【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第276話「深慮遠謀」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」01】 第276話です。 落ち目となった関羽。頼みは援軍の到着です。馬良と伊籍の連絡を待って、荊州街道に野営をしていましたが、いつまでも野営はしていられない場所でした。大雨が降ると付近はたちまち沼と変わる地形。そこしかなかったんでしょう。

2020-05-18 14:26:44
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」02】 善後策を練ろうにも、襄陽には徐晃が入り守りを固め、曹操はまだ摩陂(許都から西方50kmくらいの地点)に駐屯していることから、関羽軍はいよいよ身動き出来ぬようになってしまっています。ここで部下の一人から、呂蒙に書面を送ってみてはという意見が。

2020-05-18 14:29:12
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」03】 呂蒙は陸口にいた時、常々、関羽に書面を送っていました。同盟を結んで共に曹操を倒そうと。それが今では曹操に味方し、自分たちを攻めるのは信義に背く行為。呂蒙に詰問の書を送って、その出方次第でこちらも行動を決めてはどうかと。

2020-05-18 14:30:59
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」04】 もしかしたら、まだ呂蒙に自分らと同盟の気があるかもしれぬ、との意見に、関羽は使者を送ることを決めます。可能性は低いとは言え、やってみる価値はあると判断したようです。

2020-05-18 14:32:11
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」05】 荊州城にいる呂蒙のもとに関羽の使者が到着します。呂蒙は自ら出迎えをします。使者を歓待せよ、との命令に、部下は何か考えがあってのことですな、との言葉に、もちろんだ、と答えます。自分が荊州の民にどれほど慕われているかを見せねばならんと。

2020-05-18 14:33:49
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」06】 関羽の使者が来るという話は、荊州城の民衆にも伝わります。関羽軍に従軍している兵士の家族は、当然安否が気になるところ。息子や良人、親戚などの消息が知れるかも、と噂し合います。そんなところに関羽の使者が到着します。

2020-05-18 14:36:04
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」07】 呂蒙が自ら出迎えに来たことに使者は恐縮します。呂蒙に連れられ入城する使者。見れうと、荊州城の民衆が関羽や、自分の家族がどうなっているのか、と口々に使者に問いかけます。呂蒙は、一度に言っても使者には誰が誰だかわかるまい、と言います。

2020-05-18 14:38:16
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」08】 帰りに手紙でもことづけるがよかろう、と呂蒙。民衆はでは帰りに、と言って一旦引き下がります。呂蒙は、今の領民の声をお聞きでしょう、帰りに手紙の一つも届けてくだされ、と頼むと、使者ははい、と答えるのが精一杯です。

2020-05-18 14:39:48
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」09】 さて、使者の本来の目的である、呂蒙への詰問の書を手渡す前に、呂蒙が荊州をどのように扱っているのかという話になります。樊川に従軍した兵士の家族には、昔通りの録を与えているようです。つまり、為政者が代わっても給料の支払いが行われてると。

2020-05-18 14:41:49
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」10】 呉の兵士と差別なく扱っていると呂蒙。そして、使者に今日の要件は、と促すと、使者は関羽からの手紙を呂蒙に渡します。一読した呂蒙は、たしかに主張はこの通りで、関羽の立場も気持ちも察ししていると言います。

2020-05-18 14:43:32
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」11】 しかし、自分がかつて関羽とよしみを結んだのは、一人の私事、この度のことは君命、それゆえに思いのままにはならぬ、と呂蒙は言います。つまり、君命ゆえ私情は挟めぬということか、と使者は確認。

2020-05-18 14:44:45
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」12】 呂蒙は、自分が荊州に入った時、笠を盗んだ同郷の兵士を、涙をのんで首を打った。昔から同郷同姓の者は殺すまいと誓っていたが、それは私事の誓いであって、公事に私事の誓いをはめられぬ、といい、これが自分の気持ちであると。

2020-05-18 14:47:24
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」13】 使者はこれ以上は何も言えません。呂蒙は話は終わったとして、使者を宴席へと案内します。黄金や絹を贈り丁重にもてなします。そして、帰りの途につくわけですが、ここで、民衆が使者に向かって手紙を持ち寄ります。

