みじかあみの旅、終着。

前回まとめ(https://togetter.com/li/1358257)の疑問点に関わる色々が、明治大正期の編物研究者 北川ケイ先生のお話を聞くことにより自分の中で咀嚼できました。という自分のためのセルフまとめ。
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前回
「短編み→細編みへの呼称変遷に関するあれこれを脱線しながら考察してみる」

まとめ 短編み→細編みへの呼称変遷に関するあれこれを脱線しながら考察してみる 短編み(みじかあみ)その他の呼び方が細編み(こまあみ)に統一されたのはいつなのか何故なのか、という疑問を投げたところ、親切な方々が調査・考察してくれるという、ツイッタースバラシイというまとめ(違う) 脱線しながらなので、時系列はいじりながらまとめてあります。 7093 pv 87 8

北川ケイ
近代日本西洋技芸史研究社・レース作家
http://blog.livedoor.jp/keikeidaredemo/

編み物よもやま話 北川ケイ回01~04
https://www.youtube.com/watch?v=H4ie__xWezY&list=PLegxFF8WIUuvCOJhM41e7ezKsNR9vV-DX

ヴォーグ学園の対談イベント
「横山起也の対談シリーズ リアル編み物よもやま話」
https://www.voguegakuen.com/course.php?prc=detail&f_school_id=1&sid=14588&f_list_icon=1&f_search_kind_id=

まるみ @marumi324

北川せんせ目当てで申し込んだ初回終了。生徒はこじんまり4人だった訳ですがこれが幸いして、わちゃわちゃと非常に面白興味深かったです。機械編み黎明期の編み機はガールズトイとして復刻して欲しいし、畳に差して使うかせくり器は自作したくなるコンパクトさですた。画像は古の書籍。 twitter.com/voguegakuen/st… pic.twitter.com/3UsB35WB7J

2020-10-05 17:01:35
ヴォーグ学園 東京校 @voguegakuen

10/5開講「オモシロくてタメになる!「編み物よもやま話」~編み物と歴史/文化/映画」 を投稿しました。 #エキサイトブログ voguegket.exblog.jp/28231756/ pic.twitter.com/11o5niafjJ

2020-09-15 10:33:00
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まるみ @marumi324

細編みの謎も(別段謎ではないけど)直接北川ケイ先生に伺えてある程度気が済みました。先生により出版社により使う名称が違ったり翻訳のしかただったりで、短(みじか)編み細編みその他の呼称乱立な戦国時代を経て細編み優勢になったのかな、ってとこですかね。

2020-10-05 18:07:50
まるみ @marumi324

まとまらないまとめ。明治初期、日本に手編みが入った頃から暫くは、細編み自体を「鉤針編」と呼んでいた。よく使う、基本の編み方だったからって事かな。鉤針編みと言えば細編みを差す。で、そこから「帽子編」へと変化(明治20年の書籍ではその表記)なんだけどこれは帽子を編む様に円をぐるぐる

2020-10-05 19:27:26
まるみ @marumi324

広げていく手法を指しているので細編み一目一目を指しているわけではなかった。明治28年の書籍に鉤針編みの技法として「鎖編、長編、短編」の三種が紹介されるがその後も帽子編優勢。明治41年あたりにひっくり返る?その年の書籍には「短編」の項ありで「短目とも帽子編とも申します」の記述。

2020-10-05 19:36:43
まるみ @marumi324

同明治41年、石井とみ子「編物指南」でも「短編」表記。但し「帽子編ともいふ。帽子、巾着、銀貨入、信玄袋等大概此編方を用ふるなり」dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… この本はものすごく売れたそうで版を重ね、大正元年「続編物指南」がdl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

2020-10-05 19:51:44
まるみ @marumi324

石井女史、作風はヒラヒラのフリフリで人気を博していたらしいです。 翌明治42年の書籍には細目編(こまかめあみ)表記が登場。大正14年の書籍には「短編」の項に「小編、帽子編、こま編等ともいひます」 で、昭和初期に洋書が沢山入ってきて色んな訳され方をしたからかどうかはわからないけれど、

2020-10-05 20:04:13
まるみ @marumi324

昭和5年の婦人倶楽部付録本には「短編」の項に別呼称として「コマ編、帽子編、カタ編、只編、石編、小編」「要するに細かく堅く編んでゆく編方」という戦国時代。ただその頃の主婦之友社は細編推しだった様で、昭和2年3年に出版された本は細編表記。

2020-10-05 20:12:47
まるみ @marumi324

そして遂に昭和11年、江藤春代女史が編み目記号を開発。「+」記号に「細編」と記載。この時期の第一人者だろうし、この辺から細編表記が優勢になって行ったのかなあ。彼女が細編を採用した理由が知りたい pic.twitter.com/OjcDwpCPIK

2020-10-05 20:33:31
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まるみ @marumi324

その後も呼び方は混在してたと思われます。昭和30年、JIS記号登録の際に正式名称が「細編み」に。その時期のヴォーグ社での勉強会では「『短編み』をやめて『細編み』にします」という回があったらしいです。かなり年配の方にとっては短編みの方がいまだに馴染み深いかもしれませんです。おしまい

2020-10-05 20:41:23

もっと掘りたい部分もあるけれど、言葉というものは流動的なものだし、ある時点でバシッと変わるものでは勿論ないのですね。ひとまず気が済みました。
自分はぐるまーなので今回は細編みに拘っちゃいましたけども、日本における編み物の歴史、面白いです。