2020年5月10日

掌小説語り~自作つぃのべる集~53

自作ついのべるのまとめです。 2017年9月分。
0
リュカ @ryuka511

自ら命を断ち、気づいたらここにいた。薄闇から真っ黒な人影が手招きしてる。自ら命を断った罪深いわたしを相応しい場所へ引っ張っていくのね。どんな場所でも、生きてた頃よりマシでしょう。ふらふらとついて行く。暖かい風が吹く。人影が振り返った。「せめて、ここでは穏やかに」 #twnovel

2017-09-02 00:21:55
リュカ @ryuka511

魔女の惚れ薬は苦いものです。なぜなら心を歪め支配しるものだから。飲まされた者は思わず吐き出し、心を守れるのです。ならば惚れ薬は何の為にあるのでしょう。もし、飲ませた相手が吐き出さなかったら。薬は効果を発揮しませんが、想い人はあなたのもの。どういう事か解りますか? #twnovel

2017-09-03 00:07:00
リュカ @ryuka511

魔女は人間を信じたかった。愛した相手だから尚更だ。「必ず帰る」と約束したのだと。やまない雨が、魔女を憂鬱にさせる。待ち人はまだ、帰って来ない。捨てられたか、死んでしまったか。人間であれば生きているはずのない時が流れた。待ち続けた魔女は、疲れたように生命を終えた #twnovel

2017-09-04 00:09:03
リュカ @ryuka511

運命は残酷だ。君を奪い、僕を救世の勇者に仕立てあげた。世界には大勢の人がいるのに、どうして失われたのら君なのか。君がいない世界ならいらない。張り上げた抗いの声は、救いを求める人々の声に掻き消された。自暴自棄で旅に出る。こんな僕が救う世界が、平和になるとは思えない #twnovel

2017-09-05 01:18:59
リュカ @ryuka511

貴方が騙る歴史を鵜呑みにするほど愚かではない。簒奪者に加担し地位を得た貴方が、善である道理は無い。不当に地位を追われたのは私の恩人だと知らないようだ。恩人に代わり私が歴史を正してやる。歴史とは勝者の記録。つまり、私が貴方達を倒せば、私が伝える歴史が真実となるのだ #twnovel

2017-09-06 00:08:02
リュカ @ryuka511

知恵に技術、私から教える事はもう何も無い。これから先は君次第。魔王軍に直接立ち向かうもよし、傷ついた人々を守るもよし、逃げるもよし。あるいは、魔王軍に与するのもいいだろう。私が伝えたものに、正義も悪も無い。これらはただ、生きる為の術。君のいきたい道に活かすといい #twnovel

2017-09-06 23:55:34
リュカ @ryuka511

君は光だった。飢えた僕らにパンと水を差し出し微笑んでくれた。僕は一目で君に恋をした。君と生きる、そんな楽園を夢見てしまった。けれど、君が来たのは教会の慈善事業に過ぎず、あの微笑みは偽りだと知る。ここへ来るのを本当は嫌がっている事も。偽りならいらない。二度と来るな #twnovel

2017-09-08 00:37:04
リュカ @ryuka511

魔王軍の猛攻に、強大国と謳われた王国は一夜にして壊滅した。猛る炎が夜闇を照らし出す。無惨な王の亡骸を前に、将軍は跪いた。民を守るべく自ら剣をとった果敢な王。後を追うのはまだ早い。生き延びた民を守り、他国と連携して魔王軍を退けねば。全てが終わったら、必ずやお側に #twnovel

2017-09-08 23:58:25
リュカ @ryuka511

役所でその種を貰ってきた。死んだ後の事なんてどうでもいいけれど、木になった僕に知り合いが触れるのは絶対に嫌だ。発芽するまでにできるだけ遠くへ行こう。もうじき終われると少し気が楽になった。発芽した木が身体を突き破り成長する。悲鳴を押し殺す。後悔なんて、してやらない #twnovel

2017-09-10 00:01:45
リュカ @ryuka511

海の果てにある楽園は、元々は流刑地だった。暴君により流された無実の人々は、孤島に集落を作りあげる。集落は次第に大きくなり一つの街になった。暴君は膨れ上がるその規模を恐れ兵を出したが、兵士達が島を攻める事は無かった。暴君を脅かしながらも、楽園は楽園としてあり続ける #twnovel

2017-09-11 00:08:37
リュカ @ryuka511

美しい思い出は時間に乗らない。美しいまま、繰り返し思い出され実際以上に美しくなった思い出は、悪しき者に目をつけられやすい。美化され過ぎた思い出で人を縛り、未来への希望を失わせる。思い出に縋り過去に囚われ、歩みを止めるのを待っている。風化させても美しい思い出を。 #twnovel

2017-09-12 00:39:26
リュカ @ryuka511

かの日に握手を交わした手を、何年振りかに握った。復讐に取り憑かれたかつての友の手は、痩せさらばえ剣を握れる手ではなかった。こんな事態になる前に、もっと手を取り言葉を交わすべきだったのだ。友は諦めきった目で力なく笑った。「お前が、正しかった」正しさなどどこにもない #twnovel

2017-09-12 23:14:25
リュカ @ryuka511

砂漠のオアシスに魔女は蜃気楼を生み出した。それは今は無い魔女の故郷。魔女は嬉しそうに歩き出す。街は遠のくばかり。蜃気楼を維持する力が切れ街は忽然と消える。魔女は泣き崩れ、泣き疲れ眠る。目覚めた魔女はまた蜃気楼を生み出す。永遠に辿り着けない故郷と共に、魔女は消えた #twnovel

