柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 『内臓館とマダム・ストラテジーヴァリウスに関する報告書/第二話 百手のマサとウォーモンガーたみ子、内臓館を訪れる 』
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二人がいる地面、そのアスファルトを越えて岩盤の下には品種改良された甲虫『区画整理蟲』(あるいは別の名を『土地転がし』という)が大量に群れ、400m辺の都市区画を持ち上げて飛行していた。「たみ子さん、ミサイルで下の蟲をやれませんか!」 44
2020-11-12 21:43:18「できなくもねえが、違法ガス管にでも引火したらマズい!このまま運ばれるしかねえ!」 急激な加減速と旋回による極限慣性により、違法建築マンションが次々と倒壊していく!「ギャァアー!」「グギャァー!」マサたち同様に巻き込まれた違法滞在住民の悲鳴と断末魔があちこちからあがる。 45
2020-11-12 21:48:20その惨状の中、区画整理蟲は更に高度を上げていく。高度が最大限に達し、全ての動きが静止した。「たみ子さん、町田が…」マサとたみ子は、高空から町田を一望した。 十兵衛のいる薬師台方面の一帯が、火の手で紅く染まる。 46
2020-11-12 21:53:21地面を時折、扇型の光が薙ぐ。地面から空高くに掛けて、光の直線が断続的に煌めく。おそらくはあの光芒こそが、柳生十兵衛の剣筋だ。「あんなの、マジで勝てるのか…?」たみ子が呟いた。口にこそ笑みを浮かべているが、冷や汗は隠せない。途端に都市区画が急降下を始める。 47
2020-11-12 21:58:18「着陸します!しっかり何かにしがみついて!」急激な高度低下!僅か数秒で大地にたどり着く、そして轟音!「アダダ…」たみ子が身を起こした。「ここは…鶴間の辺りか?クソッ、街の反対側じゃねえか…ウォッ!」 48
2020-11-12 22:03:21着地の衝撃で、たみ子のすぐ近くの違法建築デパートが倒壊!彼女に向けて巨大瓦礫が落ちる!「ミサイル…!ダメだ、ぶっ壊しても破片が当たる!間に合わねえ!」「ダァァァァァッッッ!!」 49
2020-11-12 22:08:19飛び出してきたマサが、巨大な瓦礫片の数々を空中で、"切断"も"破壊"もせずにただ跳ね飛ばしていく。マサが着地し、瓦礫は二人から離れたところに砂塵を上げて激突する。「ナマクラでも、捨てたもんじゃないでしょう」「確かに、役には立つ時もあるわな…どーも」 50
2020-11-12 22:13:21「それよりたみ子さん、この辺り…マズいッスよ」マサの顔に全く油断は無い。視界の向こうから、凄まじいバイクの轟音が近づいてくる。それも百台や二百台の音ではない。「霊義怨(レギオン)のシマです!!」廃ビル群を曲がり、北関東最大の暴走族、【霊義怨】が現れる!その数、二千万!! 51
2020-11-12 22:18:21次話
『SIDE:柳生十兵衛』