初期近代英語で「主の祈り」
- latina_eccl
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ドイツ語には2人称単数と複数の別、またある種の敬語表現が残っており… du(きみ)/ihr(きみたち)/Sie(あなた、あなたがた) thou(ザウ)とdu(ドゥー)、ye(イー)とihr(イーア)… ちょっと似ていますね。
2021-02-20 13:17:14そして、主語がthouの時は、動詞・助動詞の現在形および過去形の語尾が-st, -estと格変化します。 Thou lovest me.(汝、我を愛す) この点もドイツ語と似ています。 Du liebst mich.(古語的な語法では"liebest"とも)
2021-02-20 13:23:35そして、いわゆる三単現(3人称・単数・現在形)の動詞の語尾は、-th, -ethと格変化します。 He loveth her.(彼、彼女を愛す) ドイツ語では-t(古語的には-et)で、これもまた少し似ています。 Er liebt(liebet) sie.
2021-02-20 13:28:32さて、「主の祈り」の冒頭、"which art in heaven"というところに出てきた"art"ですが、これは「芸術」という意味ではなく…be動詞の2人称・単数・現在形なのです。 Thou art my Lord.(汝は我が主なり) You are my Lord.
2021-02-20 13:35:47文法についてはひとまずざっとこんなところで、発音についても軽く… 基本的に、現代の教会や音楽界で、典礼文や聖歌として発音する時には、ほぼ現代英国英語に則ります。 米国英語のように母音の後のrが/ɚ/(R音性母音)にならず、/ə/(曖昧なア)と発音します。 Father→/ˈfɑːðə/(ファーザ)
2021-02-20 13:47:46これについては、実際の現役当時の初期近代英語では母音の後のrをわりとはっきり発音していたようですが…(Father→/ˈfɑːðəɹ/) 私の話ではひとまず現代の教会・音楽界での流儀に従います。
2021-02-20 13:52:54初期近代英語ならではの発音として残っているのは、現代英語では発音されない子音に挟まれたeを/ə/と曖昧母音で僅かに発音し、一音節として数えることです。 これは、音楽の譜割りがそうなっているので残ったのでしょう。 loved→/ˈlʌ-vəd/(ラ-ヴ[ェ]ド) 現代英語では/lʌvd/(ラヴド)
2021-02-20 14:02:38Our Father, which art in heaven, hallowed be Thy name; Thy kingdom come; アワ ファーザ ホィッチ アート イン ヘヴェン ハロウェド ビー ザイ ネーム ザイ キングダム カム
2021-02-20 14:07:31Thy will be done, in earth as it is in heaven. ザイ ウィル ビー ダン イン アース アズ イト イズ イン ヘヴェン
2021-02-20 14:07:59Give us this day our daily bread. And forgive us our trespasses, as we forgive them that trespass against us. ギヴ アス ディス デイ アワ デイリー ブレッド アンド フォギヴ アス アワ トレスパッセズ アズ ウィー フォギヴ ゼム ザット トレスパス アゲインスト アス
2021-02-20 14:10:53And lead us not into temptation; but deliver us from evil. アンド リード アス ノット イントゥー テンプテイション バット ディリヴァー アス フロム イーヴィル
2021-02-20 14:12:06For Thine is the kingdom, the power, and the glory, for ever and ever. Amen. フォー ザイン イズ ザ キングダム ザ パワー アンド ザ グローリー フォー エヴァー アンド エヴァー アーメン
2021-02-20 14:14:27