【2021年3月】1日1SSセルフまとめ

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

無理に決まってるじゃん、って困ったように笑う君を見ていたら笑い返すことしかできなかった。怒っても泣いてもよかっただろうにどうして笑っちゃったのか。こっそり後悔していたら。 「でも、そーいうの、けっこう好きだぞ」 君がにいっと笑う。私を好きって言ったって思ってもいいかな？ #TwitterSS

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

春の使者です、こんにちは！ ぽかぽか陽気で眠くても、外の空気を胸いっぱいに吸い込めばしゃっきりしますよ！ せめて窓を開けてみては？　そこからお部屋に、わたしの仲間がお邪魔させてもらいます。 ぼーっとしてるとすぐにあいつが来ちゃうんでね、ぜひ忘れずに春もお楽しみくださいね！ #TwitterSS

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

四角く切り取られた空だって、もうすっかり春の色だ。ここを飛び出して新鮮な空気を胸いっぱいに吸えば──いや、何をしたところで僕は、前の僕には戻れない。 君が立て続けにくしゃみをするから何事かと思ったら、少しだけ窓が開いていた。 「天気いいね」 呟いた君はまたくしゃみをした。 #TwitterSS

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

これは嫌い、と、これは好き。 口に出すならやっぱり、好きがいいよね。 ことばには魂があって、だから、好きが次の好きを連れてきてくれる気もするし。 これは好き、これもこれも、これも好き、みたいなさ。そーやって世界を見たら好きなものばっかり。 もちろん、いちばんは君だからね。 #TwitterSS

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

君の喜ぶ顔が見たくて。 いつも君が最優先。望みはできるだけ叶えた。 それなのに君は、だんだん喜ばなくなって、もうこれ以上どうしたらいいか解らない。 ねえどうしたらもっと喜んでくれる？ 尋ねると君は眉を下げて首を振る。 ああそんな困った顔をしないでよ。 どんな我儘も聞くから。 #TwitterSS

小椋 杏/おぐら あん @ogura_anne

もしもこのまま、きみが消えたらどうしよう。 そんな妄想に囚われて、離しかけた手をもう一度掴み直した。 びっくりした目でぼくを見て、それから笑ってハグしてくれた。囁きは雑踏に消されてうまく聞き取れない。しがみつくように抱き締める。 どうか、きみの温度が永遠でありますように。 #TwitterSS