日本医事法学会・東大科研費特別WEBシンポジウム「感染症対策の法と医療」 小山和博氏の実況

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小山 和博 @kaz_koyama_

さらに外部有識者グループの意見を聴取できるような仕組みに移行した。日本の旧専門家会議は孤立無援であったため、この仕組みにはうらやましく思った。 2月下旬はDP号への関心があまりに高く、その割に国内龍興寺の対応に関する議論があまりなされなかった。このため状況分析・提言を開示。

2020-08-30 11:09:42
小山 和博 @kaz_koyama_

状況分析・提言は15本公表され、会見も行っていた。この前提となる分析には、厚生労働省や官房にも関与していた。このことには良しあしがあり、本来役所が言うべきことを盛り込むような対応もなされてしまった。旧専門家会議はマスク配布、一斉休校、持続化補助金等には助言していない。

2020-08-30 11:11:32
小山 和博 @kaz_koyama_

マスコミの注目は旧専門家会議と政治家の関係に集中。5月ごろには、感染症の分析自体には脚光が集まらなくなった。基本的対処方針等諮問委員会との関係も不明確になった。リスコミを政府が担うべきという議論をしてきたが反映されず、やむを得ず有志の会を設置して、別途情報を発信してきた。

2020-08-30 11:13:37
小山 和博 @kaz_koyama_

平時の行政統治機構の中で、私的な諮問機関を運用して、緊急事態対応は難しい。指揮命令も調査権限もない。また、リスクの評価だけをして、科学的な事実を伝えればよいという科学的コミュニケーション論からの批判は現実的ではないと言わざるを得ない。リスク管理手法の提言も行わざるを得ない。

2020-08-30 11:15:21
小山 和博 @kaz_koyama_

政府に対する助言内容には平時の審議会同様、行政機関としての調整が入る。「抱きとめられる提案にしてほしい」との話がよくあった。意思決定者にとってセンシティブな内容を一方的に公表するわけにもいかず、政府との関係が不明確という批判を受けたところ。あの緊急時にどうあるべきだったか。

2020-08-30 11:16:45
小山 和博 @kaz_koyama_

専門家からの助言を受け入れないという判断があってもいいと思う。説明があればよい。 6月24日に、専門家会議の解散・再編の提案を行った。政府としてはこのままいきたいという意向が強く、ひりひりする議論を行った。専門家助言組織の責任範囲と役割を明確化するべきというのがこちらの主張。

2020-08-30 11:18:25
小山 和博 @kaz_koyama_

より多くの分野、医学、公衆衛生学のみならずリスコミ、倫理、法制度等多様な社会的課題を取り扱う人たちを研究班等の形で関与させるべき。また、日々新たな科学的知見が出てくるため、この組み込みコストが重要だった。また研究体制の計画的な整備についても申し入れをした。

2020-08-30 11:20:29
小山 和博 @kaz_koyama_

緊急時に研究を多くの人間が関与する形で進められる体制が必要であること、地方公共団体が中心となったリスク評価を可能にする体制の整備が必要であることをお話しした。結果として専門家会議は廃止され、対策分科会とアドバイザリーボードに機能が分割された。

2020-08-30 11:21:48
小山 和博 @kaz_koyama_

現在役割は明確になり、アドバイザリーボードは感染状況評価と対策提言、分科会は大きな政策提言を担当することになっている。一方、会議の回数が多すぎて、関係者の負担が重い。また、政治家が「専門家の意見を聞いたうえで」といった発言をすることのリスクが大きかった。

2020-08-30 11:23:11
小山 和博 @kaz_koyama_

自治体からのデータ収集が非常に支障があり、エピカーブを毎日全国で書けるようになったのは7月24日から。これではなくて、毎日の検査陽性者の数の報告が行われることが国民の不安をあおったのではないか。社会・経済状況の分析やシミュレーションは我々も見ていない。

2020-08-30 11:24:28
小山 和博 @kaz_koyama_

実は行政文書管理ガイドラインで歴史的緊急事態において政策の決定や了解を行わない会議では議事録を取らないことになっている。これも問題。そろそろ会議は一部公開してもいいのではないかと考えている。

2020-08-30 11:25:37
小山 和博 @kaz_koyama_

メディアと専門家の伝えたいことには大きな乖離がある。委員会開催前に早打ちしたいのがメディア。非常に慎重に調整している中でセンシティブな情報が流出すると不要な対立の構図が作られる。政府、官僚、地方公共団体との緊張関係が高まる。また問い合わせが多数来ることで時間がとられる。

