オーバーロード・オーバーライト #3

スウェーデン料理、マトモな物のほうが多いはずなのにアレが一番有名なのは不憫だと思う 2:https://togetter.com/li/1549427 4:https://togetter.com/li/1551655
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劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2020-06-28 21:01:01
劉度 @arther456

【オーバーロード・オーバーライト】#3

2020-06-28 21:02:00
劉度 @arther456

「一体何の騒ぎですか、これは」提督に会いに来たはずの倉田は、不知火たちに連行され別室に入れられた。「緊急事態です」不知火たちは部屋の入り口を固めている。「どうしました。また深海棲艦が入り込みましたか?」「失礼な。深海棲艦に二度も侵入される鎮守府ではありません」1

2020-06-28 21:03:00
劉度 @arther456

不知火の後ろで、港湾棲姫が矢矧と話している。「お客さん用クッション……」「いつもの枕で我慢しなさい」「めえぇ……」不知火が気まずい表情で沈黙する。倉田は助け舟を出した。「あれは特例ですね」「特例。はい、特例です」「それで、実際のところ何があったんですか?」2

2020-06-28 21:06:00
劉度 @arther456

「提督の幼馴染を名乗る不審者が侵入しました」「……いやいや。警備は何をしていたんですか」「何年も鎮守府にいた艦娘だ、と言っていました」「何ですかそれ。洗脳でもされたんですか?」「恐らくは」真剣に答える不知火の様子を見て、倉田はようやく状況の危険性に気付いた。3

2020-06-28 21:09:00
劉度 @arther456

「……洗脳を受けていない人間は?」「確定したわけではありませんが、鎮守府のほぼ全員です」「君たちは大丈夫なのか?」「数時間前まで遠征に出ていました。戻ってきたらこの状況です」「洗脳方法は、どのように?」「まだ不明です」「……ふむ」倉田はスマホを取り出した。4

2020-06-28 21:12:00
劉度 @arther456

「必要なら、精神系統の魔術が得意な魔術師を呼びますが」「……念のため、お願いします」スマホから基地へと電話をかける。「もしもし?私だ。33地区に5,6人派遣してくれ。洗脳や精神操作に強い奴を頼む」しばし言葉を交わしてから、倉田は電話を切った。「1時間ほどで到着します」5

2020-06-28 21:15:01
劉度 @arther456

「ありがとうございます」不知火は少し安心したようだった。そんな様子を見せるのは珍しかったので、倉田は少し気になった。「その、自称幼馴染はどんな人物なのですか?」「提督が幼い頃にスウェーデンで会ったそうです。その後艦娘になって、先日この鎮守府に転属してきたと」6

2020-06-28 21:18:00
劉度 @arther456

そんな艦娘の存在は、倉田も聞いたことがない。「で、その事を誰も疑問に思わない、と」「ええ。その上、会いにいった龍驤は、5分ほどで洗脳されて帰ってきました」手強い相手のようだ。「会話、あるいは遭遇自体が洗脳のトリガーになっているのかもしれませんね」7

2020-06-28 21:21:00
劉度 @arther456

「正気の人間には、知らない人に近付かないよう通達しています」小学校の不審者事案のような対策だが、それが一番効果的だ。ひとまずの対策はできたので、倉田は次の疑問を不知火に投げかける。「相手の目的は推測できますか?東郷の幼馴染を名乗るとは、少々おかしいと思いますが」8

2020-06-28 21:24:01
劉度 @arther456

単に鎮守府に侵入することが目的なら、適当な艦娘になりすませばよい。洗脳してまで提督の幼馴染になったということは、それ以上の目的があるはずだ。しかし、不知火は首を傾げるばかりだった。「それは不知火もわかりません。確認ですが、提督に幼馴染がいると聞いたことは?」9

2020-06-28 21:27:01
劉度 @arther456

「いえ、一度も。そもそも子供の頃の話を聞いたことがありませんから」「そうですか。提督のご友人ならご存じかと思ったのですが……」「あんまり自分のことは話そうとしないんですよ、あいつ」「……と、なると。気は進みませんが、本人に聞くしかなさそうですね」「そうですね……いやいや」10

