わかりあえると信じてる人たちはいったい何を「わかりあい」「解決」するのだろうか?

少しでもなにか感じられた方は永井均の一連の著書をお読みください。それだけが僕の希望です
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halching @halching1

「親の顔が見たい」という舞台がある。ちょうど一年ほど前、その舞台に出演する知人の招きで、通し稽古を見学させていただいた。2週間後に本番を迎えるタイミングで、その日がキャスト全員そろって初めての通しだったそう

2020-09-18 18:52:56
halching @halching1

物語のテーマは「いじめ」。特筆すべきは、現役の教師の方が多数、本職の役者の方と混成で舞台に立たれること。

2020-09-18 18:54:22
リンク 教育新聞 現役教員がいじめ題材の演劇 『親の顔が見たい』を上演 いじめがテーマの演劇『親の顔が見たい』が8月22~24日、神奈川県川崎市内で上演された。演劇集団のArt-Lovingが企画したもので、現役教員や元教員8人をキャストに迎える新しい試みで注目を集めた。クラウドファンディングで支援を募り、小・中・高生およそ150人を無料招待した。 432
halching @halching1

お忙しい先生たちがセリフを完璧に頭に入れておくのが難しいのは仕方のないことで、プロンプタに助けられながらの通しではあったけど、物語そのものには深く引き込まれた。僕、ずいぶんと険しい表情で見ていたようで横にいた妻に「これお芝居だよ?ホントの話じゃないよ?」と心されたぐらい(苦笑)

2020-09-18 19:16:24
halching @halching1

役者としてステージにいるだけのはずの彼らが、心底憎くてしょうがなかった。ヤバかったです笑(続)

2020-09-18 19:17:04
halching @halching1

※誤解されるとよろしくないので断っておくと、以下は演出家の方への批判でもなければ出演された役者さんへの批評でもありません。舞台のクオリティは掛け値なく高いものでした。

2020-09-19 14:48:55
halching @halching1

終了後の反省会、演出の方が「レスポンス」と盛んに言われた。その役として舞台で生きることができていれば、発せられるセリフのひとつひとつに、役者自身が自然と反応する筈だと。セリフはセリフではなくなり、そう発話せざるを得ない自分のことばとなるはずだと、そういう方法論なのだと思う。

2020-09-18 19:19:19
halching @halching1

そういう、役になりきるというアプローチの一方で、平田オリザ氏のように、役者の内面は基本的に関係ない、表現する意思も必要ない、ただ、「そう見える」ことだけが重要で観客は役者の内面を見ているわけではないのだとするアプローチもある。

2020-09-18 19:20:18
halching @halching1

チューリングの開発した人工知能もオリザ的方法論。人工知能は本当の意味での「知能」である必要はないということなのだろう。役者が「べき」をこなすだけで観客には「ざるをえなさ」が立ち上がるからそれでよいのだというロジックは非常に興味深い

2020-09-18 19:22:08
halching @halching1

さて劇中では、何度か「反省」という言葉が繰り返される。子供たちは本当に反省しているのか?と。では反省とはいったいなんだ。僕たちはどうやっても他人の心を覗くことはできず、どうやったって本来的な意味で分かりあうことなど不可能だ。

2020-09-18 19:23:02
halching @halching1

いじめを行った子供が「ごめんなさい」と言い、涙を流しながらあなたの手を握ってきたとして、その裏側でぺろりと舌を出して、「これでうまく騙されてくれるかな」と思っていないという保証はない見ていればわかる、という人もいるかもしれない。けれど、そんなことはない

2020-09-18 19:23:17
halching @halching1

一方で、そのうわべだけの涙を信じることで、いじめられた側が立ち直ることができ、いじめた側も「飽きたからもういいや」って止めただけだったとして、それは問題が解決したことになるのだろうか?表面的には完全に解決し、被害者が救われてさえいるのに、それでもそれは「解決」と言えるのだろうか?

2020-09-18 19:23:53
halching @halching1

同じようなことを、いじめだけではない、さまざまなことに感じる。ひととひとが分かり合える前提で分かり合おうとするひとたちは、いったい何を「わかりあい」「解決」した気になっているのだろうか?

2020-09-18 19:24:22
halching @halching1

そして、うわっつらであってもそれが実際に「救い」として機能してしまったとき、それをどう受け止めればよいのだろうか。無自覚に「同じ人間同士、助け合わないとね」という言葉が繰り出され実際に助け合ってしまえているとき、でもそれは「同じ人間」ではない人間をも生み出してはいないか

2020-09-18 19:25:11
halching @halching1

あなたたちの「同じ」はほんとうに「同じ」か?

2020-09-18 19:25:21
halching @halching1

それなら、僕はむしろ、チューリングや平田氏のように、「同じかどうかは関係ない」というところからスタートしたいと思うのです。永井均氏の哲学を追い続けているのもそれが理由。そういうことをずっとずっと考え続けています

2020-09-18 19:26:08
halching @halching1

あとこのへんもかな(以下Tweet)

2020-09-18 22:45:40
halching @halching1

sympathyはどこまでも一方通行であることを知らない態度。ゆえに越権的で独裁的。一方、compassionはその一方通行を知り届き得なさを知っている。ゆえに共苦的で独在的。 twitter.com/hitoshinagai1/…

2020-09-05 12:13:35
永井均『独在性の矛は超越論的構成の盾を貫きうるか』発売中 @hitoshinagai1

何をおっしゃっているのか理解できませんが、ひょっとすると compassion をすでに現実に存在する sympathy のようなものと混同されたのかもしれません。compassion は決して sympathy ではないということこそがこの問題の根源ですが…。 twitter.com/charis1756/sta…

2020-09-05 10:46:02
halching @halching1

と言いながらcompassion=sympathyな方々は多そう。「私にはあなたの気持ちがわかる」なんて人ばっかり。気持ちがわからなければ苦しみはスルー?

2020-09-05 12:46:32
ネルケ無方 @MuhoNoelke

@halching1共感」という名の他者否定

2020-09-05 14:25:11
halching @halching1

むしろ気持ち(内容)は理解できなくても苦しみ(存在)には寄り添うべきなんじゃないかしら。善悪を超えてとにかく在ることが祝祭となるのと同じように。

2020-09-05 12:48:26
ネルケ無方 @MuhoNoelke

@halching1 「苦しみ(存在)には寄り添うべき・・・」 怪しいぞ!

2020-09-05 14:26:23
halching @halching1

@MuhoNoelke そこだけを切り取ると確かに怪しいんですが笑、If 共感が得意と言うのなら、then 内容に関わらず苦しみに寄り添う「べき」という文脈ですね。“共感”を売りにする人たちへの懐疑的な眼差し、と受け止めていただければと。あなたたちの言う共感って自己憐憫なんじゃないの?という。

2020-09-05 14:55:56