若いうちに聴きたいクラシック +50曲

Daisuke HIROSE 広瀬 大介 @dhirose

「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【40曲目】 ジョージ・ガーシュウィン (1898-1937) George Gershwin 歌劇『ポーギーとベス』 Porgy and Bess (初演：1935年、ボストン) #classicplus50_dhirose

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ラヴェルやシェーンベルク、ベルクと交流のあったガーシュウィンは、自身の音楽語法を舞台音楽に活かす手法を密かに彼らから学んだはずです。生々しい筋書きで描かれた「なまず横町」のアフリカ系住民の逞しい姿とその音楽は、現代の米国がまさにいま苦しんでいる問題、そして希望に直結しています。

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お薦め音源 ホワイト、ミッチェル、ボートライト、クィヴァー、ヘンドリックス、他 クリーヴランド管弦楽団＆合唱団 指揮：ロリン・マゼール (Decca, 1975年録音) music.apple.com/jp/album/porgy…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【41曲目】 フランシス・プーランク (1899-1963) Francis Poulenc 歌劇『カルメル会修道女の対話』 Dialogues des carmélites (初演：1957年、ミラノ) #classicplus50_dhirose

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ラヴェルやストラヴィンスキーを敬愛し、洗練された都会風の佇まいで聴き手を愉しませる一方で、宗教曲や歌劇などでは深刻な「真実」を垣間見せる瞬間があります。本作最後でギロチンにかけられ命を落とす修道女たちの歌う「サルヴェ・レジーナ」はその精髄。これを聴くたびにいつも心震えます。

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お薦め音源 デュヴァル、クレスパン、シャーリィ、ベルトン、ゴール、他 パリ・オペラ座管弦楽団＆合唱団 指揮：ピエール・デルヴォー (Warner, 1958年録音) music.apple.com/jp/album/poule…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【42曲目】 ホアキン・ロドリーゴ (1901-1999) Joaquín Rodrigo 『アランフェス協奏曲』 Concierto de Aranjuez (初演：1940年、バルセロナ) #classicplus50_dhirose

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1936年に勃発したスペイン内戦は、第二次世界大戦で直接干戈を交えることになる国同士の代理戦争の様相を帯び、甚大な被害をもたらします。長い緩徐楽章と変拍子の最終楽章には、作曲家の平和の祈りが込められました。繊細なギターの音色が管弦楽に溶けていくさまは、唯一無二の美しさです。

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お薦め音源 ギター：ナルシソ・イエペス フィルハーモニア管弦楽団 指揮：ガルシア・ナバロ (DG,、1979年録音) music.apple.com/jp/album/conci…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【43曲目】 アラム・ハチャトゥリアン (1903-1978) Aram Khachaturian 劇音楽『仮面舞踏会』組曲 Masquerade Suite (劇初演：1941年、モスクワ) #classicplus50_dhirose

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戦後ソビエトで重きを成した作曲家のひとりであったアルメニア出身のハチャトゥリアン。コーカサス地方の民謡を用いた音楽が、巨大なソビエト国家の一体感演出に必要だったという事情はあるにせよ、その音楽は普遍性をもって聴き手に訴えかけます。「剣の舞」を含むバレエ『ガイーヌ』は翌年の作曲。

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お薦め音源 RCAビクター交響楽団 指揮：キリル・コンドラシン (RCA, 1958年録音) music.apple.com/jp/album/masqu…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【44曲目】 ドミトリ・ショスタコーヴィチ (1906-1975) Dmitrii Shostakovich 24の前奏曲とフーガ 作品87 24 Preludes and Fugues op. 87 (全曲初演：1952年、レニングラード) #classicplus50_dhirose

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バッハに倣って作られた本作では、管弦楽作品で比較的簡素な響きで旋律を彩る作曲家が、その旋律の独立性と強さをピアノで十全に表現しています。本作もソビエト当局から「形式主義」との批判を受けますが、演奏家たちがこぞって庇い、徐々に定着。表現の自由の本質に想いを馳せずにはいられません。

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お薦め音源 ピアノ：アレクサンドル・メルニコフ (harmonia mundi, 2010) music.apple.com/jp/album/shost…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【45曲目】 ベンジャミン・ブリテン (1913-1976) Benjamin Britten 戦争レクイエム 作品66 War Requiem op. 66 (初演：1962年、コヴェントリー) #classicplus50_dhirose

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第二次世界大戦の惨禍を忘れぬための記念碑的作品。空襲で破壊されたコヴェントリーの聖マイケル大聖堂を会場に選び、レクエイムの典礼文にオーウェンの反戦詩を組み合わせ、戦争の当事国にして最大の被害国だった英・独・露の独唱者が一堂に会します。20世紀に生まれたレクイエムの最高傑作です。

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お薦め音源 ヴィシネフスカヤ、ピアーズ、フィッシャー=ディースカウ バッハ合唱団、ロンドン交響楽団合唱団、ハイゲート学校合唱団 メロス・アンサンブル ロンドン交響楽団 指揮：ベンジャミン・ブリテン (Decca, 1963年録音) music.apple.com/jp/album/britt…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【46曲目】 伊福部 昭 (1914-2006) Akira Ifukube シンフォニア・タプカーラ Sinfonia Tapkaara (初演：1955年、インディアナポリス) #classicplus50_dhirose

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釧路生まれ。音更村でアイヌとの交流を経て大きな影響を受け、民族の「特殊性」から「共通」の人間性へ至る音楽を目標に掲げます。単純な動機を繰り返して高揚へと導く音楽的手法は、作曲家自身の個性としてどの作品にも刻印されました。「タプカーラ」はアイヌ語で「足を踏みしめて踊る」の意。

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お薦め音源 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮：アンドレア・バッティストーニ (日本コロムビア、2017) apple.co/2AXw3x3

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【47曲目】 レナード・バーンスタイン (1918-1990) Leonard Bernstein ミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』 West Side Story (初演：1957年、ワシントンD.C.) #classicplus50_dhirose

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指揮者、ピアニスト、そして作曲家でもあったバーンスタインは、言葉の真の意味での「音楽家」でした。クラシックのみならずあらゆるジャンルに通じる多彩な表現に支えられた音楽は、この「音楽家」でなくては生み出せないもの。現代版「ロメオとジュリエット」として、華麗に生まれ変わっています。

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お薦め音源 ジャクソン、シルバー、ヴォスク、ヴォートマン、他 サンフランシスコ・シンフォニー・コーラス サンフランシスコ交響楽団 指揮：マイケル・ティルソン・トーマス (Sfs, 2013年録音) music.apple.com/jp/album/berns…

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「若いうちに聴きたいクラシック +50曲」【48曲目】 ヤニス・クセナキス (1922-2001) メタスタシス (転換) Metastaseis (初演：1955年、ドナウエッシンゲン) #classicplus50_dhirose