プレリュード・オブ・カリュドーン 7/7

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【プレリュード・オブ・カリュドーン】 7 / 7

2021-01-16 20:00:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ウキハシ・ポータルがバチバチと黒い閃光を放った。01ノイズの中から現れた男は見るからに異質な古代エジプト貴族じみたニンジャ装束に身を包んでおり、ポータル係員たちを畏れさせた。 1

2021-01-16 20:03:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼の目には黒い隈取りが施され、その隈は下へ伸びている。ニンジャとしての彼の名……「ブラックティアーズ」が示すとおりである。 2

2021-01-16 20:06:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブラックティアーズの肩の近くには黒い水晶球が浮遊していた。水晶球の中では万色の色彩が渦巻いており、焦点を合わせてしまった係員が目鼻から血を噴き出して昏倒した。「アバーッ!」そして死亡した。ゆったりと見下すような眼差しを向け、ブラックティアーズはポータルを去った。 3

2021-01-16 20:09:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ネオサイタマの重金属酸性雨と人混みの中へ紛れる彼の周囲に、闇が広がり、包み込む。闇は水晶球が生み出したものだ。ブラックティアーズは無視界の中で平然と立ち止まり、ただ、待った。 4

2021-01-16 20:12:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

やがて無限に広がる闇の中に柱が生えていった。その列が示す先の玉座で、彼の主、セトが、物憂げに携帯IRC端末から顔を上げた。 5

2021-01-16 20:15:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブラックティアーズは跪いた。「件のクエストを終え、つつがなくネオサイタマに到着した次第」「クルシュナイ」セトは頷き、天に片手をかざした。頭上の闇に光が流れた。「星辰の巡りは、じきに定まる。而してストラグル・オブ・カリュドーンの儀を始めるもの也」「すべて御身の御心のままに」 6

2021-01-16 20:18:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

柱が次々、再び闇の底へと沈んでゆく。セトの姿も闇に消えた。立ち上がったブラックティアーズは、闇の中に七つの光を認める。狩人たちと赤黒の炎の気配を。やがて闇はかき消え、彼はネオサイタマの滲むネオンの海の中へ歩みを進める。 7

2021-01-16 20:21:00
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大いなる闘争が始まろうとしていた。 8

2021-01-16 20:24:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その日、ネオサイタマの空を覆う雲は薄かった。ビル屋上、金のマネキネコ・モニュメントの上に腰を下ろし、ネオサイタマの夕暮れの景色を眺めていたフィルギアであったが、彼の表情はにわかに訝しいものに変わった。フンフンと鼻を鳴らし、彼は空気を嗅いだ。 9

2021-01-16 20:27:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

明らかにその瞬間、彼が感じ取るネオサイタマのアトモスフィアは変容した。しかしそれが何なのか、まだ彼にはわからなかった。……ピィー……ピィヨォー……。けたたましい広告音声を貫き、彼の耳に飛び込んできたのは、平安時代を思わせる雅な横笛の音だった。 10

2021-01-16 20:30:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【プレリュード・オブ・カリュドーン】 ここに7人の狩人が揃った。 シーズン4第1話 【シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム】に続く

2021-01-16 20:33:00