掌小説語り~自作つぃのべる集~67

自作つぃのべるのまとめです。 2018年11月分。
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リュカ @ryuka511

濡れ衣を着せられ流罪となった。船に乗せられ海を行く。嵐に見舞われ海に投げ出された。気がつくと浜辺に倒れていた。ここはどこだ。絶望的な気分で辺りを見回す。嵐は収まり、穏やかな青い海が広がる。海の青さに呑まれてそのまま逝けたらよかったのに、どうして逝かせてくれなかったのだ #twnovel

2018-11-26 00:42:27
リュカ @ryuka511

もはや僕らの間に言葉など不要だった。真っ直ぐに見つめてくる貴方の目は、言葉より雄弁に想いを語る。僕の目も同じだろう。親兄弟より深い縁を重ねた僕らに、これ以上の結末は無い。世界をその手にと望む貴方と、貴方を討つと予言された僕。互いの悲壮な想いを知りながら、最期の剣を交える #twnovel

2018-11-26 23:24:26
リュカ @ryuka511

ママが知らない男の人を連れてきた。その人誰?って聞いたら、新しいパパだって言う。じゃあ、お空の上にいるパパはどうなっちゃうんだろう?消えちゃうの?パパは1人だけなのに、そんな簡単に取り替えっこできるの?なら、新しいパパを連れてくるママなんていらないから、誰か取り替えっこして #twnovel

2018-11-28 00:45:11
リュカ @ryuka511

君を亡くして数世紀、不老不死の私に安らぎの死は訪れない。異種族との婚姻は辛いだけだと言われ、そんな事は無いと言い張った。あの頃は確かに幸せだった。だが君を亡くし、その言葉の意味が解り始めている。死は何故、一切合切を消し去らないのか。ふとした瞬間に蘇る君の痕跡が、私を苛む #twnovel

2018-11-29 00:05:12
リュカ @ryuka511

生贄として山の神に捧げられた少女は、現れた生き物の神々しさに思わず跪いた。だがその生き物は困惑した様子で少女を見つめている。少女は静かに生き物に告げた。「私が貴方様に差し出せるものは命だけ。どうぞお好きにお使い下さい」「本当にいいのか?」「はい」「ならば、私の友になれ」 #twnovel

2018-11-30 01:04:17