日本医事法学会・東大科研費特別WEBシンポジウム「感染症対策の法と医療」 小山和博氏の実況

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小山 和博 @kaz_koyama_

中長期的な官民連携を含む対応計画があれば、このような大規模な感染症対策がうまくいくのかといわれたら、正直よくわかりません。また、医療がひっ迫する根本原因を確認しなければ対策ができないという理解は、私がいつも「根本原因病」と呼んでいるもので適切ではないかも。 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 10:20:50
小山 和博 @kaz_koyama_

米村先生「医療機関が自由な意思決定により、covid19に対応するか否かを決められる。一部の医療機関に負担が集中する構造になり、かつその他の患者を分担するような連携体制も公式には存在しない。これは民間病院が非常に多いという本邦の特性に由来する」 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 10:22:57
小山 和博 @kaz_koyama_

米村先生「医療機関に行政機関が指示を出すことができない。これが救急医療におけるたらいまわしの遠因となっている。従来の医療体制では少ない医療資源を適正に分配することが難しい。一部の医療機関のみに偏りが生じている。数字の上で病床数が確保されていても対応困難」 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 10:25:03
小山 和博 @kaz_koyama_

米村先生「現在の法制度や医療制度の問題点を認識したうえで、今後の望ましい選択肢が選べることになる。行動制限は唯一絶対の解決策ではなく、ほかの選択肢を探るのが今日のシンポジウムの目的」 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 10:26:31
小山 和博 @kaz_koyama_

これまでの感染症対策に対し、医事法学がどのように関与してきたかについて解説する。伝染病予防法時代の規律、感染症法への移行、新型インフルエンザへの対応のうち、伝染病予防法について主に説明する。本邦の感染症対策に関する法令は、1897年から1950年代までに制定されたものが多かった。

2020-08-30 10:30:54
小山 和博 @kaz_koyama_

戦前の法律が戦後直後に若干修正したのちに使われてきた。1980年から1990年代にかけて、生活習慣病への関心が高まった。これは感染症により大多数が亡くなるという事案が少なくなったから。エイズ予防法、らい予防法、伝染病予防法、性病予防法等が廃止され、現在の感染症法に。

2020-08-30 10:33:32
小山 和博 @kaz_koyama_

近年大規模感染症の流行が断続的に発生しており、この点で現在の法制度の見直しが必要かもしれない。感染症は病原体によって引き起こされる病気であり、伝染病は感染症のうち個体から他の個体に広がる伝染性の病気と辞書的には定義されているが、一旦は感染症でお話をする。

2020-08-30 10:35:25
小山 和博 @kaz_koyama_

多数に危険を及ぼす可能性がある感染症への対策には、各種な強制的施策の実施の根拠となりうる法律が必要となる。強制には限界があるのも事実であり、施策自体に人権制限等の劇薬的な内容を含むこともあるため、法的枠組みによる制限が必要となる。

2020-08-30 10:37:16
小山 和博 @kaz_koyama_

感染性が高く、重篤な結果となりうる感染症には通常とは異なる対策の必要性が高くなる。多数の生死にかかわる可能性がある一方、患者や患者周辺のものに対する差別などの人権侵害を引き起こす可能性もある。これらは相互に衝突する可能性がある。この点慎重なかじ取りが必要になる。

2020-08-30 10:39:01
小山 和博 @kaz_koyama_

医事法というと医師の身分や医師・患者関係を規律するのが医事法制、公衆衛生に関する法律は衛生法として呼ばれていた。戦前、衛生法には保健衛生法・予防衛生法・医事衛生法・薬事衛生法の四分類があった。

2020-08-30 10:41:21
小山 和博 @kaz_koyama_

患者への措置やその周辺への措置により感染拡大を防ぐ定めが多数なされていた。このころの衛生行政は警察行政の一部であり、警察的取締り行政かつ健民健兵の考え方が強く反映されていた。集団に対する規律と防衛が重視され、患者個人の保護は不十分な部分があった傾向があったといいうる。

