要約【SARS-CoV-2の空気を介した感染伝播についての神話の解体】(2021 1/12)

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呼吸器内科医@ @neznezxmail

●様々な病原体が空気媒介することありうるが必ずしも人から人へ感染伝播するわけではない ●ハンタウイルスやBacillus anthracisは,どちらも動物のリザーバーを持っており,そしてどちらも吸入によって獲得されるが,必ずしも人から人へ感染伝播するわけではない ●これらは空気媒介性疾患である 24)

2021-01-15 18:15:22
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●R0は二次症例を識別する能力と同程度の精度しかない ●麻疹や水痘のような空気媒介性(airborne)と広く認められているウイルスの場合これらのウイルスは感染例の> 99%に特徴的な皮膚病理を引き起こすため,正確な症例や二次症例の同定は比較的簡単である ●よってR0の推定はより正確になる. 25)

2021-01-15 18:18:43
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●一方COVID-19症例は無症状であることも多く,R0を評価することは非常に困難である ●軽度の症状,あるいは全く症状がない場合には,アウトブレイクの程度や二次症例数を把握することは非常に困難である 26)

2021-01-15 18:20:35
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●1つのアウトブレイクイベントが感染源と関連している場合でも,その感染源がすでに,簡単には追跡・集計できない他の二次症例を増加させているかもれない ●COVID-19では非常に前症状性感染伝播が起こる可能性がある.そしてSARS-CoV-1と同様にすべての感染者に均一的な感染性があるわけではない 27)

2021-01-15 20:24:08
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●現在,インフルエンザ,SARS-CoV-1,MERS-CoV,RSV(respiratory syncytial virus)などの他の呼吸器ウイルスが空気を介して感染伝播することを示す良い証拠があるため,この”神話を打ち破る”理論は,これらのウイルスの感染伝播にも適用できる 28)

2021-01-15 20:24:57
呼吸器内科医@ @neznezxmail

■誤解5a「もし空気媒介するならば,サージカルマスク(あるいは布マスク)は機能しない」 ■誤解5b「ウイルスはわずか100nm(0.1μm)のサイズなので,フィルターやマスクは機能しない」 ⇒マスクに関しては様々なエビデンスがあるので省略します 29)

2021-01-15 20:26:31
呼吸器内科医@ @neznezxmail

■誤解6「組織培養されないので,感染性はない」 ●ウイルス培養は驚くほど困難で,これが細胞培養におけるウイルス分離が分子法(molecular methods)による検出よりもはるかに感度が低い理由の一つ ●細胞培養において感染の開始が成功するためには複数のウイルスが必要であることが理由の一つ 30)

2021-01-15 20:58:12
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●例えば,インフルエンザウイルスを使用して,Fabianらは,1 TCID50(in vitro細胞単層の50%に感染させるのに必要なウイルス量)が約300ゲノムコピーに相当することを示した: Van Eldenらによる100-350コピーの既知の推定値に類似している ●しかしWeiらによって報告された650コピーよりも小さい 31)

2021-01-15 21:01:26
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●この感度の違いは,現在利用できる空気サンプリング技術によってさらに複雑になっている ●ほとんどの研究では,空気媒介性ウイルス(airborne virus)を空気中から吸引し,泡立つ液体のウイルス培養液に移す高速の”インピンガー”(high-velocity impingers)を使用している 32)

2021-01-15 21:03:09
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●しかし,これらの空気サンプリング装置は,空気と液体の界面で高いせん断力(high shear forces)と激しい混合(vigorous mixing)を発生させ,ウイルス表面のタンパク質を損傷し,培養におけるウイルスの増殖を停止させるかもしれない 33)

2021-01-15 21:03:56
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●対照的に,人の自然な呼出および吸入流速ははるかに遅いため,ウイルスにこのような損傷を引き起こす可能性ははるかに低い ●明らかに,我々の空気サンプリング技術は,吸入を介して人の呼吸器感染につながるメカニズムを正確に再現していない 34)

2021-01-15 21:05:25
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●空気から生きたウイルスが検出されなかったからといって分子法でウイルスRNAが検出されたサンプルに生きたウイルスがいないことを証明するとは限らない ●空気からウイルスRNAが検出されたなら効果的な感染管理を強化すべき予防原則に則り,生きたウイルスの存在を示す可能性が高いと解釈すべき 35)

2021-01-15 21:08:12
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●SARS-CoV-2に関しては,2つの異なる研究グループが最近,患者病室からのエアロゾルサンプル中に感染性のあるSARS-CoV-2ウイルスが存在することを実証した(★) ●上記の理由により,これらの研究では,他の人が吸入することができる生きた空気媒介性ウイルスの量を過小評価している可能性が高い 36)

2021-01-15 21:09:20
呼吸器内科医@ @neznezxmail

★の文献は,いつも引用している,Dr.Santarpiaら, Dr.Lednickyらの論文 twitter.com/neznezxmail/st… 37)

2021-01-15 21:17:16
呼吸器内科医@換気、マスクしよう、リソース重要、調子悪かったら休む @neznezxmail

さてここでSARS-CoV2 の他の研究を再確認してみる(私見が入る) ●検索する限り現実世界の空気サンプル研究は3つ ●2つは正式にpublish、1つは7月にmedRxivに投稿されているが恐らくは正式にpublishされていない ●しかしこのプレは上記の論文のSci Repのfirst authorのDr.Santarpiaが著者だ (15)

2020-11-28 10:09:10
呼吸器内科医@ @neznezxmail

<Conclusions> ●呼吸器エアロゾルがどのようにして生成され播種されるか; 二次症例がどのように容易に特定されるか/できないか; 適切な感染制御手段が実際に感染伝播リスクにどのように影響を与えるかについて,物理学的,疫学的,ウイルス学的な原理を考慮に入れると”神話”は容易に解体される 38)

2021-01-15 21:20:18
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●空気媒介性ウイルスの吸入によるSARS-CoV-2の存在と伝播性を裏付ける証拠は数多く存在する ●既存の証拠は十分に強く,屋内での感染リスクを制限するための全体的な戦略の一環として,空気媒介感染伝播を標的とした工学的な制御を保証するものである 39)

2021-01-15 21:22:41
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●これには,十分かつ効果的,そして換気,粒子ろ過によって強化された換気,空気除染,そして空気を再循環させたり混合させたりするシステムを避けることなどが含まれる ●窓を開けることは,ウイルス粒子の残留による感染リスクを軽減するための”ジェスチャー”以上のものを提供する 40)

2021-01-15 21:24:15
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●医療機関や,公共交通機関を含む地域社会の閉鎖的な屋内環境の両方における過密状態を抑制するための対策も関連している ●家庭や病院において,感染性空気媒介性粒子を希釈することを目的とした、大規模な改修や支出を伴わずに容易に実施できる費用対効果の高い様々な対策が存在する 41)

2021-01-15 21:25:12
呼吸器内科医@ @neznezxmail

●これらは,今後数ヶ月~数年においてCOVID-19からのリスクをさらに軽減するために必要な証拠を求めることによって,我々全員を守る役割を果たしてくれるだろう ●神話を捨て,ウイルス感染伝播の科学を書き換える時が来たのだ (終) 42/42)

2021-01-15 21:26:35
内田 @uchida_kawasaki

脳ドック・肺ドック|磯部クリニック|埼玉県深谷市 isobe-clinic.com/index.html COVID-19関連追加(2021年1月16日)SARS-CoV-2の空気感染についての神話の解体 isobe-clinic.com/covid-19/COVID… journalofhospitalinfection.com/article/S0195-…

2021-01-17 01:10:21
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