柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 『内臓館とマダム・ストラテジーヴァリウスに関する報告書/第二話 百手のマサとウォーモンガーたみ子、内臓館を訪れる 』
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マダム:折角ですので、もっとごゆっくりされたらいいじゃありませんか。ね、柳生の旦那様 (エージェント・義仙との連絡は以降途絶えた) 24
2020-11-10 20:03:23補遺1:内臓館本館の位置は、旧町田市役所の跡地と一致しています。 25
2020-11-10 20:08:20補遺2:エージェント・義仙に酷似した剣士が内臓館近辺で確認されています。調査チームが彼を殺害し、肉片を採取することに成功しましたが、内蔵館と同一の遺伝子構造が検出されました。また、同様の容姿の剣士の出没がそれ以降も確認されています。以上 26
2020-11-10 20:13:21@Shime__SaBa ちゃんと完結します!ご安心ください!(人は極道兵器くらい気軽に死にます)
2020-11-10 20:32:10🐙<今日はミニエピソードなのでここまでヤギュ 木曜は本編第二話でギュンギュ!
2020-11-10 20:33:24柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 第二話 百手のマサとウォーモンガーたみ子、内臓館を訪れる
2020-11-12 18:03:21追い剥ぎホストの残骸から剥ぎ取ったスーツを身に付ける。色はホストらしくド派手な紫。銃弾により穴だらけで、裾はところどころ焼け焦げている。「としても、さっきのジャージよかずっといいぜ」ウォーモンガーたみ子も下半身のキャタピラを変形させて歩行モードに装いを変える。 1
2020-11-12 18:08:15どちらともなく、雑談が始まる。 「実は僕、内臓館出禁扱いなんスよ」「出禁!?何やらかしたのよアータ!」「行ってみてホントに入店拒否食らうかは微妙なとこスけどね」無精ヒゲを剃りながらマサが答える。 2
2020-11-12 18:13:21「あそこの女主人に野党狩りを依頼されたんですよ、そこそこの報酬、そんな強くない標的、小さく小さく書かれた留意事項。色々あって任務を果たした時には、僕”が”マダム”に”7000万円支払う契約になってましたよ」 3
2020-11-12 18:18:20「ダハハ!マダム・ストラテジーヴァリウスからの依頼マトモに受ける方が悪いよ!会った事ねぇけど!」 身の上話をしながら身支度を終えた二人は、東に向かう。行先は内臓館。マダム・ストラテジーヴァリウスの支配する魔店だ。 4
2020-11-12 18:23:20「前衛任せた!盾役!」「お受けしました!一掃しちゃってください!」野盗5人の刀、手斧をまとめて捌きながらマサが答える。 6
2020-11-12 18:33:22「今だマサ!避けろ!」マサの後ろ、安全圏からたみ子がマイクロミサイルを発射する。マサ以外の野盗は反応が遅い。三段階多弾頭分離展開したミサイルの雨あられが野盗を一掃する。「アーシたち、息ピッタシじゃないのコレ」「僕が合わせたんスよ、反応遅れたら結構ヤバかったですよ、今の」 7
2020-11-12 18:38:18「アータならそれでも無傷で行けるでしょ、信じてるよ、ニシシ!」 内臓館までほんの数時間の道程だったが、ここまでもう七~八回は野盗の襲撃にあっている。いくら町田とはいえ、常と比べてその頻度は数倍だ。十兵衛の滞在が、町田の治安をいつになく悪化させていた。 8
2020-11-12 18:43:20滅びの二分間での大量死。その後も滞在する十兵衛の起こす死の旋風。それに加え、十兵衛が去るまで生き延びてもその先に未来はない。 9
2020-11-12 18:48:19たった一人の柳生十兵衛にこれ程の暴虐を尽くされ、その上おめおめと無事に市外に去られる程の無様とあれば、町田に住まうものは一人として腹を切らずにはいられない。それら恐怖が、己では十兵衛を斬る目の無い者たちを一層捨て鉢にしていた。 しかし、パタリと野盗の襲撃が止んだ。 10
2020-11-12 18:53:22ここは既に”彼女”の勢力圏である。その中での刃傷沙汰は、そうした破れかぶれな者たちにすら御法度であり続けていた。「アレかい」「着きましたね」 古めかしい、巨大な洋館が見えた。その名を内臓館という。 11
2020-11-12 18:58:20喫茶 内臓館 町田の人間の大半は、一度や二度はここに来たことがある。娼館か? …そう情報屋? …そう闇医者? …そう武器商店か? …そうもっとおぞましい何か? …たぶんそう喫茶店…? たぶん違う/わからない 13
2020-11-12 19:08:20ここに来る人間は多い。しかしこの女主人、マダム・ストラテジーヴァリウスに会える者は運がいい。彼女はだいたい死んでいるからだ。そして今は珍しく、そうではなかった。 「お好きなものをどうぞ」喫茶店でもあったのか。 14
2020-11-12 19:13:21マダム・ストラテジーヴァリウスから渡されたメニュー表を見て、マサは内心驚いた。「クリームソーダ」「アーシは結構、人間のメシ食えねーんで」 15
2020-11-12 19:18:19すぐさま、ウェイターと思しき肉の塊が、ぐじゅぐじゅと音を立てながら銀盆に載せたクリームソーダを運んでくる。全く冷えていないことと全く甘くないことを除けば、それなりに美味い。 「そろそろ来る頃だと思っていましたよ。マサさん、あぁ、今は"百手のマサ"でしたね?」 16
2020-11-12 19:23:20テーブルの対面に座るマダムの声は、陰気な未亡人という風情の外見には不釣り合いに幼い。調度品や内装もそうだ。一つ一つは高級感があるが、全体として見ると奇妙なちぐはぐさが浮かび上がり、不安を掻き立てられる。「まぁ、ちょっと、色々あって」 17
2020-11-12 19:28:20