2020-05-18 14:49:23
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」14】 自分の良人に、息子に、と手紙を渡しつつ、呂蒙の仁政で以前にもまして安心して暮らしていると伝えてくれ、とか、病む者には薬をくれるし、難にあった者は救ってくれる、と家族のことは何一つ心配ないと伝えてくれという声が多数。

2020-05-18 14:51:20
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」15】 使者はその声を聞いているとだんだん辛くなってきます。民衆が関羽の帰還を待ち望んでいるという話ではなく、関羽の時よりも住みやすいという話では、関羽の立場がなくなってしまいます。使者は逃げるように関羽の陣に引き返します。

2020-05-18 14:55:47
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」16】 呂蒙からのお土産や手紙などの荷物が多くなったため、馬と荷車を借りたのでしょうか。使者は関羽の陣に引き返してきました。ことづかった手紙や慰問品は宛先の兵士に渡すように言います。検閲とかは特にない模様。自分は関羽に報告に行くと。

2020-05-18 14:57:53
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」17】 使者に付き添っていた兵士は、早速、陣中の兵士たちを呼んで、家族からの手紙をことづかってきたことを知らせます。集まる兵士たち。手紙を読んで、家族は昔と同じ禄をもらっていたり、病気の家族に薬が届けられていたりと、呂蒙の仁政が伝えられます。

2020-05-18 14:59:43
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」18】 一方、使者が呂蒙の言い分を伝えます。私事ではなく、国家の命令で自分の本心ではないと言うばかり。それに、関羽の一族も諸将の家族も皆安泰で、何事も心配無用と言う使者の言葉を聞いて、関羽はわかった、さがってよいと言います。

2020-05-18 15:01:14
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」19】 外に出た関羽。兵士たちが手紙を読みふけっているのを見て、これも皆、呂蒙の遠謀、病気と偽って陸口を若い陸遜に譲って自分を油断させ、今や荊州の民をそこまで起伏させた、そこまでこの関羽は読みきれなかった、呂蒙は恐るべき人物だ、と言います。

2020-05-18 15:03:02
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」20】 しかし、このままではすまされぬ。呂蒙が君命ならば、自分も君命で荊州を預かっている。呂蒙と決戦あるのみ、とあくまで徹底抗戦を誓う関羽。となると、一刻も早い成都からの援軍が待ち望まれます。

2020-05-18 15:04:28
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」21】 しかし、翌日になると、夜のうちに兵の半数が脱走していることが判明します。脱走は重罪ですが、大量の脱走兵を今更追うことは出来ぬと関羽。しかし、荊州は我が領土、残りの兵だけでも奪い返す、と出陣太鼓を鳴らせと命じます。

2020-05-18 15:06:19
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」22】 悲壮な顔で太鼓を鳴らす兵士。太鼓の音を聞いて、関平が飛んできます。成都からの援軍を待つべきだという関平。しかし、関羽は、まだこれだけの兵が残っていれば、荊州で神出鬼没の戦いをしてみせる、そのうち援軍も到着するだろう、と。

2020-05-18 15:08:32
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」23】 寡兵なら寡兵なりの戦い方がある、と百戦錬磨の関羽は自信を持っているようです。みんなの士気を鼓舞して出陣だ、と言う関羽の言葉に、関平も付き従うのみです。こうして、関羽は荊州に向かって進撃を開始します。

2020-05-18 15:09:50
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」24】 だが、呉随一の将といわれる呂蒙は、関羽の行動を読み取り、蒋欽、周泰、韓当の三将に三方から出陣を命じていました。三軍は手ぐすね引いて関羽軍の現れるのを待ち構えていました。

2020-05-18 15:11:48
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【横山光輝「三国志」講座276「深慮遠謀」25】 関羽は玄徳の信頼を裏切る結果となったことに焦りを感じ、ただひたすら荊州へ進みます。しかし、自分の家族の住む荊州への進撃に、兵士達は戦意を失っていました。

2020-05-18 15:12:54