菅原琢著「世論の曲解」備忘録

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長野テル @naganoteru

安部政権下での参院選の敗退に関する分析は的確。麻生人気が実態を伴わなかったという点もそのとおり。ただ、09総選挙での惨敗の原因については、選挙運営に関する技術的な要因分析にとどまっているにもかかわらず、構造改革への反動という政策が要因であるかのように記述している点には異論あり。

2011-07-02 02:57:20
長野テル @naganoteru

自民党が伝統的に経済・福祉重視の政策路線を取った「社会民主主義政党」であって、都市部から農村に公共事業と保護主義的農業政策によって所得を再分配することで、所得格差の急拡大を伴わない経済発展を実現したとの指摘はそのとおり。ぼくはこの政策路線を評価している。

2011-07-02 03:02:44
長野テル @naganoteru

ただし、所得の再分配は都市部が再分配以上の成長をしていることが前提。バブル崩壊後、利権化・膠着化した中で構造改革路線に必然性があったとするのはそのとおり。ただ、その「構造改革」が中小企業や農村部に厳しいものであった一方、大企業に著しく有利なものになっていた点は、大問題だと思う。

2011-07-02 03:07:35
長野テル @naganoteru

ぼくの見解では、構造改革には一定の成果はあったものの、その中身には課題も大きく、結果的に雇用者所得が増えないまま経済的に閉塞感が高まったことが、09年総選挙での自民党惨敗の理由。ある意味、構造改革後に強者による新たなエスタブリシュメントができあがったことが原因だと言える思う。

2011-07-02 03:10:06
長野テル @naganoteru

安部氏が支持を失った理由をイデオロギー重視だとしている点については同意。政策というより、方針や人物に対する低評価が政権の評価を下げた格好。美しい国というスローガンもぼくは好きだし、彼は生粋のエリートなのだけど、それがかえって不評だったのだと思う。あんた何様?的な感じで。

2011-07-02 03:14:48
長野テル @naganoteru

麻生人気が、ネットの世界でも2ちゃんなど限定的だったというのも納得的。ネットユーザーがもはや決して若者ではないというのも、ツイッターでの実感に合致。既存メディアからの情報取得が受動的である一方、ネットが積極的であるがゆえに、ネットユーザーが比較的政治関心が高い層というのも同意見。

2011-07-02 03:17:29
長野テル @naganoteru

著者は、ア・プリオリに投票率の向上を是としているが、そこには異論あり。世論調査で質問項目を変えただけで回答傾向が大きく変わったり、候補者名の有無によって数値が大きくブレたり、選挙マーケティングでB層を狙い撃ちにしたりといった点は、むしろネガティブなファクターだと思う。

2011-07-02 03:20:45
長野テル @naganoteru

その点、「議員内でアイツはできるという評判が高まり、支持団体から評価されることで資金力を上げ、派閥領袖となり総裁選を戦い、最終的に首相になるというような、昔の自民党における立身出世」への肯定的評価については同感。だからこそぼくは首相公選制には否定的なのだけど。

2011-07-02 03:23:58
長野テル @naganoteru

著者は、若年層のブレる回答傾向について、「見方によっては状況を踏まえたうえで回答を変えているのだから、考え方が柔軟とも言える」と肯定的に評価しているが、ぼくはここはまったく同意できない。憲法9条が戦争放棄であると暗誦できないような層が投票行動を行うこと自体が怖いわ、正直。

2011-07-02 03:28:10
長野テル @naganoteru

09総選挙での民主党が、選挙区で比例区を凌駕する得票率だったという指摘、ならびにその原因に関する技術的分析についてはおもしろかった。共産党撤退の選挙区において、民主党に票が上積みされたという指摘も興味深い。

2011-07-02 03:31:09