日本労働研究雑誌 2020年特別号~2019年労働政策研究会議報告
一般的に,組合役員のキャリアは執行委員を経験したのち三役に選出される。また,単一組織の場合は,支部の執行委員,三役を経験して,単組本部の役員になるのが基本的なルートといえる。また,執行委員に選出される前の段階として,職場委員や青年・女性委員などを経験するケースもある
2020-05-01 00:21:49これまで経験した業務(%,複数選択,女性役員が経験した業務上位10項目) pic.twitter.com/jPxVk2jHRy
2020-05-01 00:23:14男性と比較すると,男性で上位を占める「賃金・労働条件」「安全衛生」「組織対策」などで男性が女性を11~15ポイント上回っている(表1)。
2020-05-01 00:23:14(。 ・ω・)フム 特に,「賃金・労働条件」については男性単組三役での担当経験割合が8割超と他の業務と比べて際立って多くなっており,三役になる前に経験することが必要な業務として位置づけられる。
2020-05-01 00:23:15一方,女性で最も多い「男女平等」を男性役員が担当している割合は13.0%に過ぎず,男女役員が担当する組合業務には性別分離が生じている。
2020-05-01 00:23:16女性24.4 %,男性 35.0 %と男性が女性を 10.6 ポイント上回っている。さらに,単組の執行委員に限定してみると,現在よりも上の役職,すなわち単組の三役以上(産別や連合レベルの役員を含む)までのキャリアを想定している割合は,女性 13.0%,男性33.6 %と男女の差はさらに大きくなる
2020-05-01 00:23:17役員経験とキャリアアップ(現在よりも上の役職をやりたい・やってもよい比率) pic.twitter.com/CLDZjBigar
2020-05-01 00:24:09女性の場合,経験年数が 4 年以上,賃金・労働条件を経験したことがある,家庭生活との両立が困難ではない,そして,育成実感があると回答した層で,現在よりも上の役職をやりたい・やってもよい比率が有意に高くなっている(p<0.01)。
2020-05-01 00:24:09(・д・)ホォー 今回のサンプルが限定的なため,男女別のデータでの言及は控えるが,現在よりも上の役職をやりたい・やってもよいと考えている層の方が,それ以外の層に比べて組合活動時間が長くなっている
2020-05-01 00:24:10[PDF] 2019年労働政策研究会議報告 労働組合へ加入する要因は何か?―オープンショップ制労組の事例研究より 西尾 力(國學院大學大学院博士後期課程) / jil.go.jp/institute/zass…
2020-05-01 00:25:13組織率の高低は,入社時(新入社員研修時)やその後の職場配属時に,職場の組合役員から誘われているから,皆が入っているから,という同調行動に大きく影響を受けている。
2020-05-01 00:25:14(ヽ´ω`) 日本の労働組合の組織率は,1980年代から問題視されるようになった。1970年代までは組織率は30%台を維持していたものの,1980年代に入るとそこから徐々に低下しはじめた。2018年は17.0%と最低を更新しており,組織率の低下に歯止めがかからない。
2020-05-01 00:25:142015年から3年間,組合員数は増加に転じてはいるものの,分母となる雇用者数での女性と高齢者の増加の伸び率には追いつけず,組織率の低下は止まらない。
2020-05-01 00:25:15熊沢(2013)は,「企業別組合は,正社員の傍らで働く非正規労働者(基本的に非組合員)の処遇を総じて守備範囲外としてきました」(熊沢 2013:138),「総じて雇用保障や賃金についての差別的処遇の容認です」(熊沢 2013:142),
2020-05-01 00:25:17(´ω`;) 「企業が法をすり抜けてさえ非正規労働者の雇用を差別していることに,組合は共謀しているのです」(熊沢 2013:143)と指摘し,
2020-05-01 00:25:17「いずれ既存の企業別組合は,企業経営に溶けて衰退の一途をたどる運命なのです」(熊沢 2013:184)と,企業別組合による非正規労働者の「組織化の限界」を語る。
2020-05-01 00:25:18(。 ・ω・)フム 本研究はこの「企業別組合の限界」説にも立たない。日本の雇用慣行から必然となった企業別組合の形態が,すべての問題の根源とされ,組織率を高めている企業別組合の労組や職場組織が存在することや,西欧の産業別組織でも組織率が低下している現実が無視されるためである。
2020-05-01 00:26:24組合役員及び組合員の組織率の高い支部群と低い支部群別回答率 pic.twitter.com/rAxvYvdRUH
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