2020-06-28 21:30:01
劉度 @arther456

一瞬同意しかけた倉田だったが、すぐに不知火の言葉に反駁した。「駄目でしょう。洗脳されてるでしょ、間違いなく」「ええ。『この鎮守府にいる提督』は当てになりません」「それじゃあ、一体……」不知火は電話を取り出した。「いるのですよ。本人同然に提督を知る人物が」11

2020-06-28 21:33:00
劉度 @arther456

「カレー、カレー、カレーを作ろっ♪こーころがよーわきなこんな日はー♪」比叡たちはシュールストレミングを開封するため、工廠の空き倉庫にやってきた。歌うほどご機嫌な比叡とは対称的に、金剛はややげんなりした顔をしている。「榛名はどこに?」霧島は榛名を探している。12

2020-06-28 21:36:00
劉度 @arther456

「ああ、榛名なら……」「金剛お姉様ー!連れてきましたー!」ちょうどそこに、榛名がやってきた。後ろにはロシア戦艦の艦娘を連れている。「おや、貴方は、えっと……」「Октябрьская революцияだ」「……ああ、そう、そうでしたね!」13

2020-06-28 21:39:00
劉度 @arther456

「榛名、どうしておく……奥多摩さんを連れてきたの?」「金剛お姉様が連れてきて欲しいって」「Yes.シュールストレミングを少しでも美味しく食べるために、彼女に借りたいものがあるのデース」「私に借りたいもの?何だ?」「Vodkaデース」「おいおい……」ロシア艦娘は顔をしかめる。14

2020-06-28 21:42:00
劉度 @arther456

「確かに私はロシア人だが、ロシア人が誰でもводкаを持ち歩いていると思ったら大間違いだぞ?一応酒だし、そう気軽に持ち歩けるものじゃないんだからな」「それじゃあ、持ってないのですか?Vodka」「いや、私は持ってるが」ロシア艦娘は懐から瓶を取り出した。「持ってんのかい!」15

2020-06-28 21:45:00
劉度 @arther456

「あるじゃないですか。それじゃあ早速空け……」缶切りを突き立てようとした比叡を、金剛が止めた。「Wait! Open in the water!」金剛がバケツを指差す。「えー。でも、そんな事したら、缶詰めの美味しい汁が逃げちゃいますよ?」「その汁が!Dangerなのデース!」16

2020-06-28 21:48:00
劉度 @arther456

金剛が威迫するので、比叡は仕方なくゴム手袋を着用して、缶をバケツの水の中で開けた。中の塩漬けニシンの切り身を取り出す。「ポコチャカさん、ウォッカを!」「私の事か?」あらかじめ準備されていたボウルにウォッカが注ぎ込まれる。17

2020-06-28 21:51:00
劉度 @arther456

「Wash!」缶から取り出した切り身をウォッカで洗う。高濃度アルコールが、シュールストレミングの強烈な臭いを軽減していく。それでも、完全に消えるわけではない。「ひえぇ……これ、ひえぇ……」臭いに気付いた比叡が、声にならない悲鳴を上げる。18

2020-06-28 21:54:00
劉度 @arther456

ようやく1缶分洗い終わった。皿の上に盛られた塩漬けニシンは、割と臭いが軽減されていた。「そんなでもないですね」「実は元から臭いが薄かったんでしょうか?」榛名は缶を開けたバケツの水を嗅ぎに行く。しかし、顔を近づけた瞬間、物凄い勢いで飛び退った。19

2020-06-28 21:57:01
劉度 @arther456

「榛名、大丈夫?」霧島の問いかけに、榛名は無言で首を横に振る。榛名が大丈夫ではないので、相当なものである。「これ、そのままカレーに入れたら……」「emergencyデース……」比叡も金剛も真っ青だ。「これ、味はどうなんですか……?」霧島の問い掛けには誰も答えられない。20

2020-06-28 22:00:03
劉度 @arther456

「少し貰うぞ」すると、ロシア艦娘が横から手を伸ばし、切り身を食べてしまった。「あっ」「ふむ……酒のつまみにちょうどいいな」意外にも、ロシア艦娘は吐いたりせず平然としており、ウォッカと共に食べ始めた。「本当ですか……?」金剛たちも恐る恐る口にする。21

2020-06-28 22:03:00
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