「追放者食堂へようこそ!」を読んで「社会だ…」と思った話

久々に真面目にマンガ紹介
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久々のマンガ紹介…取り上げるのはこれ

三沢文也 @tm2501

重ねて言うけど、ガチで良かった。 「良作でもなろう×飯モノは飽和してるのでは?」 と思って読んだら、飯物でもまさかの深夜食堂。 原作もすごいけど、神マンガ家の仕上げがもはや神業 がおう の 追放者食堂へようこそ! 1  (ガルドコミックス) を Amazon でチェック! amzn.to/39VXxRc

2021-01-25 14:45:38
三沢文也 @tm2501

「追放者食堂へようこそ!(amzn.to/3iZISZk)」にドハマリしているわけだが、魅力としては ・マンガ家が何描いてもうまいから、感動のシーンも増幅される。 ・原作がしっかりしてそうな内容で、昔ながらのなろうと、今の現代人の悩みをなろうの世界を活かして書くのバランスがいい の2点やね

2021-01-31 00:51:54

URマンガ家さんに震えろ!!

なろう作品をマンガ化する時に担当マンガ家について「マンガ家ガチャ」という言い回しをします。

なにがレアで、なにがSSRかしらないけど、私はこの人がUR何じゃないかと思ってる。

三沢文也 @tm2501

まず、マンガ家さんについてだが、ギャグテイストからアクションシーンまでとにかくうまい!! 1話は「マンガ家の力量アピール回か!?」ぐらい同じ女の子を色んな絵柄、色んな表情で描き分けてて決めのシーンで泣かせるのはもちろんのこと、作画についてはスキがないことが一発でわかるのはすごい pic.twitter.com/k9vAxNcHlc

2021-01-31 00:51:55
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三沢文也 @tm2501

ぼくの中で「あ、この人は神だ」って確信したのは下着のシーン。 下着のシーンって雑に描いてもみんなだいすきなシーンだから加点要素なんだけど下着のひらひらやシワ、さらにはお腹や腰つきがしっかり描いて、作り込んでるところに「いい仕事してますねぇ〜」です。 抜こうと思えば抜けたはずよ? pic.twitter.com/wVRgHlrFZd

2021-01-31 00:51:56
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三沢文也 @tm2501

成人向けのレビューとかもやるとわかるんだけども、「好みが分かれる部分」「どっちでもいい部分」を凝る作家さんは本当にハズレがない! 成人向けの同人作品は髪型がほぼショートボブかロングなんだけど、敢えて凝った髪型にしたり、髪を上げたことでうなじのリビドーまで描いてくるような人は…強い

2021-01-31 00:51:56
三沢文也 @tm2501

女体限定で言うと「ちゃんと脂肪を乗せられる人」は雑誌に載るようなきれいな体を描ける人よりも正直すごいです。(好き嫌いはあるかもしれないけど、絵の技術やこだわりという意味では信用度が段違いです) だから肉が乗ってるお腹や腰を描いてるこの人はホント信用度高い。薄い本も読みたい

2021-01-31 00:51:56
三沢文也 @tm2501

一般マンガでよく言われるのは「背景」なんだけど、今は背景ガッツリでもないマンガも増えたから一昔前の基準。 でも、人物のシーンによる描き分けや細部の体つきは…成人向けや萌え絵から入る人が増えた今だと…そこで手を抜かない人・上手い人こそ信用できて「この人の漫画が読みたい」って思うかな

2021-01-31 00:51:57
三沢文也 @tm2501

他にも「男キャラもムキムキも老若男女色々描いててすごい」「白ハゲっぽい描き方になってる人がだれもいない」というのがあるけど、これは原作の魅力でもあるか。 この作品は、作品の中の「社会」を描いてるから老若男女いろんな人物が登場してる。 マンガ2巻3巻部分でどんどん活きてくる!

2021-01-31 00:51:57

多分、原作もすっごくいいんですけどね。

絵師ガチャ・マンガ家ガチャとかいう言葉ができたのは「原作に対して絵がすごくいいから売れた」「漫画が面白いから買ったのに原作はそうでもなかった」という原作もマンガも律儀に読むオタク達の悲痛な叫びから生まれた言葉ですからね…。

原作の良さをマンガ時点で感じてる場合…こういう言葉って使われるんだろうか??

