宇都宮泰さんによる、収録時のピッチ修正と同期について。

高性能なハンディレコーダーが普及してきましたので、自宅だけでなく、外出先…例えばホールのピアノを録音して持ち帰り、他の楽器と同期させる等の作業の時、ホールのピアノがA=440で固定されているなんて稀で、A=442なんて普通に。そんなときどうするのか。音質の劣化なく問題をクリアするためと尺の合わせ方等、氏がつぶやいていたのでまとめました。
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ピッチ対処方法

宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C86h フィールドに持ち出せる録音機が普及し、スタジオでの録音と同期したカタチで様々な録音ができるのですが、持ち帰り後の同期の問題は依然としてこのような問題をクリアする必要があります。 持ち出すものがPCベースのものやMTRであっても、さらに難儀な問題があります・・・

2020-12-05 13:46:02
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

出先にあるのが、ピアノやパイプオルガンのようなピッチが固定で調整が容易出ない場合・・・。 無損失でこれをクリアする方法を以下に。

2020-12-05 13:48:39
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

ポップスではA=440Hzが使用されますが、オルガンやピアノ、A=442Hzや443Hzのことも普通。 チューニングメータでも測れますが、チューニングピッチを数値で知るための何らかの道具は必要。 私はあっきー氏作のPitchMonitor.exeを使用しています。この目的に非常に便利。

2020-12-05 13:54:36
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

計測の結果、出先のピアノがA=440Hzに対して40セント低かったとします。既にあるスタジオ録音のトラックにこのピアノを重ねたいとします。

2020-12-05 13:57:54
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

現場で収録する際は、何かガイドを聞きながら演奏しますが、そのガイドのサンプリング周波数を40セント分下げる・・ -40セントが%ならいくつのなるのか・・対数計算面倒。 Audacityには計算機があります。 エフェクトからピッチの変更の画面・・・ pic.twitter.com/qQ8o7lKNO5

2020-12-05 14:07:17
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

ガイドのサンプリング周波数を48000から2.284%下げ46928Hz(少し遅く・・・トラック左のサンプリング周波数設定で・・・注意:リサンプルではありませんよ)設定、それを48000にリサンプルし、ガイドとして再生し、現場録音。

2020-12-05 14:14:23
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

持ち帰り後に録音48000Hzのトラックを2.284%高く(49096Hz)に設定し、⇒48000Hzサンプリングにリサンプル。 完璧に合致するトラックが最低損失で作成できます。

2020-12-05 14:18:54
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C87h 今手を焼いてるのは、スタジオそのままのガイドで、ピッチの異なる楽器でさらにサンプリング周波数が何度かリサンプルされてるトラックの修正。難しい・・・。 もちろんエフェクトとして知られるピッチの修正なんか、ピアノソロではどれも話にならないほど劣化。

2020-12-05 14:23:03
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C88h このトラックのRate変更は、トラックのサンプリング周波数の定義変更であり、リサンプルと異なり無損失。 しかし、変更すると音の周波数と尺が両方とも変化するのでそこを理解の上使用する必要。 その半端なサンプリング周波数でもファイル出力でする際は、画面左下のプロジェクトの~に自動変換 pic.twitter.com/miT8RgeIGe

2020-12-05 15:30:15
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

中途半端なサンプリング周波数のままファイル出力したり保存するには、プロジェクトを使用するか、画面左下のプロジェクトのサンプリング周波数の数値を、その中途半端なサンプリング周波数に書き換えてファイル出力。しかし、他のソフトではエラーになるかもね。

2020-12-05 15:32:41
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C89h とにかくチューニングピッチが異なる楽器を、後からMTR上に並べるのは大変で、大きな音損失(変質)を覚悟でエフェクトのピッチ変換を使用するか、 事前にそのピッチを調べサンプリング周波数を変更して対応すべき。

2020-12-05 15:37:03
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

先ほどはガイドの作成でサンプリング周波数を落とし・・・のようなややこしい手順を踏んだが、例えばHD24のようなHDRでは任意のサンプリング周波数に微調整変更したまま、録音も再生も可能なので、あとは正確にピッチを見積もるだけでよいことに。 一切のリサンプルを禁止できる。

2020-12-05 15:39:41
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

この辺が実機ハードの強さ! %でもセントでも設定できる。 使わなければ無駄機能なんだが。

2020-12-05 15:41:26
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C89h この辺に興味のある方は、まず正確にチューニングピッチを数値把握できるようになりましょう。同時に聴感覚的に他の楽器とのピッチ整合感覚も養いましょう。両方必要。 PitchMonitor.exeは非常に役立ちます。音律の設定もできます。

2020-12-05 15:52:42

氏の心のさけびwww

宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C88h こういうディレクションも私の仕事のひとつなのですが、なかなか理解してもらえない・・実入りが悪い。

2020-12-05 14:25:29

尺の合わせ方

宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C80h 後から同期・・・同期できない場合の理由は、 時間位置がよくわからない、、 サンプリング周波数が微妙に違い、どこかで合わせでも次第にずれてくる、、 のどちらか。 録音時に音マークを打ち、正確にリサンプルできれば「会う筈」、という信念、信念で合わせる・・・!

2020-12-05 12:35:08
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C81h 音マークとは、例えば手をパチンと叩いたり、、のようなインパルス信号が、すべてのレコーダーのどこかのトラックにあれば、それを目印に後で合わせることが容易に。 頭とケツにあれば完璧。途中で止めたら台無しに。

2020-12-05 12:39:38
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C82h その現場の図面があれば、音速から空間での遅れ補正も可能。 映画のカチンコってそういう意味。とても重要! 頭とケツの両方に。 放置録音もこれがあってのもの。

2020-12-05 12:42:06
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C83h Audacityなら、トラックを並べ、カチンコ(マーク)が一致するように、タイムシフトツールで位置ずらせるだけ。 カチンコ以前は範囲選択しDelで消去。(必須では無いのだが、、) インパルスのようなきれいな波形にはならないが、立ち上がり位置で揃えればOK.。手を叩く場合はできるだけ鋭く。

2020-12-05 12:49:18
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C84h 頭のマークは合わせたのに、ケツが合わない。 理由は次の二つ。 1)サンプリング周波数が、それぞれの録音機で微妙に異なっている、、 2)マイクと音源の位置関係や距離が変化した。(温度が大幅に変化しても・・・笑)

2020-12-05 12:53:50
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

4C85h サンプリング周波数の合わせ方。 先ず頭をカチンコで合わせ、次にケツを合わせるのだが、 重要度の高いトラック(録音機)はそのまま、サブの録音機で収録したほうのサンプリング周波数を調整します。

2020-12-05 13:01:31
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

理由は、サンプリング周波数の調整は何らかのリサンプルを伴い、それが多かれ少なかれ損失につながるため。 Audacity推奨ですが、サンプリング周波数を微調整するには、そのトラックの左端のプルダウンメニューから、Rateを選び、「その他」から補正したサンプリング周波数を入力するだけ。

2020-12-05 13:05:13