2020-08-30 11:26:33
小山 和博 @kaz_koyama_

メディアにとっては重要なことなのだろうが、不正確なことが多い。読者が知りたいのだから感染者や陽性者に関する詳細な情報を報道したいというニーズもがあるが、自家中毒にも思える。

2020-08-30 11:27:50
小山 和博 @kaz_koyama_

科学的・医学的な確からしさには課題が大きい。数字の伝え方、支局やほかの記者クラブからの出稿における科学的確からしさが担保されない等。 東京都ではモニタリング会議という会議体が設置されている。東京都の会議は政策決定過程には関与しない。先日重症患者数の定義に関する報道があった。

2020-08-30 11:29:36
小山 和博 @kaz_koyama_

ICUに入室していることが即重症を意味するわけではない。これを国と都の対立というスタンスで報道されることで関係者が疲労した。

2020-08-30 11:30:40
小山 和博 @kaz_koyama_

2月27日に、一類感染症が発生した場合の情報公表に関する基本方針を参考として情報発信するよう地方公共団体に依頼が出ているが、居住地、職業、国籍等が公表されている。これは本来の公表基準では公表されない情報となっている。公表するべき情報と公表するべきではない情報は定義されている。

2020-08-30 11:32:09
小山 和博 @kaz_koyama_

必ずしも必要と思われない情報が公表されている。新聞社がクラスター図を毎日更新して作るといった事態が起きる。これは住民による要求、議員による要求、報道機関による要求が背景にあると考えられる。報道機関に言わせると読者の声であるという。都道府県、保健所設置市、特別区等がそれぞれ公表。

2020-08-30 11:33:50
小山 和博 @kaz_koyama_

7月28日、関係者の同意を得なくても公表してよいという通知が出ている。これが適切かどうか。都道府県ごとの公表方法には多様性が高く、せっかく高リスク環境下で働いている人たちとの連携を進めていくのに、場所、業種、人へのスティグマが付与されるようになっている。防護服捜査はミスリード。

2020-08-30 11:35:43
小山 和博 @kaz_koyama_

このような状況を受けて、偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループを設置することになった。以上報告まで。

2020-08-30 11:36:25
小山 和博 @kaz_koyama_

斎藤智也先生のお話。感染症危機管理を専門分野とする学者さん。「日本のパンデミック対策と新型コロナウイルス感染症」というテーマ。 #感染症対策の法と医療

2020-08-30 11:37:56
小山 和博 @kaz_koyama_

厚生労働省医系技官として勤務した経験があり、結核感染症課長補佐としてMERS, SFTS, H7N9等への対応を行うことになった。法令係長が法令を書いている横で技術担当の補佐として支援をしていた。指定感染症制度はわかりずらく見えるかもしれない。当初の準備作業には関与した。

2020-08-30 11:41:02
小山 和博 @kaz_koyama_

新型インフルエンザ対策特措法制定後には、行動計画やガイドライン作成を支援していた。ワークショップ、机上演習等。医療提供体制は地域ごとに異なるため、医療機関任せにせず、役割分担を決めながらすべての医療機関が関与する形で準備しなければならないという話をしてきた。

2020-08-30 11:42:38
小山 和博 @kaz_koyama_

米村先生からの批判は応えるものがあるものの、皆が知らない対策は意味があまりない。この点で批判は受け入れる。特措法に基づく準備はなされていたが、多くの人が知らなかったというのが実態。現在はクラスター対策班の一員として活動している。Noteなども見てもらいたい。

2020-08-30 11:43:52
小山 和博 @kaz_koyama_

うまくいったことうまくいかなかったことが多数あるが、想定と異なっていたことについてお話をしたい。 日本のパンデミック対策は新型インフルエンザ対策として行われてきた。 (エンデミック、エピデミック、パンデミックの説明)

2020-08-30 11:45:01
小山 和博 @kaz_koyama_

パンデミックを過去引き起こしてきたのは主にインフルエンザであった。スペイン、アジア、香港。2009年にH1N1型インフルエンザウイルスによるパンデミックが発生。この前提として、鳥インフルエンザがヒトへの感染性やヒト間の伝播能力を高める可能性を警戒してきた。この準備は着々と行われてきた。

2020-08-30 11:48:06
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