三沢文也 @tm2501

この作品はなろう作品の中でも「レベル」「冒険者」「ギルド」といったいかにもゲームっぽい世界観設定は引き継ぎつつも、その作品の中の社会で生きてる人間を掘り下げることで昔ながらのなろうのわかりやすさと、最近の高度なストーリー性をうまく融合させてる。 そりゃ人気出るわ。

2021-01-31 00:51:57
三沢文也 @tm2501

昔ながらのなろうを揶揄する人の言うように、杜撰な作品も多いんだけども、「ゲームっぽい世界」というわかりやすさはなろう系異世界転生モノの発明ですから…ベースを大事にしながらも、より緻密なストーリーや世界観、前提知識を乗っけて進化していく作品は好きです。 この作品がまさにそうです

2021-01-31 00:51:58
三沢文也 @tm2501

あとは、この作品はなろう作品でチート呼ばわりされるような「レベルが高いキャラ」「家柄がいいキャラ」が主人公側にいたりするんですが…レベルで解決できない悩みや衝突の中で社会を生きてることがストーリーに繋がってるのもいいんですよね。 追放者であって落第者ではないわけですし

2021-01-31 00:51:58
三沢文也 @tm2501

日本だと組織を出ることに悪いイメージがあるから「追放者≒落第者」みたいに捉えられがちだけど、社会が悪かったり自分の気質・技術・できることとミスマッチしてたり…色々あるわけです。 そこの含みを深く描こうとすると「社会を描く」という方向になって大の大人が読んでも面白くなるんやろなぁ

2021-01-31 00:51:58

追放者モノって色々あって密かに流行ってるらしいけど…深い意味で作品を書こうとしてる人には「一度乗ったレールから降りるのは恥ずべきことだ」みたいな日本的な風潮へのアンチテーゼもあるのかな?

もしくは、「俺の才能を理解できるやつがいなかったから追放されただけだ。俺は追放者ではなく超越者だ」的な中二心をくすぶるところに行き着くのかな?

この手のジャンルを多く読んだわけじゃないからわかんないけど、この作品が作品内で社会を描こうとしていることで、社会で生じてる風潮に対してなんか一言ある感じはほんのりしてる…。

三沢文也 @tm2501

さらに、主人公を慕ってるキャラも、「安直なハーレム女」みたいなのじゃなくて、ちゃんと人間らしい悩みを持っててみんな共感度高いです。 仕事のこと、仲間のこと、本人は悩んでないけど明らかにヤバい状況…その辺が「人間社会だな」って感じでいい

2021-01-31 00:51:59
三沢文也 @tm2501

悪役も単にチートに蹂躙されるチンピラとかじゃなくて、契約をたてにとったり、ずる賢い小悪党だったり…現代人にもいそうな感じがあるのがまた「しっかりしてるなぁ」と安心できるわけです。

2021-01-31 00:51:59
三沢文也 @tm2501

ひどい悪党だと「この人はちゃんと中華史を学んだ人なのかな?」というぐらいに中華史に出てくる奸臣と重なるような人物とかもいるため、フィクションで難しい理屈も出てこないのに「こんなにしっかり社会を描いてくるのか!!」と感動さえ覚えました。 8話〜3巻に続いていくお話なんですけどね

2021-01-31 00:51:59

ネタバレOKな人はこの記事をどうぞ。

どの辺に中華史っぽさを感じたかとかガッツリ語ってます。

リンク 青二才は振り向かない 「追放者食堂へようこそ」の9話が最高に社会派だったので、ガッツリ語りたい。 「追放者食堂へようこそ!」の中でも特に気に入った9話について語りました。あまりにも熱く語りすぎて「なんじゃこりゃ」って思うぐらいにはガッツリ語ってます。

というわけで

三沢文也 @tm2501

1巻は人情物っぽい軽めの話と、コンセプト説明みたいな側面があって、2巻中盤ぐらいから「社会」を描いていることがより濃ゆく伝わってくる重ためな話を描いてくるからほんと面白かったです。 よかったらお手にとって見てはいかがでしょうか。 amzn.to/3t8motL

2021-01-31 00:52:00