輪の国びわ湖推進協議会・輪学「訪れてうれしい、暮らして楽しい これからの『まちと交通』について考える」開催報告2020.9.25

神戸大学名誉教授、「NPO法人持続可能なまちと交通をめざす再生塾」理事長の正司健一さんによる交通まちづくりセミナーの内容をまとめました。
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くうのる @kuunoru

正司氏>昭和28年のウィーンの街。今ではこの道路がなくなり、歩行者空間になった。街の中心部が人間のための場に。タクシーも入れない。物流のクルマは夜や早朝にサービスをする。#輪学2020第4回 pic.twitter.com/qqG9Aw8lQM

2020-09-27 06:47:35
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くうのる @kuunoru

正司氏>ウィーンでは1993年には40%の人がクルマで移動していた。公共交通は29%。2012年には公共交通が39%。2025年にはクルマのシェアを20%へ減らす計画。CO2削減のため、市民の支持を受けて進めている。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:48:03
くうのる @kuunoru

正司氏>日本では・我が市ではできない理由を挙げるだけでは始まらない。無能な経営者のやりがちなことは、 ・縮小均衡戦略→専守防衛では道は拓かれない ・赤字は外部要因だから仕方ない ・うちとは環境が違う、事情が違う ・特別な人がいたから、機会があったから だから無理と結論。 #輪学2020第4回

2020-09-27 06:48:25
くうのる @kuunoru

正司氏>こういう思考はやめましょう。先行事例から何を学ぶのか。そのまま応用できるはずはない、しかし学ぶことは必ずある。成功の法則をきちんと学び取る。やるべきは政策の構築と運営。その場しのぎではないものを。政策の基本はどこでも通用するロジック。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:48:38
くうのる @kuunoru

正司氏>とはいえ、予算と空間、人手には当然、限界もある。資源を上手に効率的に使うことが大切。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:49:17
くうのる @kuunoru

正司氏>■3.公共交通と赤字■ ・公共交通とは交通事業者が提供してくれるもの、市町村には権限なし。 ・儲かっている公共交通へのサポートなど不要。補助金やサービスの休廃止になって初めて相談される。 すなわち、自治体には交通政策がなかった。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:49:39
くうのる @kuunoru

正司氏>鉄道は独立採算、特異な日本、需要の開拓が不可欠。欧州では公共交通を共有財産と見なし、道路と同じように行政が鉄道のインフラを負担するのが一般的。日本はガラパゴス。このままでは公共交通の衰退が進む。(2015年3月29日日本経済新聞電子版ニュースより)#輪学2020第4回

2020-09-27 06:49:52
くうのる @kuunoru

正司氏>欧米における公共交通の費用負担構造。欧州では線路建設等の施設や車両の維持費にも、運営費にも税金の投入がある。文教政策、福祉政策として行政が負担する。赤字補填とは別の理屈。PFI、PPP、民営化するのは運営費の方だけ。施設や車両は税金でまかなうのが普通。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:50:01
くうのる @kuunoru

正司氏>各都市の都市公共交通機関の運営費に対する運賃回収比率を見ると、パリで65%、ローマ23%、ストックホルム47%、ウィーン60%、マドリッド51%、フランクフルト42%、モントリオール38%、ポートランド23%、NY48%。ちなみに大手私鉄平均で121%。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:51:20
くうのる @kuunoru

正司氏>公共交通サービス供給に対する二つの哲学がある。 (1)採算性原則。経済性、採算性を重視する。市場の支持がないサービスをむやみに供給しない。 (2)公共性を最優先する、まずはモビリティの確保。交通弱者への配慮。社会的排除を生み出さない。 #輪学2020第4回

2020-09-27 06:53:15
くうのる @kuunoru

正司氏>日本は(1)の採算性原則、欧米は(2)の公共性最優先。途上国では比較的(1)がまだある。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:53:34
くうのる @kuunoru

正司氏>この哲学は二者択一ではない。採算性重視とモビリティ確保優先は表裏一体。対立概念ではなく、同時達成が理想。重要なのは、地域にとって大切なサービスを効率的で有能な事業者に供給してもらうこと。これが基本。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:53:57
くうのる @kuunoru

正司氏>日本ではどうか。新聞記事より。JR四国が瀬戸大橋線除き赤字(高知新聞20199323)、四国では大きな議論になっている。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:54:13
くうのる @kuunoru

