
2020-04-24 21:28:01@shirochichi0707 土鬼は前の王の頃からシュワの墓所の影響下にあったせいか国全体に厭世観の様なものがありますよね。 ナウシカやヴ王の様な外の人間からすればシュワの墓所は別作品ですが「国が滅んで王だけ生き残るなんて滑稽だわ」と言う感想だったのかなと。
2020-04-25 20:52:19自身の欲望に忠実で、それを実行するための構想力もあって、大粛清を行うも、遠征開始直前に横死する。というのは、金の海陵王を思い出しました。 ナムリスのセリフはほぼ音読できてて、気持ちもわかっちゃうんだよなぁw。縛られるのが嫌で、生の実感が得たいというのは。 rank119.gozaru.jp/img/roma/img48… twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 22:32:24以上、悪役界屈指の(?)名キャラ、ナムリスについてあれこれ考察してみました。最後はややロマンチストな妄想が加速していましたが、もしナムリスの冷然さに潜む焦燥にいくばくかの「人間み」を感じて頂ければ、少し彼に感情移入しやすくなるかもしれませんね。
2020-04-25 21:09:18@Rihyo37 有難うございます。私は内心の焦燥に駆られて暴走する姿が、若干ですが「AKIRA」の鉄雄に被っていました(特に墓所からの出陣シーンとか)。そして、実はミラルパとの仲は元はそんなに悪くなかったのかも…とか妄想しています(理想化肌の弟を兄が客観的な立場から助言する感じ…?) pic.twitter.com/SzoTvacYWZ
2020-04-25 23:10:43@medtoolz ナウシカの戦略は決して生存ではなかったですね。汚濁である自分を自覚してそれでも生き続ける、理想的な未来を犠牲にしてもと。 クロトワのように本音で語りながら、目の前にいる仲間の幸せのために行動しつづけるのが有るべきリーダーかもしれません。 togetter.com/li/1498493
2020-04-25 22:55:44モンタネッリの「ローマの歴史」読んで最初に好きになった人物がスッラだったが、思えばナムリスと似た人物を見ていた気がする。凄惨な内戦の中、誰よりも果断で残酷、敗者に情け容赦なく、戦争と賭博、酒宴を何より好み、誰も信用せず、正義にも公正にも興味なく、好き勝手に生きて暴れて死んだ男。
2020-04-25 22:57:37ヴ王とナムリス、2人とも単なる悪役としてでなくキャラとして魅力的なんだよな どっちもド外道なのは間違い無いけど、行動原理というか、自分の芯が全くぶれないから twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 22:59:58ナムリスは徹底的に自分のやりたいことだけをやり抜いて、結局はゴミのように死んだ でも、最期まで一度たりとも命乞いはしなかった 死を恐れて不死になったけど、自分勝手を押し通すために命を惜しんではいなかった
2020-04-25 23:03:59ヴ王は暴君ではあったけど、間違いなく王の器で、辣腕ではあったろうけど政治的な手腕と戦争の腕前は本物だったし、 少なくとも直属の部下たちからは疑いのない忠誠を捧げられてた ただ綺麗で清浄なものだけを決してよしとしない、「人間の本質」を自分なりに見据えてたわけで
2020-04-25 23:06:22ナウシカの決断は(メタ的な意味を含む)幼さへの決別だと感じる今日この頃。 墓所の主もまた知性についてまわる矛盾に疲れ果てた一人であると同時に、作中で恐らく最も幼稚な結論に達した存在だと思うので。 幼年期に別れを告げ、自立の一歩を踏み出した駿氏の心境の表れだったのかも知れない。 twitter.com/shirochichi070…
2020-04-26 04:01:00漫画版ナウシカ世界考察の本丸と言えるナウシカや墓所については、他に多くの考察があり、その一方で私自身まとめきれていない部分が多くあります(特にナウシカの最後の「決断」についてはその評価は大いに迷うところです)。いつか自分なりの整理が付いたら書いてみたいとは思いますが…
2020-04-25 21:41:07(“代王”を生み落とした、ナウシカ⇆クシャナの構造は、天皇⇆院政の逆印画とも読める、宮崎駿の希望として。 赤坂憲雄“王と天皇”、また読みたいな…)
2020-04-24 13:14:31(墓所⇆庭 の対比も興味深い。“(去勢された)人間のたまご”⇆2人のクシャナ兄達の癒されっぷり。 何がホントの救済?とも。 音楽大好き兄いちゃんズはああなった。ナウシカの最後のアスベル観る眼差しと笑顔とのコントラスト。)
2020-04-24 13:21:17またまた骨太ナウシカ論•̀.̫•́✧ 権威権力を一身に持ってしまった王(皇帝)への眼差しはそのまま(今日の)権威の不可能性にも繋がるなぁ。 宮崎駿の凄みはこうした“悪”や“業”を1人の人間として描こうとしていることなのかも。 (またそれを読み解くツイート筆者にも賛辞を٩(๑`・ᴗ・´๑)و) twitter.com/shirochichi070…
2020-04-25 20:11:34漫画版ナウシカの魅力はその重厚なストーリーに加え、登場人物の造形―とりわけ敵役の書き込みの深さにある。今回はその中でも土鬼神聖皇帝ミラルパ・ナムリスの兄弟の苦悩と焦燥に焦点を当ててみたい。この二人を通して、ヴ王とは違った君主或いは人としての宿業が見えてくるのだ。 #ナウシカ pic.twitter.com/n273q9LeQK
2020-04-24 21:25:56