秋月りす『OL進化論』がコロナ禍での日常生活を巧みに4コマギャグマンガに取り入れている件

『OL進化論』は1989年(平成元年)からモーニングで連載中。既刊38巻。2020年7月に39巻が刊行予定。 (追記)コメント欄にて出典表記に不備があるという指摘を受け、追記しました。 (再追記)4/16号「母の教え」の引用画像を3コマ目の途中までに差し替え、同号の著者ひとことの引用画像を削除し、5/7・14号の引用画像をモーニング公式アプリ「Dモーニング」からの切り取りに差し替えました。
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シン@本 @naosarakyaa

秋月りす、やはり天才なのでは? この一ヶ月『OL進化論』が見事にコロナ禍を日常ギャグに取り入れていて感嘆するほかない。モーニング4/16号(発売は4/2)は7本中2本がコロナネタ。トイレットペーパーの品薄でオイルショックを思い出す。在宅勤務の思わぬ弊害。著者ひとことで外国観光客を懐かしむ。 pic.twitter.com/laHg2Y4frV

2020-04-29 06:12:39
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モーニング(講談社)2020年4/16号417P

シン@本 @naosarakyaa

この号は表紙もぐっとくる。『ジャイアントキリング』の絵に「スタジアムに、歓声が戻るその日までー」とアオリがつく。スポーツが開催できない現状へのエールになっている。 pic.twitter.com/Eh3HWgIvLd

2020-04-26 15:26:50
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モーニング(講談社)2020年4/16号表紙

シン@本 @naosarakyaa

翌週号は『OL進化論』休載。(このマンガの唯一の欠点は休載が多すぎること!目次に載っていても土壇場で休載して穴埋め作が載ることもしばしば)翌4/30号(発売は4/16)では7本中3本あるいは4本がコロナネタ。あるいは、と書いたのは「心配の二乗」「もちろん油性で」が間接的コロナネタなため。

2020-04-26 15:26:51
シン@本 @naosarakyaa

新入社員の人騒がせな行動の話に「このご時世に」という台詞に乗せることでコロナ禍を連想させる。息子に手洗いをさせる母親の話はコロナ禍でなくても成り立つ。このさりげなさがいい。スカイプの見栄の話、マスク手作りの罠の話も手練れ。

2020-04-26 15:26:51
シン@本 @naosarakyaa

そして5/7・14号(発売は4/23)では7本中6本がコロナネタ。とうとう登場人物があたりまえのようにマスクをかけ始める。対人間で2メートル距離を置くことも明記される。登場人物は在宅勤務のビデオ会議でドタバタギャグを繰り広げる。 #Dモーニング pic.twitter.com/3Pk9nVROYl

2020-04-29 06:15:53
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モーニング(講談社)2020年5/7・14号399P

シン@本 @naosarakyaa

「お母さんだって」はコロナ禍で孤独がなくなってしまった母親の話。思わずハッとする。 #Dモーニング pic.twitter.com/fgr1ssXeHB

2020-04-29 06:16:21
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モーニング(講談社)2020年5/7・14号401P

シン@本 @naosarakyaa

同号の「いろんな私」は在宅勤務で妻・社員・母の立場を切り替える時間がなくなりしんどさを覚える話。『OL進化論』はジェンターへの切り込みがいつも鋭く、ちゃんと世相を反映している。著者のひとことも質が高く、単行本化で削られるのが残念なくらい。

2020-04-26 15:26:57
シン@本 @naosarakyaa

今回のコロナ禍だけじゃない。長期デフレや独身世帯の増加やジェンターバイアス等々、三十年間の移り変りをさりげなく笑いに昇華している。風刺という言葉が似合わないほどさりげないのだけど、だからこそその手腕に唸る。『三四郎』の弥次郎にならってこう言いたい。

2020-04-26 15:26:57
シン@本 @naosarakyaa

「秋月りすは天才である。あんな藝術家はめったに出るもんじゃない。いつでも読めると思うから安っぽい感じがして、はなはだ気の毒だ。実は彼女と時を同じうして生きていられる我々はたいへんなしあわせである」

2020-04-26 15:26:58
シン@本 @naosarakyaa

弥次郎じゃない、与次郎だった。

2020-04-26 15:28:46