ヌンチャククモタケの追培養~子囊殻形成までの経過の記録。A record of growth process of a parasitic fungus that was once classified as Torrubiella.

クモに寄生する冬虫夏草の一種,ヌンチャククモタケを屋内で追培養して子囊殻形成に至るまでの経過の観察記録です。どろんこ@doronko15 さんによる成果。
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どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

昨日ヌンチャククモタケの追培養が完了した。成熟まで約2ヶ月半。完全に想定通り。まだ新しい子嚢殻は出てくるかもしれないが、野外で見られる量の子嚢殻が確認できたため終了とした。子嚢殻が形成されるまでは長いが形成されてからは次々と出てくる。何かしらのスイッチがあるのかもしれない。 pic.twitter.com/uZKGdmFMrJ

2021-03-13 12:01:20
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どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

別角度から。初期の菌糸が広がっていく段階では表面に多数の水滴が見られた。この状態は野外でもよく確認されるが、おそらく成長水の類。ある程度成長すると消える。こうしてみるとわかると思うが、後半から体表を覆う菌糸が全く広がらなくなっている。この状態が子嚢殻の形成段階に入った段階だろう。 pic.twitter.com/3dqginG37C

2021-03-13 12:01:32
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どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

クモの頭部の子嚢殻の成長過程。2月13日時点で多少成長しているが恐らく子嚢殻発生初期から胞子を出すまで1ヶ月程度であろうと思う。3月12日日時点の子嚢殻は既に内部に胞子は無く子嚢殻としての役割は終えている。子嚢殻の色がとても濃くなっているのが分かる。ちなみに更に時間が経つと褐色になる。 pic.twitter.com/pnl25ugiME

2021-03-13 12:01:40
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どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

腹部の子嚢殻の形成過程。かなり発生初期から観察できた。やはり概ね1ヶ月程度。3月12日時点の状態は多少未熟な気もしたが胞子の自然放出は確認できた。腹部では子嚢殻を形成する範囲が広いせいかこのように広い範囲かつ密に子嚢殻が形成される事が多い。このような発生過程は野外観察では極めて困難。 pic.twitter.com/pbtuRyINlW

2021-03-13 12:01:48
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どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

旧Torrubiella属は特に言えるが菌体の発生初期から成熟までの記録はほぼ皆無と思います。旧Torrubiella属は一般的に追培養が非常に困難だからです。ヌンチャククモタケも一筋縄ではいかず、条件を試行錯誤し安定して成功するようになりました。論文にする予定ですが、どうか拡散にご協力ください。

2021-03-13 12:01:55
どろんこ Ken'yu OTSUKA @doronko15

@TUExplorer1 @wizentrop This is a fungus that was once classified as Torrubiella. It is a parasitic fungus known as Cordyceps sinensis. This is a record of a sample collected in the field and allowed to mature indoors. I think the growth process of this fungus is rarely seen.

2021-03-13 13:39:58