創作文34

創作文まとめ
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晴れ時々雨 @rio11ruiagent

逃げた子ヤギを捕まえてくれたお兄さんが、ヤギの前足が傷ついているから手当てしてくれると言うので後に尾いていくと、水車小屋の隣にある小屋みたいな家へ入っていった。 水車小屋に隠れるようにして建つ小さな家はまだ材木が新しく、可愛らしい佇まいをしていた。 子ヤギが痛がって歩こうとしない↓

2020-04-27 00:48:29
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

草の上、日傘の陰で微睡むと「この鞄は飛ぶんだから!」と彼が寝言を言うのでびっくりして目が覚めた。「箒が鶏を風呂に入れる」あとの部分を聞き返すと「綿菓子がとけちゃう」「とけちゃうの?」「気持ち悪い」そう。 寝言に返事をするのは良くないって知ってる。でも早死にすればいいと思ってる。

2020-04-26 22:36:04
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

彼のことを知っているとか、付き合いの長さだとかそんなものは言い訳に過ぎない。知る以上の何かが隠されていたとして、それが最低なことだとしても今更遅いのだ。長く同じ時を過ごしたからなんじゃなく、彼の空気が心に届いた瞬間、彼でなければだめになった。もう仕方のないことだった。

2020-04-26 21:53:14
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

#このお題でなんかくれ メロディを思い出すのは静けさの中 石焼ーき芋ー、芋、芋、おいしい芋だよー #短歌

2020-04-26 19:11:32
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

気がつけばずっと彼女を待っている。海を漂う水死体のように、もう手遅れな救助隊を待っている。しかしもし出くわしたら、助けるのは僕のほうなのに。 彼女が救助を望んでいるのを前提に、僕はゆらゆらと彼女を探す、宛も殆どなく。 遭難信号を出しているのはどっちかなんて僕らには関係ないのさ。

2020-04-26 18:20:24
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

彼女はまた出かけている。 起こさないでくださいという看板がドアに掛かっている。まるで、探さないでくださいという家出の書き置きみたいだ。 しかし起こさなければ帰って来ないような気がして、部屋の前を何度もうろついてからノックする。 書き置きは、あとで探してくれのサインだ。そう信じてる。

2020-04-26 17:56:37
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

あの国でわたしアリスと呼ばれてる チャンピオンを口ずさんでから あの国でわたしアリスと呼ばれてるから始まる #短歌

2020-04-26 17:35:40
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

永遠を誓うあなたの声ふるえ プラネタリウムは偽物の星 twitter.com/kobayashi_m0ca…

2020-04-26 12:32:12
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

@No0_0128 @Ray_Croy_ @suika_sheep @slip_mm_ 外では野良犬が鳴いている。 そうです僕が野良犬です。 今どき珍しいでしょ。世知辛い世の中になって、野良とつく物にはとんとお目にかかれない。御先祖の口癖でしたよ。昔はなぁ昔はなぁって。縄張りを守っていさえすりゃ人間から餌をもらおうが一晩軒を借りようが自由だったって。ああ保健所が来る。

2020-04-25 17:24:15
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

#このお題でなんかくれ 「このまま少々お待ち下さい」 電話の向こうでエリーゼのためにが流れる。 雪の降りしきる日、外の寒さなど別世界のことのように身を寄せ合う。 ヒーターからエリーゼのためにが流れ給油を知らせる。 切れたっていい。 互いの温度を分け合い、毛布に潜り込んだあの日。 twitter.com/vivalajunkpile…

2020-04-25 16:33:32
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

彼女は体の中に何かを飼っていたが追求したことはなかった。第一に薄気味悪かったし、いくら親しくても人には触れていけないことがあると思ったからだ。でもときたま背中の皮膚の表面までくだんのモノが浮いてくるとそれと目が合う。どうしたらいいかわからなくて、やぁなどと心の内で言ってみる。

2020-04-25 15:38:35
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

月を見上げながらいつしか走り出していた。くっきりと空に浮かぶ月を見ていたら追いつけるような気がしたから。もう少しで。上に手を伸ばして走るといつの間にか海の上を走っていた。月は奇跡だ。足を置いて産まれた私を走らせ水面に立たせる。けれど、大きい顔で笑う彼との距離はちっとも縮まらない。

2020-04-25 10:38:41
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

骨を磨きながら色々なことを思うが、これがどの部位か、また誰の物であるかなどは考えの外に置いておくのだ。骨の色や独特な艶に注目して、出身のことが頭に浮かぶたびに打ち消す。 骨は私の重要な二つの気持ちを掴む。尊さと厭わしさに交互に支配され、自分にもこれが備わっていることに唸るのだ。

2020-04-25 09:43:15
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

#おやすみ名前の知らない人たち 昔のA子さんB子さん、Cと私なんですがね、後ろにはっきりと写ってるんですよ pic.twitter.com/Z5LLNaXCLE

2020-04-25 01:28:04
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晴れ時々雨 @rio11ruiagent

結婚式の日、ドレスと一緒に踵の開いたヒールが用意されてあってゾッとした。ドレスは自分で選んだ物だったが最初から3つしか選択肢がなかった。とても素敵で履いたことのないような形の靴は何をもたらすだろう。爪先を入れかけて冷たさに鳥肌がたった。冷え切った足でも履くうちに温まるだろうか。

2020-04-25 01:14:20
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

ちょいとばかり呑みすぎて帰りが遅くなって玄関でもたついてると、ドスンと台所で音がして、古い銀杏のまな板に錆の浮いた出刃が刺さってた。 三角穴だらけのまな板から包丁を抜いてコップに冷や酒をついでやる。 知ってんだよ、おめぇが一人台所で晩酌してたのを。 すまねぇな、遅くなってよ。 #呟怖 twitter.com/molmol299/stat…

2020-04-24 23:18:42
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

動物園のカバがスイカを咀嚼する場面へと飛んだ。 骸骨がスイカ大の物に齧り付いている。割れる音、潰れる音、渇いて、中から水分の溢れる音、滴る液体、髑髏の顎が動く。 空洞の頭蓋を満たそうと他人の脳を摂取しているように見える。 一番の疑問は、何故こんな物を見せられているかということ。#呟怖

2020-04-24 11:03:12
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

授乳用の乳パットをマスクに挟むとマスクが汚れずに済むという理由で必要のない人が乳パットを買い占めているという話を聞きかじった。 常日頃、何がしかの想像を働かせて書き物を発表している身としてはこれにむず痒い残念さを覚える。 半端な想像力は切れ味の悪い刃物と似ている。傷口を汚く広げる。

2020-04-24 10:18:01
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

もし痛覚がなかったらと想像する。不定期に襲来する頭部への侵略。為す術なく一方的な攻撃に耐えるだけ。鎮痛剤は砂時計。 しかしもし本当に痛覚がなかったら、幾度ものタンス攻撃により両足の小指はなくなっているだろう。手の指だって無秩序な包丁さばきで先が欠けているはずだ。 どっちがいいのか。

2020-04-24 09:15:42
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

水仙の花束に韮が混ぜてある。嫌がらせなのかなんなのかわからないが匂いですぐにわかる。こうして見ると葉にアクセントがついて鑑賞する分にはおもしろい。けれどやはり腹が立ち韮と水仙の葉を分ける。韮の匂いは食欲を唆るが馨しい香りとは言えず、つい選り分けた水仙の方を食べてしまい腹を下した。

2020-04-24 00:17:12
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