正司氏>欧米における都市公共交通事業者の運賃回収率の推移を見ると、第2次大戦後に税金投入をするようになった。1971年から1979年で、運賃のカバー率100%のところはなくなっている。経営悪化したのを支える枠組みをつくって欧州では維持できた。日本とは感覚や政策体系が違う。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:54:28
くうのる @kuunoru

正司氏>公的資金で維持する仕組み ・累積赤字を積み上げ→倒産や棒引き ・金利が積み上がる前に資金投入し事業者の努力促し。後追い処理より合理的 ・赤字サービス補助 ・路線ごとの個別補償から公共サービス義務補助へ。  必要なサービス水準、最小費用交通手段とは。 ・効率性向上 #輪学2020第4回

2020-09-27 06:54:41
くうのる @kuunoru

正司氏>事業体にとっての財務計算と地域にとっての計算。 交通事業内部の収支と地域社会にとっての意義とは。 事業(収入−費用)+地域(便益−費用) (直接便益−費用)+外部便益−外部費用 正便益・不採算の状況を前に逃げない。ただし費用が回収できないと持続可能でない。 #輪学2020第4回

2020-09-27 06:55:02
くうのる @kuunoru

正司氏>例、エレベーターは赤字なら廃止でよいのか? 赤字は当然、ないと困るもの。移動の多くは派生需要(何かをするための移動)。利用可能性+負担可能性、ここからサービス水準を考える、それが交通政策。これが欧州では一般的になった。他、選択可能性、災害時のレジリエンス等。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:55:28
くうのる @kuunoru

正司氏>日本でも変わってきている。2013年12月施行の交通政策基本法。第2条の交通政策推進に当たっての基本方針にいいことが書いてある。地域公共交通の活性化および再生の促進に関する基本方針。方向は変わり始めている! #輪学2020第4回

2020-09-27 06:55:46
くうのる @kuunoru

正司氏>隣の芝生は青い? 公共部門に頼らざるを得ない欧米の不幸。補助金は麻薬。当局に計画能力がちゃんとあるというのは幻想。事業者を全滅させ、シリアスな人々を業界から追いやった。そんな欧米の後追いをすることは避けるべき。甘いクスリほど副作用は強い。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:56:03
くうのる @kuunoru

正司氏>問題は公にもある。万能ではない。では地域交通を支えるために「公」は何をすべきか。欧州でも議論になっている。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:56:50
くうのる @kuunoru

正司氏>■4.まちと交通の問題は一心同体■(1)なぜまちと交通の問題は解決しないのか。(2)問題の根を掘る。 RACDA高岡の実験。同スペースにクルマ、バス、自転車を並べ、同空間で何人移動できるかを写真に撮った。自動車は空間をとるのが一目瞭然。まちづくりと交通を考えること。#輪学2020第4回 pic.twitter.com/OyV61pKS0u

2020-09-27 06:58:33
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くうのる @kuunoru

正司氏>活気のあるまちに適した交通手段は? 空間を考えるとクルマは運べない。公共交通と徒歩の組み合わせが大事。クルマはまちをおかしくする。便利だが低密度なところでしかその機能は発揮できない。駐車場の入り口で混雑など。皆が楽しめる活気のある場所は人が集まり渋滞。#輪学2020第4回

2020-09-27 06:59:21
くうのる @kuunoru

正司氏>個人の利益と社会の利益のコンフリクトが起こる。ではクルマ利用者は非合理的か? 1964年から2000年頃、イギリスのデータを見る。下がっているのは自動車のコスト。クルマの値段、ガソリン代は30年変わっていない。公共交通は初乗り50円から200円へ。#輪学2020第4回 pic.twitter.com/93W1BhOGDc

2020-09-27 06:59:47
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くうのる @kuunoru

正司氏>本音と建て前。地球環境、地域環境のために、省エネのためにという大義名分だけではつらい。クルマ費用は公共交通に比して低下。クルマで移動した方が便利で安いと思うからクルマを使っている。合理的判断で動けるように政策をつくることが必要。#輪学2020第4回

2020-09-27 07:00:05
くうのる @kuunoru

正司氏>ロンドンでは中心部の混雑を減らすため法律で課金区域をつくった。お金を払った人だけが入れるようにして個々人の合理的判断に委ねた。日本でも五輪で首都高1000円上乗せの議論をしていた。#輪学2020第4回

2020-09-27 07:00:30