渡辺一夫『文学に興味を持つ若い友人へ』読書メモ

東大教授として、辻邦生、清岡卓行、大江健三郎らを育てあげた仏文学者・渡辺一夫のエッセイ。
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かんた @0sak1_m1d0r1

学問は、楽しく悠々となさねばならないし、そうでない学問は、村正の剣のように、必ず好ましからぬ妖気を漂わせる。鋭いかもしれぬが、人を傷つけ、学問に対する真の愛情を失わせる。 (渡辺一夫『文学に興味を持つ若い友人へ』71)

2021-02-26 16:37:57
かんた @0sak1_m1d0r1

渡辺一夫『文学に興味を持つ若い友人へ』を読むと、大学教員はもう70年近く前から授業や雑事、委員なんかの仕事におわれてやりたい研究を充分に出来ない、という状況が続いてることがわかる。渡辺さんの言う「自分同様の苦しさやせせっこましさに引きづりこもうとするけちな性根」がなおらないのかな。

2021-02-26 16:47:27
かんた @0sak1_m1d0r1

我々の有(もの)となり得ない文学というものは、はたして文学として存在し得るでしょうか? (渡辺一夫「文学に興味を持つ若い友人へ」『文学に興味を持つ若い友人へ』)

2021-02-28 00:01:05
かんた @0sak1_m1d0r1

愛し敬う作者のことは、全く微に入り細を穿って知りたいと思いますが、それだけを所謂研究の本筋にしたくありません。本筋は、不在証明としての作品の解析だけにあるような気がいたすからです。 (渡辺一夫「文学に興味を持つ若い友人へ」『文学に興味を持つ若い友人へ』)

2021-02-28 00:04:47
かんた @0sak1_m1d0r1

相手の孤独をいたわり、これを尊重し、己の孤独を守り通し、相手への愛の故に己の孤独を滅ぼさぬことが、深い愛情の第一歩のようにおもわれます。 (渡辺一夫「孤独と愛情」『文学に興味を持つ若い友人へ』)

2021-03-01 03:22:16