ゼロセンターに戻ってきました。原稿も終わりました。弟子のヨネにイラストカットを発注。二万円でお願いする。こうやって少しずつヨネにも仕事を自分でやるというのを覚えてもらう。全部署名付きで。これはうれしいことでお金ももらえるのだが、同時に責任も全て自分で負うことになる。それが重要だ。
2011-06-29 11:41:59今から、高校生のための「生きる技術」を贈ります。でもこれはそのまま真似しても恐らくうまくいかないから構造体だけ見て欲しい。どういう風に考えていけばいいのか。その考え方の方法論はトレースしても意味があると思う。結局は自分で考えなければいけない。しかしその前の方法論すらないのが現代だ
2011-06-29 11:44:24生きる技術① 大学に入ろうと思うな。自分が興味があることを研究している人間を調べ一番会いたい人を探し出す。それができればもう合格したも同然。教授をまずは見つける。たとえ不合格になっても気にせずそこの大学に忍び込み先生に挨拶してみる。気概のある人間だと喜ばれる。失敗のない方法です。
2011-06-29 11:47:05生きる技術①実践。僕は熊本市立図書館で建築家の雑誌のバックナンバーを読み漁り早稲田大学の石山修武という建築家と出会う。その人に会いたいと願っていたら奇跡的に指定校推薦で無試験で入学。すぐに石山氏に挨拶に行った。大学院も同じ方法で無試験無料で潜り込むことができた。そんなものである
2011-06-29 11:49:13生きる技術② 学校での課題は課題と見なすな。〆切を自動的に作ってくれる失敗しても社会から叩かれない仕事だと思うこと。MOMAなどに行き芸術家の若い作品がちゃんとコレクションされていることを念頭に置きながら、処女作がどれだけ重要かを知り、課題ではなく「作品」を作るつもりでやる。
2011-06-29 11:51:25続)〆切は必ず守る。すごい作品ができそうだが時間が〆切を超えそうだったら先生を説得して〆切をちゃんと延ばしてもらうこと。そういう交渉が重要になってくる。隠蔽するな。全てを明らかにして。そして、学生だからと言って手を抜く人間は一生手を抜く。そして誰もやったことがないことをすること。
2011-06-29 11:53:30だからこそ歴史がとても重要になってくる。前に誰かやったことがないかを調べることは今後にとってとても大事だ。とにかく先人を調べろ。影響を受けても真似をするな。真似をしたら真似をしたと公言すること。隠蔽をした作品は死ぬ。そこに注目する。これをやっておくと後で随分楽になる。楽をしよう
2011-06-29 11:55:12生きる技術③ 他人の指示で動く前にまずは自分で自分自身に指示を与えること。他人の指示で動くとき、つまりは会社で働くとき、実は人間は考えていない。問いを立てるときにだけ人間は頭を使う。考える。問いを立てる。既成概念ではなく自らの問いを立てる。そうすれば時間が解決してくれる
2011-06-29 11:59:28僕は大学卒業後、就職どころか就職試験すら受けていない。でも何もやりたくないからではなかった。もうすでに気分は独立してた。でも金は無い。家賃は滞納。精神状態は最悪。で、そこから始まりました。でも自分の中から発光するもの以外したくなかった。してはいけないような気がしていた。
2011-06-29 12:03:43周りを見てみると、みんなそれは分かっているけど、そんなに甘くない、まずは先人のトレースからといった様子だった。いや、それじゃやばいぜと僕は怒っていた。常に。でも、そうやってうまくいっている人たちがなんとなく良いなあという雰囲気でもあった。僕は怪しんでいた。それは僕の仕事ではないと
2011-06-29 12:05:51僕が手に持っていたのは「貯水タンクに棲む」というビデオ作品と「0円ハウス」の原型になった「東京ハウス」という手作りの200ページオールカラーのハードカバー本。作品には自信があったがツテも何も無い。何も知らない。現代美術も建築も出版も無知の極みだった。それでもなんとかなると思ってた
2011-06-29 12:07:24まずはバイトした。昼間自分の仕事できるようにと築地市場へ。給料は良かったが、休みがなく、次第に早朝から夕方まで働くようになり自分の仕事ができなくなってしまい、やめた。やめる直前、出版の売り込みをすることになった。でも出版についてよく知らない。ではどうしたか。得意な人に聞いたのだ