2017-09-14 00:15:12
リュカ @ryuka511

憂鬱な気分で描いた絵はやはり陰鬱なものになる。その日、教会のベンチで天使像をスケッチしていた。穏やかな笑みを浮かべる天使像は、気づけば苦しげな君になっていた。どうしてこんな事に。スケッチブックを閉じ立ち上がる。やはり行かなくては。#twnovel 「彼女を殺したのは、僕です」

2017-09-15 00:51:03
リュカ @ryuka511

奇病が蔓延るこの街は、世界中に病が広まらぬよう閉ざされた。孤立した街で皆が死んでいく中、何故か私は病にかからず生き残った。私は人間ではないのかと悩んだ。気の遠くなる長い時が流れ、ついに私にも病の兆候が現れる。待ち侘びた訪れに歓喜した。「私も死ねる存在だったのだ」 #twnovel

2017-09-16 00:06:16
リュカ @ryuka511

花嫁姿の幼馴染を見つめる。子供の頃から知ってる君が、こんなに綺麗だったなんて知らなかった。真っ直ぐに僕を見つめ返して、君は照れ臭そうに笑う。幸せそうなその笑みに、僕も笑い返す。「結婚おめでとう」「ありがとう」僕が君とあいつを引き合わせたのに、今更苦しくなるなんて #twnovel

2017-09-17 00:34:24
リュカ @ryuka511

「お前は人を不幸にする」その日は大雨で、雨どいを水が流れる音が絶え間なく響いていた。殴り疲れ手を止めた母親は、僕を見下ろしそう言った。それは予知、あるいは呪いかもしれない。僕の傍には誰もいなくなった。満月に思い出す言葉。僕が母親を殺したのが、満月の夜だからだろう #twnovel

2017-09-18 00:54:33
リュカ @ryuka511

愛していたのだ、確かに。魔女は澄んだ湖を見据える。魔女は愛した者に魔法をかけた。自分を愛せよと。魔女の魔法は対象者の寿命を著しく縮める。魔女は愛し愛された者の亡骸を水葬した。愛した者の亡骸に囲まれ、魔女だけは幸せだった。やがて最後と決めた相手と、魔女は共に沈んだ #twnovel

2017-09-19 01:10:07
リュカ @ryuka511

不老不死の生き物を生み出す事に成功した。あの神でさえ成し得なかった創造を、ついに成し遂げたのだ。この生き物を何と名付けるか。神を越えた偉業に相応しい名を、と考える。かつて、人が神を越えるなど、罪深いと君は言った。本当にそれは罪なのか、こいつで確かめようではないか #twnovel

2017-09-20 01:39:44
リュカ @ryuka511

ようやく夏が終わろうとしているあの日。君と観覧車に乗った。これからどうするなんて考えたくもなくて。ゴンドラが頂点に達した時、思わず君を抱き寄せ口づけていた。頂点を過ぎたゴンドラが下降を始める。君は泣いていた。待ち受ける現実。駆け落ちなんて上手く行くはずもなくて #twnovel

2017-09-21 00:21:39
リュカ @ryuka511

「これが死亡推定時刻だと言いたいのですね」探偵は刑事に告げる。「この時刻に強固なアリバイのある人物が最も怪しいです」「なぜ?」探偵は被害者の腕を指差す。「解りやすい偽装工作ですよ」割れた文字盤は正午で止まっていた。「犯行現場において信じてはいけない最たる物です」 #twnovel

2017-09-22 00:25:10
リュカ @ryuka511

誰もいない屋敷で、魔女は鏡を見つめ続けた。まじないをかけた鏡は、魔女の愛した者が映し出されている。魔女の愛する者はもうこの世にいない。だが魔女は、一心に鏡へ向かい愛を囁く。魔女には自分の鏡像が愛する者に見えていた。誰もいない部屋で、魔女は幸せそうにその生を終えた #twnovel

2017-09-23 01:09:19
リュカ @ryuka511

君が僕に近づいてきた理由など分かっている。僕の力か財産か、どちらかなんだろう?君のアプローチに乗って、仮初めの恋愛関係を楽しんでみる。偽りだと分かっていれば傷つくことも無い。落ちそうで落ちない僕に焦れたのか、駆け引きの腕を上げてきたね。思わず本気になりそうだよ #twnovel

2017-09-24 00:53:09
リュカ @ryuka511

君が笑うと周りの空気がとても温かく優しいものになる。愛しい君、今日も花が咲くように笑ってみせて。僕の言葉で、行動で、君が笑う。君の優しさを独り占めしてるみたいで嬉しかった。君が笑ってくれるならなんでもやる。君の笑顔を曇らせる輩は排除しよう。それが僕自身だとしても #twnovel

2017-09-24 23:54:39
リュカ @ryuka511

戦には勝利したが、我が軍の犠牲は想定よりずっと大きい。部下達は私を信頼し作戦を遂行しているのに。私に指揮官たる資格は無い。部下は戦果が思わしくなかったと詫びる。悪いのは私だと言うと彼は激しく首を振った。「我々は駒ではなく戦士、責任は我々も同等であると考えます!」 #twnovel

2017-09-26 00:17:16
残りを読む(4)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?