編集部イチオシ

コロンをincludeのあとに置いて、そのあと目的語を並べてもOK?英語の用法について。

高橋さきの先生(『猿と女とサイボーグ―自然の再発明』ほか訳書多数) @sakinotkと翻訳者Giry and Joe @giry_and_joeによる英語表現についての問答。A includes: X, Y and Z.のような書き方は英語としてOKなのか?規範的にはどうか。通時的にはどう変化していそうか。
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そもそもの話のきっかけは・・・。

Sakino Takahashi @sakinotk

どっひゃー、パンクチェーションって、そんなに教わる機会がないのかという……。一度、翻訳者向けでない、Nestさんのパンクチュエーション講座を開いたほうがいいのではないかという……。

2020-06-16 20:42:52
Sakino Takahashi @sakinotk

translator (知財分野他、主訳書:ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』『犬と人が出会うとき 』、ロージら『科学者として生き残る方法』、シルヴィア『できる研究者の論文生産術』、モーリー『アカデミック・フレーズバンク』他)、関心対象:科学技術論。翻訳フォーラム共同主宰。写真は蒸気機関(独・ルール炭田)。

・・・という高橋さきの先生のパンクチュエーションについてのツイート。そこへGiry and Joe がなにやらつぶやく

giry_and_joe @giry_and_joe

スペースは空けるとしてパンクチュエーション自体は難しいと感じるポイント。ピリオドで文を切ったり接続詞を使うかわりにセミコロンを使う、かどうかのネイティブの肌感覚とか、動詞と目的語のリストの間のコロンについてどう思うかとか、いちど聞いてみたいと思いつつそのままのポイントはたくさん。 twitter.com/sakinotk/statu…

2020-06-16 21:04:42
giry_and_joe @giry_and_joe

Translator. Intellectual properties. Interests: functionalist linguistic theories, language and computation, NLP. /翻訳者。知財。言語学と言語処理に関心あり。

https://t.co/UvNwTT8OQf

動詞と目的語の間のコロン

Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe そのあたりは、結構時代とともに変化してきてもおり、学術的文章(ただし英語圏の大学生以上向け)については、下記拙訳書が最近の事情を上手にまとめていますが、英語使いとしては、まずはノンジャンルでの基本を身につけるのが先なのだろうと思います。 pic.twitter.com/DmLBkpHrk8

2020-06-16 21:56:08
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giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk ご紹介ありがとうございます!当該分野の訳書おありだったんですね。論文。確かに、自分の挙げた点は、文章の論理構造そのものにもかかわりがありそうで、単にパンクチュエーションだけの問題というわけではないのかもしれません。

2020-06-16 22:24:58
giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk ジャンルや時代といえば、コロンの後の目的語列挙はスタイルマニュアル(シカゴかオックスフォードです)では否定されており、自分は特許分野等が例外なのだと思っていましたが、昨今スポーツ関係のネット記事(メジャーリーグ公式)でも用例を見かけて、感心していました。 twitter.com/giry_and_joe/s… pic.twitter.com/6H2FZCFayx

2020-06-16 22:37:04
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Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe コロンがグーグルの検索ではひっかからないので、COCAでとりあえずincludeの用例を千件表示させ、そこで「include: 」を検索すると39件ということようでした。分母はincludeの全用法ですから、結構使われているのかもしれません。ほんとうは個々の例を見るべきなのでしょうけれど。 pic.twitter.com/s7oRKKHRo1

2020-06-16 23:19:27
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giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk なるほど、COCAを使えば良いんですね!🤔この検索はやったことがありませんでした。ご教示ありがとうございます。なぜか自分の環境(・検索方法?)では31件ヒットでしたが、いずれにしても大体それくらいは使われていそうだということですね。参考になりました。

2020-06-16 23:43:47

コロンの有無はともかく、「include 目的語」の表現は増えている

Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe 背景に、「なんとかinclude 例がずらずら」という表現自体が増えているということもありそうです。コロンはともかく、examples includeでのNgramViewerでの検索結果はこんな具合です。 pic.twitter.com/cculVaEnDF

2020-06-17 00:27:30
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giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk なるほど。通時的に見てはっきり増加傾向が読み取れますね。それにしてもNgramはこういう使い方も出来るんですね。例外か一般化した事項かという二者択一で困ったとき、時間軸上で起きている言語変化(との関連)にいったん目を向けてみるというのは良いやり方だと思いました。ありがとうございます。

2020-06-17 00:54:08
Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe Ngramは、はまるとおもしろいですよ。ふだん辞書を引くついでに、用がなくても(時間が許せば)Ngramで確認しておくと、いろんなことがら同士のつながりが見えることもあって得した気分になれるかもしれません。

2020-06-17 07:05:19
Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe ちなみに、these includeだと、もう少し諸処精度があがりそうなのでやってみました。 NOW Corpus (News on the Web) とCorpus of Contemporary American English で千件中78件と84件。Ngramもつけておきます。ある程度傾向がみえるように思います。 pic.twitter.com/AvjziU5toQ

2020-06-17 08:51:08
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規範的にはどうか?シカゴマニュアル、オックスフォードマニュアルの記載は。

giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk ご丁寧にありがとうございます!有益な情報で参考になります。お礼に(?)、シカゴマニュアルオックスフォードマニュアルの該当箇所を載せておきますね。特に後者では明確に否定されていますが、近年、実際の使用が増えているのは規範と言語変化との関係の典型例といったところでしょうか。 pic.twitter.com/piEWcP4XJf

2020-06-17 10:12:02
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giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk Ngramだと増加傾向がリニアに見えて、これが面白いなと思いました。つまり例えばインターネットの普及によってある一時点で急に増えた、とかではなくほぼ一定の増加傾向で次第に増えてきているということですよね。最近、増加が減少に転じたのも興味深いです。

2020-06-17 10:18:47
Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe (最近の減少は、たぶんデータ処理上の問題(よく見られる現象)なので、無視してよいかもしれません。)

2020-06-17 10:49:19
giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk そうなんですね。(←これも言語変化により許容されるようになったとされる表現の一つですが、自分は好んでよく使っています。😊)ありがとうございます。「these include」等を母数とした「include:」の比率の増加傾向等わかればより言えることが多くなりそうですね。時間があれば調べてみたいです。

2020-06-17 13:05:18

「include: 目的語1, 目的語2, ... 目的語n」は、英語としては、イレギュラーな用法なのか?ここで、高橋さきの先生がWebsterのスタイルガイドでの記載を引用。

Sakino Takahashi @sakinotk

@giry_and_joe あわてて自分の手持ちのものをざっとみてみたのですが、98年の下記が、include+コロンの例を載せていました、下記URLが、グーグルブックの当該頁になります。ここに載っていたからといって使えるというものでもなさそうですが^^。 tinyurl.com/yacuquxk pic.twitter.com/BKC4UdtBtl

2020-06-17 14:58:43
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giry_and_joe @giry_and_joe

@sakinotk ありがとうございます。although usually follows/often interrupts の書き方に規範を参照しつつ経験的な記述を重視する姿勢が窺われますね。特許ではこの用法が当然のように用いられるのと、係争で参照される辞書がしばしばWebsterであることは関係があるのかもしれません。 books.google.co.jp/books?id=7C6V9…

2020-06-17 15:53:00