2011-06-29 12:09:420円ハウスの原型を写真集や本が大好きな高校生の同級生の女の子に見せて、あなたが僕の知る限り一番知ってそうだからこの本見てどこに持って行けばいいのか教えてくださいとお願いした。そしたら速攻で「リトルモア」しかたぶん駄目じゃないかなと教えてくれた。リトルモアをこの時まだ知らなかった。
2011-06-29 12:11:52僕は売り込みっていうのが大嫌いです。だってなんかみんな新人さんみたいな顔でこちらを見て品定めするわけでしょ。人に自分自身の優劣を判断されたくない。そんなのその人の問題でしかないんだから。それで凹んでいる友人たちを見て正直馬鹿だなと思っていた。僕にはお前が素晴らしく見えるのにって涙
2011-06-29 12:15:23すぐ出版社とかナントカ賞とか有名なあの人に認められたとかオシャレなクラブに通ってたらツテができたとかってばっかり人は求めていた。そんなの全部くだらない。そんなのウソだって僕は叫んでいた。そんなの求めなくても僕にはお前が素晴らしく見えるのになんでお前は納得しないんだよって怒ってた
2011-06-29 12:17:10何社も受ける人間とか、いくつも大学を受ける人間とか、どんなところにも売り込みいく人間とか、積極的とかそういう問題じゃない。ただ下品だと思ってた。そして結局そうやっていた人たちは自信を失ってしまってやめていく。もっと高貴にやろうと思った。絶対に人に判断させない。むしろ感動させようと
2011-06-29 12:20:04でも一度はやらないと始まらないのは確か。ということで僕は高校の友人に聞いてリトルモアを知りまずは電話してみた。素人で写真家でもなく建築家といっても建てる気がない人間が作った路上生活者の写真集である。口で言っても無理なのでどうにか作品を見てもらいたかった。しかし一度は断られてしまう
2011-06-29 12:22:13ここで僕は他に売り込みに行く手法が失敗することを知っていたのでリトルモアにこだわってみた。電話したのが忙しい年末だったので今度はちょっと時間が空くはずの気持ちもリフレッシュした年明け早々に攻めることに。編集者の方が理解してくれて無事に会えることに。そしてものの数十分で出版が決まる
2011-06-29 12:23:49生きる技術④ 絶対に売り込みをするな。人に自分を判断させるな。作品を持って行くときも徹底して調べて(友人に調べさせるのもアリ)絶対にうまくいくところ一つにだけ持っていくこと。学校だったら良いが、社会では失敗したら終わりであると肝に命じ絶対に実現することを念頭に置いて徹底的に調べろ
2011-06-29 12:25:57そしてうまく出版することになったのだが、ここで大抵の人間は喜び興奮し結局そんなに注目されずに砕け散り、才能があるにもかかわらず自ら身を滅ぼしていく。こういう行く末は人の自伝をいくつか読んでおくと分かってくる。処女作は大変重要だが、処女作がうまくいく人間は分かりやすすぎて後でやめる
2011-06-29 12:28:36だからまずは人に理解されない前提で行動しなくてはいけない。ここで重要なのは自国ではそれが顕著だが他の国であれば緩和されることが多々ある。これも自伝読んでいると分かる。ということは僕の写真集も日本では売れないがどこかの国では理解してくれる人が一人くらいいるかもしれない。一人で十分
2011-06-29 12:30:11十年かかるのだからリラックスして笑いながら売れないことをリカバーしていこう。僕は0円ハウスを出す時に必ず英語訳をつけたいとお願いした。だって英語であれば多くの国に出回っても読まれる可能性が高い。もちろん中国語で一発やってみるのも手だったがここは英語を選んだ。でもリトルモアは曇った
2011-06-29 12:32:22だって翻訳ってバカ高いから。でも僕はサンワ工務店でどのようにオペレーションして人々と恊働していくかを学んでいたので正規の値段を払って翻訳をする気はさらさらなかった。リトルモアにいくらだせますか?と聞いたら3万円笑と言われ、じゃあそれで探してきますと言って青山学院大学へ向かった。
2011-06-29 12:34:21弟が青学の仏文にいて、英文科の翻訳家になりたい人がいないか探してくれと頼むと英語の授業で同じクラスの佐藤さんという人がいてポールオースターとか好きで兄ちゃんとも会うんじゃないかと言ってくれて紹介してくれた。3万円であなたもついに翻訳家になれますよ!とか言ってみたらOKしてくれた。
2011-06-29 12:36:51