2020-08-30 10:44:43
小山 和博 @kaz_koyama_

戦後もこの傾向は引き続き、すべて伝染病の予防を旨とし、若干の法律は患者の治療に関する定めも置くようになった。古い法律になればなるほど、集団衛生及び保健・医療の問題に集中しており、総合政策的な観点は十分ではない。また未知の疾患という規定は十分ではなかった。

2020-08-30 10:46:41
小山 和博 @kaz_koyama_

60年代から80年代は、衛生状態の改善、治療法の開発などが進み、疾病構造及びその対策の重点は急性疾患から慢性疾患にシフトした。伝染病は克服されたものと社会的に理解されるようになり、伝染病は死語とまで言われた。

2020-08-30 10:48:00
小山 和博 @kaz_koyama_

一方、このころは個人の人権を保護する考え方が法律の世界でも普及し、視点がマクロからミクロにうつった。予防接種事故等生じた人的被害の損失回復に重点がおかれるようになった。にもかかわらずらい予防法の廃止と患者の救済は非常に遅れてしまった。このような状況でエイズの問題が出てきた。

2020-08-30 10:49:43
小山 和博 @kaz_koyama_

公衆衛生審議会では、個々の国民の感染症の予防と治療に置いた対策と人権の尊重が必要なのではないかという議論が行われたうえで、現在の感染症法が制定されていることは押さえておく必要がある。1998年の制定当時には結核予防法を含んでいなかったが、現在は含める形になっている。

2020-08-30 10:54:19
小山 和博 @kaz_koyama_

感染症法は、感染症対策を一元化し、国家は良質かつ適切な医療提供を行うよう積極的な役割を担うような仕組み。事後対応から事前対応への転換、患者への医療の重視など、適切な内容を含んでいる。2003年にSARSへの対応として若干の改正が行われたが、新型インフルエンザへの対応には不十分。

2020-08-30 10:56:52
小山 和博 @kaz_koyama_

新型インフルエンザ特措法が制定されたが、この内容には国民の人権制限が感染症の拡大阻止に有益かどうかについて十分説明がなされていない等批判がある。日本弁護士連合会会長声明がこのテーマで出ている。多数の人命が損なわれた時代から状況が変わる中で法の運用が抑制的になっている。

2020-08-30 10:58:37
小山 和博 @kaz_koyama_

これまで十分に経験のない感染症対策については今回の経験を踏まえて改善を進める必要があると理解している。

2020-08-30 10:59:17
小山 和博 @kaz_koyama_

武藤香織先生から「専門家助言組織の課題」というテーマでお話。 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 11:00:16
小山 和博 @kaz_koyama_

私自身は医療社会学が専門。ゲノム医療、再生医療といったテーマで研究をしてきた。2月からcovid19への対応に突如巻き込まれており、旧専門家会議での活動が半年程度。 #ここで画面トラブル Zoom等のツールはトラブったときに難しい。あと、音声トラブルとかの確認は別の人がアサインされるべき。

2020-08-30 11:03:25
小山 和博 @kaz_koyama_

私自身は感染症が専門ではないが、対策に関与する中で不足していると感じる部分が見いだされたので、この対応を進めている。旧専門家会議と現在のアドバイザリーボード関連、地方公共団体からの情報公表と報道の在り方、我々の付き合い方等についてお話をさせてもらう。

2020-08-30 11:04:49
小山 和博 @kaz_koyama_

特に旧専門家会議からの組織転換については、説明をしていく必要がある。他国にも同様の組織があり、国によって主体となる組織はそれぞれ異なるが、本邦では平時の行政統治機構の延長線上において、審議会のように設置されたことが特徴。

2020-08-30 11:06:45
小山 和博 @kaz_koyama_

特措法に基づく対策本部への助言組織だが、厚生労働省対策本部にも関与する。特措法は内閣官房が所管しており、基本的対処方針等諮問委員会という別のグループが関与することになっていた。英国では危機的状況における科学的助言グループが常設されているが、今回ではそれでも足りず。

2020-08-30 11:08:05
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