蝙蝠【@koumoli】の #ふぁぼの数だけ行ったことがあるように架空の町の魅力を紹介する まとめ最終回
寝惚け眼のまま何も見えない空を眺めていると、スピーカーから美しい歌声が流れ出した。 寝坊助な太陽を持つこの国では、毎朝誰かがお日様にモーニングコールをしてやらないと夜明けが来ないのだ。 ようやっと黄金色に染まる地平線を確認した私は、まったく難儀な国だと面白がりながら寝床に戻った。
2020-05-03 16:30:49兄が殺されたと青年は言った。 今後代々残る歴史書に先王の過ちを記した事が原因らしい。つまり、たった2、3行の為に兄は命を落としたと言うのだ。 「その後は?」 「勿論兄の跡を継ぎ、同じ事をしますとも。人の命に比べれば、文字の命はずっと長い」 そう断言する彼の顔に、迷いなど見られなかった。
2020-05-03 17:05:21世界一長い直線道路には、誰とも合わずに走り抜けられたら望みの場所に辿り着くなんて与太話があった。 そりゃこれだけ長かったら、大体何処かしらには行けるだろう。 そう一蹴した日の夜、私は誰もいない道路を走り切る夢を見た。 道の先では、もう逢えない人たちが幸せそうに笑っていた。
2020-05-03 17:47:23人魚の背に乗り海を渡っていると、「あ痛っ」という呻きと共に泳ぎが止まってしまった。 肉食魚に襲われたのかと焦る私に、彼は「ここから先は人魚のいない世界みたい」と頭を擦りながら言った。 次乗る時はサービスするぜと手を振る人魚を見送った後、私は予想外のスイミングを精々楽しむ事にした。
2020-05-03 18:13:58旅をするのは辿り着くため。
さようなら、初めましての人。 さようなら、私を愛してくれた人。 さようなら、270の国々を共に歩んでくれた人! 空想はいつまでも尽きないけれど、ここでフィナーレと致しましょう。 まあお別れを言ったとて、気紛れな認識の国の住民はいつだって目の前に現れるのだけど。
2020-05-03 18:26:38見た事も無いような沢山のハートの道標を飛ばしてくれてありがとう。 こんなに道標があって逆に迷いはしなかったって? まさか、まさか! 夜空にどれだけ星が多くても、目当て星を見失うほど目が眩んだことはないでしょう。
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