編集部イチオシ

『マインクラフト』と『ロビンソン・クルーソー』の話

あるいはゲームプレイ体験も文学体験なのでは、という話。
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日下春生(zsphere) @faketaoist

そういえば今読んでるデフォー『ロビンソン・クルーソー』について、社会学とか経済学でロビンソンの孤島での生活が「合理的経済」だか、なんかそういうののモデルとして取り上げられるという話があって、イマイチピンときてなかったんでネットで記事をいくつか読んだりしてたんだけど。

2020-07-28 11:34:36
日下春生(zsphere) @faketaoist

なんとなく私が把握した限りでの話であるが。 この本の読中感想で私はたびたび『マインクラフト』を引き合いに出してたんだけど、あれって意外といい読み筋なのかもな、と思えてきたw

2020-07-28 11:36:11
日下春生(zsphere) @faketaoist

前から不思議だったんですよ。お仕事中に、在庫管理とか商品の移動とかを「面倒くせぇなぁ」と思いながらやって、ようやく退勤時間を迎えて家に帰って来たのに、『マイクラ』立ち上げてさ、整地とか資材集めとか建築作業とか、それ自体仕事と変わらないような事を延々やってるわけじゃん。

2020-07-28 11:38:10
日下春生(zsphere) @faketaoist

やってる事は大して変わらないのに、マイクラは楽しい、それはなんでだろう? って思ってたのよね。 多分この対比が、マルクス言うところの「中世までの社会に依存した労働」と「自立した個人による労働」との対比のアナロジーなんだよ。

2020-07-28 11:40:34
日下春生(zsphere) @faketaoist

要するに、ピラミッド建設に駆り出されたエジプト人労働者たちは、「ピラミッドってどうして必要なの?」ということを理解してたかどうか、っつー話なんでしょうな。おそらく9割方理解してなかったでしょう。 しかしロビンソンは自分の労働が何のためか全て把握してた。

2020-07-28 11:42:33
日下春生(zsphere) @faketaoist

そらそうだよ、自分が生活してて「あれが足りないな」と実感するから、その不足を補うために自ら働いてるんだもの、すべての労働について行動と目的が完全に対応してる。 で、当時としてはこれが一つの画期的モデルだった、という話なんでしょうな。

2020-07-28 11:44:31
日下春生(zsphere) @faketaoist

しかし、だとすればですよ。 『マインクラフト』とか『あつまれ!どうぶつの森』とかって、そういう意味で社会学や経済学が想定する『ロビンソン・クルーソー』の読書と同じことを、実地に体験するゲームとも言えるわけで、これらのプレイ体験はある意味“文学”体験でもあるはずだよね。

2020-07-28 11:47:19
日下春生(zsphere) @faketaoist

一般論として、ゲームのプレイ体験(必ずしもストーリーそのものだけでなく、プレイ体験そのもの)が、一つの文学に匹敵する、文学たりえる、ということはいっぱいあるはずなんだけど、それらを文学として跡づけていく学問ってまだまだ少ないよなぁ、と思ったりはしている。

2020-07-28 11:50:24
日下春生(zsphere) @faketaoist

『マインクラフト』が逆照射する『ロビンソン・クルーソー』の今日的意味、みたいな読み方だって可能なはずなんだよなぁ。

2020-07-28 11:51:43