作劇を研究すればするほど『作品世界⇔キャラクター⇔設定』の連関の強固さには舌を巻くばかりなのです。 ちょうど読み返したばかりの「ストーリーの解剖学」でもこれは口酸っぱく言われている。 どれかが欠けていても優れた作品にはなり得ないし、どれかが変われば全てが変わる。それが物語というもの pic.twitter.com/D9jRSVdnx4
2021-03-12 00:17:09つまりQ以後の「エヴァ」は、もはや世界も設定も別物なのに無理に同じ主人公やキャラクターを使ったせいで、そもそもの説得力や一貫性、作品が発していた化学反応が完全に消え去ってしまってるわけです。 シンジの顔をした別人、という感覚です。 pic.twitter.com/FAqeEXepcy
2021-03-12 00:17:09「碇シンジ」は、14年前の第三新東京市を舞台にした「エヴァ」の主人公として最大限機能するよう設計された「主人公」なんです。 ニアサー後の世界で主人公をやれる器と経験を、彼は持っていない。なのに無理やり主人公にされてるのが「シン」の不自然かつ強引な展開の数々を生んでいる。 pic.twitter.com/AoMJ2OBDdg
2021-03-12 00:17:10そしてその不自然な皮の下には「陽キャのふりをしてるが根本的に変人さが拭えない庵野秀明」が潜んでいる。『作品世界⇔キャラクター⇔設定』の連関は絶対なので、この歪な構造が作品に完全に出てしまっている。
2021-03-12 00:17:11この作品を肯定するにはよっぽど庵野さんの個人的体験こそが=エヴァとし、庵野さんの思想に同調しなければいけない。これは最早通常の作品観賞体験とは呼べない。旧劇よりもよほど「庵野秀明」に寄り添わないといけなくなってしまっている。
2021-03-12 00:17:11私は「物語」として、最早これは一人称を成していないというのが結論。「シン」は「エヴァ」全体の総括というポーズを取っているが、総括しているのは「庵野秀明」であって「エヴァ」では決してない。 これは捉え方の問題。ある意味見解は絶賛派と同じだと私は思う。「エヴァ」をどう捉えるかの問題
2021-03-12 00:17:11作家論を語る、分析するならこれほど面白い題材はないだろうなとは思う。ただ私は、そこまで「庵野秀明」の全てが好きというわけではないので、今回は距離を置くという結論になるのです。
2021-03-12 00:22:39思えばQで「槍でやり直せる」とか言い出したのが契機だったのかもしれない。 あそこで『エヴァって実は何でもアリなんじゃね?』という疑問が萌芽してしまった。で、「エヴァ」を「庵野秀明の私小説」に無理やり「書き換える」ためにシンの終盤は終始費やされてしまった。それがあの仰々しい儀式の数々
2021-03-12 00:34:21ただ旧エヴァはここまで何でもアリではなかったと言いたい。確かにやってることは同じレベルのトンデモだけど、作品の指向性にちゃんと一貫性があった。要は「大きなウソは一つまで」理論で、人類補完計画は蓋を開けてみればシンプルなものだったし、そこに向かって一直線に物語が向かう構造美はあった pic.twitter.com/G6m5sdBby4
2021-03-12 00:34:22これがつまり「制作期間が長期化しすぎたが故の人称のズレ」なわけです。旧エヴァは新劇に比べると一人の人間が大きく変化するほどの年月を費やしていない。 新劇場版は時間をかけすぎた。それに「震災」の影響を受けすぎた(反映させすぎた)
2021-03-12 00:34:22Qからは完全に別の新規キャラクター達の群像劇(つまり別の編)にして、それで何作か作り最後にまた旧キャラクター達が出てきて決着をつける、このくらいのことをやって初めて成立する構造だと思います。 そこまでの時間も熱意もタイミング的に用意出来なかったのが残念。
2021-03-12 00:34:23私の中では一定の確固たる結論が出たので、明日からは通常営業に戻りたいと思う。この5日ほど、シンエヴァのことで悶々として他のことが手に付かなかったけど、ようやく離れられる気がする。 本当、疲れましたよ…まあやっぱり色んな意味で付き合いの長く深い作品でした。 pic.twitter.com/ij8GgyeYZv
2021-03-12 00:54:18救われた人たち
#シンエヴァンゲリオン劇場版 ネタバレ考察記事を書きました 碇シンジ・エヴァンゲリオン・庵野秀明を救った要因とは何か? そしてエヴァが今まで描けず、本作が描き出した大きな要素、社会とはどういうことか? について考察しています blog.monogatarukame.net/entry/shineva_2
2021-03-14 07:50:26庵野監督を変えたモノ
「なぜエヴァンゲリオンの庵野秀明は自殺しようとしたのか?」という記事を書きました。 @hitasuraeiga d.hatena.ne.jp/type-r/20150411
2015-04-11 00:52:33庵野監督がシン・ゴジラで被災した日本を描けたのは、鈴木敏夫と宮崎駿に被災地サイン会に連れ出されたからという指摘は本当に正しくて、庵野監督がシン・ゴジラで国民的映画監督へと成れたのは、これが原因だと思っている。/『挑戦者ストロング』のシン・ゴジラ評。 pencroft.hatenablog.com/entry/20160730…
2021-03-03 16:16:02鈴木敏夫さんの優れた功績は色々あるけれども、その最大の功績の一つは、「被災した福島でのサイン会に庵野秀明監督を引きずり出したこと」というのは強調してもしきれないと思う。これ、本当にデカイよ。鈴木敏夫さんはこのことで、宮崎駿監督に続く2人目の国民的映画監督を作り上げたと言える。
2021-03-03 16:25:14