2020年6月10日

都会版のマイルドヤンキー文化化する日本の私鉄趣味

地域性に絡まれたサブカルチャーと聞くとマイルドヤンキー(もう死語かもしれないが)という言葉が出てくる。鉄道趣味も私鉄に限って言えばオタク趣味ではなく都会版のマイルドヤンキー系かなと思うのだが。

鉄道趣味私鉄

日本の鉄道文化事情を調べてみたのだが、内容が興味深い。昔と比べて鉄道趣味の特徴の変わりっぷりにひたすら驚いている。リア充臭のあるような男女が鉄道という文化を堪能しているのである。多くの日本人は20世紀で頭が止まっていて、「鉄道は世界共通のインテリや都市文化、

2020-06-10 18:31:56

自動車バイクは非インテリと地方人に限る」と思い込んでいるが、現実は違う。世界中どこを見渡しても勝ち組は治安に関係なく自家用車か自転車は乗るようになり、ここ最近はオートバイ乗りも増えている。振り返れば東京でも道路を走る乗り物趣味が息を吹き返しつつある。

2020-06-10 18:31:56

私は久しぶりにバイクを借りてツーリングをした時、この現実に気づいた。都内でなぜか若い二輪車乗りが増えていて、大学生ライダーに声を掛けられたときに「あ、時代が変わったんだな」と痛感した。オートバイといえば、日本では落ちこぼれの趣味の印象しかなかったからだ。

2020-06-10 18:31:57

エコバブルで国民が車二輪離れが進んだが、特に自動車業界は激しい合理化ラッシュが起きた。若者には縁遠い存在になった。しかし外国では自動車は都市部でもすたれることなく店舗網を世界各地に広げ、貧乏な若い客層もガッチリ掴んでいるのだ。

2020-06-10 18:31:57

多くの日本人は、日本の私鉄文化がオタクの趣味だった記憶がいまだに強く、今の現実に気づけない。日本の鉄道がリア充に消費されたのも外国人が消費するのもかつての日本人が高い車やバイクに背伸びして消費したような「ブランド」だからだろうと思いこんでいる。

2020-06-10 18:31:58

しかし現実は違う。私鉄文化は負け組の趣味だから、消費されているのだ。欧州にもアジアにも私鉄はあるが、趣味にするのは勝ち組だ。とはいえ現地人からすればハイカルチャーよりは敷居が低いと思われている。本場の日本にいけばもっと低い。そりゃ、みんなこぞって消費するのである。

2020-06-10 18:39:47

平成の30年で大変化した日本。それでもJRや公営交通や三セクは準国鉄だからどうにか格を保っているが、私鉄はこの間モロにくたびれてしまい、不況で疲弊し、そうした閉塞感が社会の負け組を引きつけた。ゼロ年代前半くらいまではいびつな空気があった感じはあったと思う。

2020-06-10 18:31:59

その後は都市部の鉄道は復権が進み、真新しく立派なサービスが増えたが、新自由主義最盛期の時代なので格差がモロに発生し、華のない場所はもっと貧相になり、それが全国のマイルドヤンキーな人々を惹きつけるに至ったんじゃないかと思う。

2020-06-10 18:32:00

近年、私鉄の活性化を推し進めたのがネタ消費だ。一時は撤回も論議された観光列車は大ブレイクし、鉄道ファンや暇のあるリア充で賑わう。車やバイクよりも比較的安く、敷居も低い。もともとパチンコのような日本だけのB級文化の宝庫だから、マイルドヤンキーの天国でもある。

2020-06-10 18:32:00

おまけに近年では私鉄間の地域の格差や歴史的な経緯(私鉄と宗教の関係や車社会との関係とか)も注目されている。イメージは悪くても、反社系の臭いがするわけでもなく、パチンコ屋と違って未成年者でも安心して消費できるくらいに敷居が低めだ。

2020-06-10 18:32:01

他の地域だって文化の格差社会で当然その地域にしかない土着のB級文化があるが、地元ではできないことが日本ではできるということが、日本一のB級サブカルチャースポットとしての私鉄文化の繁栄をもたらしているのだ。

2020-06-10 18:32:01