斎藤先生「理論的対立軸よりも分析レベルの方が重要」

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斉藤 淳 『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

値段が安いという理由だけで、Henry Nau の教科書を使用なう。この本は理論を中心に構成してある分、解釈がお仕着せで、教室での議論も、こちらの講義の部分もやりづらい。自分が学部生時代に何度も読んだからと言うこともあるけど、ラセット=スターや、ミングストの方が数段使いやすい。

2011-07-26 09:22:01
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「国際関係論入門」を担当するとき、英語の教科書は何種類もある。これまで試した中では、理論を中心に構成したもの(リアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズム etc.)と分析レベル(国際、国内、個人)を中心にしたものを使った。圧倒的に後者の方が授業がしやすい。

2011-07-26 09:19:44
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理論は根っこのところだけ教えて、後は素材に応じて教室で議論した方が授業しやすい。去年今年とNauを使ったが、正直うまくいかなかった。過去にラセット他とミングストを使った年が1年ずつ。 QT @suzuca1015 パラダイムは理解が難しいということでしょうか?

2011-07-26 17:03:41
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これから外交官や国連職員を志す人たちに、これまでの国際政治学が役に立つのか、実ははなはだ疑問だ。リアリズムとかリベラリズムとかコンストラクティビズムとか言っても、言葉遊びに過ぎない気がしてならない。

2011-07-26 17:23:12
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実際、政治学のバックグラウンドがあって政府間交渉に携わった人に話を聞くと、実務的に役に立った分析枠組みはアリソン『決定の本質』とか、結局は分析レベルの話になることが多い。まあ大戦略を構築するような実務家ってそうそういる訳じゃないから当然かもしれないけど。

2011-07-26 17:25:39
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現実主義云々言う前に囚人のジレンマとか、良性の戦い、鹿狩り、チキン。これらのナッシュ均衡を理解した方が役に立つのではないか。相互依存などというよりも空間外部性と言い換えた方が分かりやすいのではないか。 QT @aka1you ガチガチの経済とかやっといたほうが資すると思う

2011-07-26 17:29:32
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一度国際政治学いやになって国内政治研究し始めた人間が、批判的に国際政治学を教えているというお話でしたw QT @Gerge0725 昔から言われていることを、さも新しい現象であるかのように使うのが国際政治学の理論の問題ですね。

2011-07-26 17:30:40
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国際政治学の学際性を活かして授業しようとすると、理論的対立軸にはめ込むのではなく、国際システムでの勢力均衡、国内政治過程、指導者の認知と大ざっぱに切り分けながらストーリー展開していった方が、明らかに学生の受けがいい。構成主義が、現実主義が、ってのは政治学者の飯の種でしかない

2011-07-26 17:37:28
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かといって、現代国際関係論は西欧起源で東アジアの現実を説明するためには独自の理論が必要だとか言う議論も、あまり積極的には支持できない。

2011-07-26 17:40:35