シャッフラーに学ぶ声楽と器楽の西洋音楽史 その3

中世は何も教会音楽だけじゃない!ミンストレルと世俗音楽!! 10〜14世紀頃のヨーロッパ各地で活躍した"ミンストレル"についてシャッフラー(シャッフルダンス実践者)と学ぶ西洋音楽史第3回
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Noz(のず) @rush_noz

イギリス固有の詩が出てくるまで、声楽形式がイギリスでは発展しませんでした。さて、イギリスにおいてミンストレルが増えた要因のもう一つは十字軍でした。

2020-08-29 03:23:30
Noz(のず) @rush_noz

十字軍のころ、ミンストレルは教会からつよい攻撃を受け、一団の解散を余儀なくされてしましました。彼らの多くは大都市に定住するか、ギルドを形成していました。その中にイギリスへやってきた者もいました。旅まわりをしたりするものもいれば、宮廷に雇われるものもいました。

2020-08-29 03:27:40
Noz(のず) @rush_noz

初期イギリスのミンストレルの演目は、フランスの世俗曲があり”ヴィルレ”、”ロンド”、”エスタンピ”が含まれていました。特に”エスタンピ”は、これらは2声のポリフォニーであり、リズムがあり、明確なカデンツ、音型が整ったフレーズを特徴としており、声楽的でない、器楽的性格を備えていました。

2020-08-29 03:32:27

【参考】
『エスタンピーとダンス・レアル』
王の写本(c1270-1320)パリ国立図書館所蔵 fr844

パリ国立図書館所蔵の「王の写本」の中にある器楽用エスタンピーの例は、この曲種の最古の史料で、14世紀初頭の記録と推定されています。

https://youtu.be/rXqgEnrgtSg

Noz(のず) @rush_noz

さて、中世初期の世俗音楽の特徴をまとめておくと 1. 明確な拍節的リズム 2. 長音階に近いリディア旋法が次第に増加していく 3. ラテン語の代わりに自国語の世俗音楽 4. 旋律の反復が多く使われる 5. フレーズが組織化、形式が明確になる という特徴を備えていました。

2020-08-29 03:34:28
Noz(のず) @rush_noz

他にも言及しなければならないところがありますが、資料があんまりなかったりするのもおおく世俗音楽はわりと大変である。ただ、私として、言いたいのは、その当時の権威的な音楽ばかりではなく、実に多様性に富んでいたということです。

2020-08-29 03:37:32
Noz(のず) @rush_noz

よく、古い音楽について、単一的な特徴を求めますが、時代により様々な形が現れ、単純には語ることが難しい面があります。貴族や教会など権威があるところは残りますが、その当時の「大部分の人たち」が何を聞いていたかを考えるのは非常に難しいのです。

2020-08-29 03:39:55
Noz(のず) @rush_noz

沢山記録に残っていたら、それは把握することは可能ですが、口伝で伝承されるものだったり、なかなか調べるのは大変です。私が言いたいのは、「その時代の音楽」を決めるのはとても難しいのです。

2020-08-29 03:42:07
Noz(のず) @rush_noz

さて、ここで、ロマネスク(というかわりと中世)の世俗音楽については、この辺で。次はゴシック時代の音楽に語ります。これで、ルネサンスにつないで、私の長々とした補足を終わりにします。

2020-08-29 03:44:30