「ホロコーストとイスラエルを考える」ヤコヴ・ラヴキン講演編
「絶滅収容所訪問の旅が、20年頃前から組織的になされている。まるで巡礼のように、軍事演習の一環としてアウシュヴィッツを訪問する、といったことが行われている。このような仕方で恐怖を喚起し続けようという努力が実際に存在している。」
2010-04-18 18:07:57「イスラエルの国防軍参謀長は、ワルシャワ・ゲットーの記念碑の前で「ショアーの現場と、ゲットー蜂起の英雄たちを思え」とスピーチをした。アウシュヴィッツ収容所の周りに軍用機を飛ばし、「我々は弱かったが強くなった」という意識を植えつけている。」
2010-04-18 18:08:03「イスラエルの国防軍参謀長は、ワルシャワ・ゲットーの記念碑の前で「ショアーの現場と、ゲットー蜂起の英雄たちを思え」とスピーチをした。アウシュヴィッツ収容所の周りに軍用機を飛ばし、「我々は弱かったが強くなった」という意識を植えつけている。」
2010-04-18 18:08:03「しかしながら、歴史的にいえば、ワルシャワ・ゲットーとシオニズムとを恣意的に結び付けることは不正である。この不正な結び付けによって、「ショアー以下の暴力は暴力でない」としてシオニズムの暴力性を正当化する幻想がつくりあげられている。」
2010-04-18 18:08:11「しかしながら、歴史的にいえば、ワルシャワ・ゲットーとシオニズムとを恣意的に結び付けることは不正である。この不正な結び付けによって、「ショアー以下の暴力は暴力でない」としてシオニズムの暴力性を正当化する幻想がつくりあげられている。」
2010-04-18 18:08:11「あるお芝居を紹介したい。ユダヤ人が主人公の、子供に真実でないこと、半分しか真実でないことを伝える難しさを描いた作品。国を去り、パレスチナの地への移住を前にして、なぜ去らなければならないのか、つまりナチの残虐行為の歴史について、子供を脅かしたくない、として伝えることを躊躇う。」
2010-04-18 18:08:57「あるお芝居を紹介したい。ユダヤ人が主人公の、子供に真実でないこと、半分しか真実でないことを伝える難しさを描いた作品。国を去り、パレスチナの地への移住を前にして、なぜ去らなければならないのか、つまりナチの残虐行為の歴史について、子供を脅かしたくない、として伝えることを躊躇う。」
2010-04-18 18:08:57「また、パレスチナの地への移住後には、そこでアラブ人に行われている残虐行為を子供に語ることの難しさに直面し、沈黙を保つ両親。「民なき土地に、土地なき民を」と言われて移住したこと、実際にはアラブ人が生活していること等を子供に隠すことにした。」
2010-04-18 18:09:10「また、パレスチナの地への移住後には、そこでアラブ人に行われている残虐行為を子供に語ることの難しさに直面し、沈黙を保つ両親。「民なき土地に、土地なき民を」と言われて移住したこと、実際にはアラブ人が生活していること等を子供に隠すことにした。」
2010-04-18 18:09:10「イスラエル建国後になって、その勝利を喜ぶ両親。しかしどうしてもアラブ人放逐の様子やその家を壊す様子を目の前にしてしまう。両親は自ら確信ができないにも拘らず、アラブ人は残忍な人間なのだ、と娘に伝える。」
2010-04-18 18:09:16「イスラエル建国後になって、その勝利を喜ぶ両親。しかしどうしてもアラブ人放逐の様子やその家を壊す様子を目の前にしてしまう。両親は自ら確信ができないにも拘らず、アラブ人は残忍な人間なのだ、と娘に伝える。」
2010-04-18 18:09:16「ついには何も娘に伝えることのできなくなった両親が、パレスチナの土地への移住が何も問題を解決しなかったことを悔む場面で芝居は終わる。」
2010-04-18 18:09:20「イスラエルの社会は依然として分裂している。イスラエルの主流派メディアにおいても、ホロコーストの記憶の政治的利用は実質的には既に無効となったのではないか、といった意見が出るようになった。」
2010-04-18 18:09:26「最近、1975年のTIME誌を読んだ。キッシンジャーの表紙で、特集のタイトルは、「イスラエルとアメリカのユダヤ人」、というもの。議論は現代のものとまったく変わっていない。アラブ世界に囲まれていることの危機の強調、ホロコーストの記憶、イスラエル建国の正統性の問題。」
2010-04-18 18:09:32「ホロコーストの防弾チョッキはところどころ壊れ始め、もう機能しなくなっている、と。この点を強調したく、『トーラーの名において』を書き上げた。ここで述べた問題が現代の問題であることを強調して、講演を終わりたい。」
2010-04-18 18:09:40「ラブキン:議論で『ショアー』の名前が出た際、ナクバを扱った、もう一つのパレスチナ人のための『ショアー』が制作される可能性について考えた。実際にそうした試みもなされている。」
2010-04-18 18:10:03以上、ヤコヴ・ラブキン教授『トーラーの名において』邦訳刊行記念 ホロコーストとイスラエルを考える シンポジウム を tsuda ってみました。
2010-04-18 18:10:46