パクリと相似の境界線。

「頼むから俺に漫画を描かせてくれ」「パクリじゃなければいいよ」 (http://togetter.com/li/161749)  ↑からのセルフ派生まとめ。  あくまでも日本の著作権法下での話。
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ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

つまり、例えば日本に契約している出版社がなく、公式に輸入されていない洋書やファッション誌などからパクっても、法的には何の問題もないワケだ。だから最初に云ったように、パクリ問題とは道義的な責任の是非でしかない。

2011-07-16 14:39:57

サンプルケース。村上隆氏の場合。

ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

この辺りの齟齬は権利関係において顕著。例えばアーティストの村上隆氏がオタ文化をパクっているのは公然の事実だが、かかる権利関係からクレームがこないため、現時点で彼の道義的な問題は法律的な罪とはなっていない。

2011-07-16 14:41:29
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

一方で同氏は2004年に、ナルミヤ・インターナショナルの『マウスくん』を、自身がミッキーマウスをモチーフにして創作した『DOB君』に酷似していると著作権侵害を申し立て、和解金をせしめている。

2011-07-16 14:45:41
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

著作権とは斯様に恣意的に機能し、それを守る側と守らない側で一義的な是非をもって機能する事がない。前述の『武蔵』の件の通り、自身の権利を守るつもりで訴えても負ける事もある。

2011-07-16 14:47:55
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

結局、自分の権利を守りたいなら知識をつけるしかない。何がパクリとなり、何が相似で留まるのか。その判断材料は自分で選べるが、最終的にそれを判断するのは消費者側である限り、自己満足に堕していてはプロとしてやっていけない。

2011-07-16 14:50:00

サンプルケース。アナログファクトリーの場合。

ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

かつて、元F&C社員の田所広成氏が代表を勤めたアナログファクトリーが第一弾ソフト『実姉妹』でLeafの『こみっくパーティー』のモロパクをやってしまい、Leafファンから総スカンを食らうという顛末があった。

2011-07-16 14:55:58

×「勤めた」 → ○「務めた」

ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

これには三つの問題があった。一つは道義的な問題。一つは商業作品であった事。そして一つは田所氏が「同人でなら許される事を商業で出来ないのはおかしい」というアンチテーゼを持って、意識的にパクリを行った事。

2011-07-16 14:57:18
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

最初の問題は、当然看過出来る話ではない。当時『こみっくパーティー』と云えば東京Leaf社の第一弾ソフトとして飛ぶ鳥を落とす勢いのキラーコンテンツであり、ファンであればあるほどアナログファクトリーの弁は強弁にしか捉えられなかった。当然、批判が集中したのは云うまでもない。

2011-07-16 14:58:45
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

二つ目の問題は、これが同人流通を用いた事実上の商業作品として開発された事。当時のLeafは(今は知らん)同人イベントでの頒布を除き、社員一同に同人流通を用いた同人活動の一切を禁止していた経緯もあり、Leaf側としてはアナログファクトリーのそれを看過する事は不可避であった。

2011-07-16 15:00:44
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

三つ目の問題は、意識したパクリであった事。『実姉妹』の作品内容は『こみパ』とは全く無関係なストーリーであり、キャラクターデザインという表層的なパクリに過ぎなかったが、それが事実上の商業的活動である限り、他者の上前をはねる偽者商売でしかないのは否めない。

2011-07-16 15:02:09
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

つまり、素人として同人で許される事と、プロとして商業で許される事には大きな垣根がある。それを分ける重要な要素が、著作権保有者は著作権をもって何を守ろうとしているのか、という事に尽きる。

2011-07-16 15:05:06
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

同人活動におけるパクリを看過する事と、商業活動におけるパクリ看過しない事は、日本の著作権法上は矛盾しない。それが親告罪である最大の利点なのだから。

2011-07-16 15:06:10

パクリと相似の境界線。その3。

ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

「○○のパクリが許されるのに、××のパクリが許されないのはおかしい!」

2011-07-16 15:07:10
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

そりゃキミがパクリだと思っているだけで、著作権者が問題にしなけりゃパクリとして成立しないて話なのよ。残念だけれども。

2011-07-16 15:07:39
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

ただし、何事かを持ってクリと糾弾したり批判する自由はある。そこから目を背けると、これはまた別の問題を生じさせる。検証のための引用は許されるし、妥当でもある。ただやりすぎると著作権侵害になるのは否めない。

2011-07-16 15:09:37
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

上手く使いこなせば自分を守る盾にもなるし、利益を生む金のガチョウにもなるが、一方でそれを理解しないと、逆に自分が責められる矛となり、訴えられて金を失う貧乏神ともなるのが著作権。それが大事なら、何が許されて何がダメなのかを知るのが大切っつー話でした。

2011-07-16 15:11:07

余談。

ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

話は変わるが、ガンガンの盗作騒動の某氏が、TwitterIDもブログも削除せず、自分のミスをきちんと世に知らしめている事はとても評価。自分のミスや愚を消せばなかった事になると勘違いしているクソよりもよほど真摯。後はご本人が面白い漫画を描けばそれで済む話。

2011-07-19 12:37:15
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

某氏の謝意表明に対し「盗作を認める意思が欠けている」云々という批判もあるが、その可否はパクラレ元の冲方丁氏及びその著作を管理している早川書房側にあるので、手打ちで終わった以上、外野が盗作の可否を判断しても仕方ない。

2011-07-19 12:39:39
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

もちろん、批判そのものは真摯に受け止めるしかないだろう。それがオマージュなのかパスティーシュなのかパロディなのか盗作なのか、作家本人が一番理解しているはずなのだから。(自分に全く非がないと信じているならば、そもそも謝意を表明する必要がない)

2011-07-19 12:43:06
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore

だから、甘んじて批判を受けている某氏の態度をオレは評価している。自粛名目でサイトを閉鎖しているけど、これに関しては散々っぱらパクリ検証された後なので今更だし、謝罪を載せたブログも過去ログを消したりとかしてないし、立派。

2011-07-19 12:48:07