学習の遅れより「学ぶ楽しさ」を!
- ShinShinohara
- 1994
- 10
- 0
- 0
コロナ休校で心配していましたが、生死に関わる問題の方が気になり、今まで書いていませんでした。今更感があるのですが、それはそれとして、今後からでも気をつけていきたい点をまとめておきます。 コロナ休校で学校から「学習が遅れないよう、家庭で教えて」とあったと思います。
2020-05-25 18:04:16しかし親は教え方が分からない。子どもは分からなくてイライラ。親もイライラ。学校から与えられた課題をやらない子どもにさらにイライラ。イライラしてる親に子どももイライラ。そんなご家庭が多いのではないかと存じます。これが小学校新一年生で起きたことは、誠に不幸なことです。
2020-05-25 18:06:56私が職場のスタッフや学生、これまで指導してきた子どもたちに対し、最重要視してきたものがあります。それは課題をこなすことでも、学習を進めることでもありません。ただひとつ、「意欲」です。意欲が損なわれるくらいなら学習を進める必要もないし、課題をやらなくても構わないと考えています。
2020-05-25 18:09:54小学生になるまで、学ぶことが嫌いな子どもはほぼ皆無です。学ぶことは楽しく、子どもたちは大好きです。しかし多くの子どもたちが、小学生入学を境に勉強が嫌いになります。なぜか。勉強という二文字に表れるように、勉(つと)めて強(し)いるようになるからです。
2020-05-25 18:13:18小学校に入ると、宿題が義務化されます。世のお母さんは大変マジメ。学校から出た宿題はやらなきゃいけない、と思い込んでしまいます。実際、学校も「宿題をするように言って下さい」と連絡します。そこまで言われたらお母さんたちはマジメだから、なんとしても宿題をやらせようと頑張ります。
2020-05-25 18:16:18それが不幸の始まりです。子どもは楽しいことが大好き。実は学ぶことも楽しいことのひとつなのですが、今、その気分じゃないときに「宿題は?」と、お母さんが頻繁に口にするようになります。子どもはアマノジャクですから、言われたことはやりたくなくなります。宿題は先延ばし。
2020-05-25 18:18:32するとお母さんから「宿題は?」。また先延ばし。しばらくして「宿題は?」。また先延ばし。そしてついに堪忍袋の緒が切れたお母さんから雷が落ちて、「宿題やりなさい!」という命令。子どもはできるだけ抵抗したあげく、最終的に宿題をやりますが、このとき大切なものが失われます。意欲です。
2020-05-25 18:20:42学ぶことは本来楽しいことです。「できない」を「できる」に変えることができた、自分はまた一歩成長した、と思えることは、とても楽しく、誇らしい気分になるからです。ところが、「学ぶ」ではなく「勉強」という強制命令に従う形だと、嫌いになってしまいます。
2020-05-25 18:23:14命じられてやったことは、達成感がありません。ノルマをこなした、というヤレヤレ感だけ。心がくたびれます。その疲労感を見せた顔が、親からは「やる気のない怠け者」に見えて、また言葉厳しく「宿題しなさい!」になってしまう、悪循環。
2020-05-25 18:25:17コロナ休校で学習の遅れが心配な方が多いと思います。それは学校関係者も、親御さんたちもそうではないかと存じます。しかし私は、学習の遅れより何より、その焦りから「意欲」を損なう接し方が増えることの方を何より懸念しています。
2020-05-25 18:27:32学ぶことが楽しければ、自然と子どもは学びます。意欲が損なわれていない時の子どもの習得能力は凄まじいものがあります。学習の遅れは、私は気にしません。心配なのは、遅れを気にするあまり、焦りから子どもを急かし、強制し、それにより学習意欲を損なうことの方です。結果、本当に学習が遅れます。
2020-05-25 18:30:07私の塾には、高校一年生にもなって、割り算はなんとかできるけど分数ができない、という、小三レベルで停止した子どもが来ていました。もちろん学年最下位レベル。ところが卒業する頃には学年トップクラスになりました。
2020-05-25 18:31:49中学二年で学年最下位から五本の指に入る子どもがいましたが、卒業までに中の上まで成績を上げ、高校では三年間学年トップクラスの成績をキープ、希望の大学に現役合格した子どもがいます。学習の遅れは、一年どころか、5~6年にも及びます。それでも追いつきました。
2020-05-25 18:35:03なぜ追いついたのか。学ぶことは「勉強」(強制的に課題をやらされること)ではなく、「できない」を「できる」に変える、楽しい遊びであることを思い出してもらうこと、それにより学ぶ意欲を取り戻させることを何よりの優先事項にしたからです。
2020-05-25 18:36:55残念ながらコロナ休校は、教師から気持ちの余裕を奪い、課題を子どもに与える方向に走らせてしまっているのではないか、と懸念しています。お気持ちは無理もありません。しかし、子どもに課題を強制すると、マジメな親御さんが必死に子どもに強制してしまい、何より大切な意欲を破壊します。
2020-05-25 18:39:59意欲を破壊すると、それが最大の学習の遅れを招きます。遅れに焦って、子どもの尻をたたくと、それが勉強への嫌悪感をさらに強める悪循環に陥ります。 まず、お願い。焦らんでいいです!今回はどこもかしこもそんなんだから!日本全体そうだったんだから!みんな遅れてるんだから、焦らないで!
2020-05-25 18:42:15課題を早くこなそうとすることより、学ぶことの楽しさを最重視して下さい。学ぶって楽しい!その感覚さえあれば、あとでいくらでも遅れは取り戻せます。 そして政治にお願い。先生たちが焦らずに済む政策デザインを。カリキュラムの遅れは、六年かけて吸収するくらいの気持ちで。
2020-05-25 18:44:37親御さんにお願い。大丈夫。学ぶことが楽しければ、何年もの遅れがあっても、ヒョイと乗り越えられます。学校の内容は、イヤイヤやると難しくて面倒くさいですが、「できない」を「できる」に変える楽しい作業として取り組むと、驚くほど短期間で習得できる、実はコンパクトな内容。焦らなくて大丈夫。
2020-05-25 18:47:52どうか、子どもたちの「学ぶ楽しさ」を損なわないように。学ぶ意欲を何より大切に。それさえ守れれば、子どもは必ず学びます。だって、楽しいから。楽しい学びを、どうか苦役にしないで下さい。
2020-05-25 18:49:47お母さん→親御さん