掌小説語り~自作つぃのべる集~71

自作つぃのべるのまとめです。 2019年3月分。
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リュカ @ryuka511

あなたは罪を犯した。だがそれはあなたの正義だった。自身の正義を貫いたあなたを、誰が責められよう。あなたに罪を犯させたのはまぎれもない悪だ。だが世界は悪を救う事を正しい事とする。正しさであなたが救えたら、どんなに楽だったか。世界は矛盾と綺麗事に満ち、崩壊するのだろう。 #twnovel

2019-03-27 00:13:47
リュカ @ryuka511

山に棲む魔物を討伐した、つもりだった。だが厄災は無くならず、むしろ酷くなる一方だった。古い文献を調べ直すとあれは魔物ではなく地域を守る聖獣だと分かった。取り返しなどつくはずもないのに、聖獣を蘇らせる方法を探す。このままでは村が滅びてしまう。あれは魔物だと言ったのは誰だ? #twnovel

2019-03-28 02:04:26
リュカ @ryuka511

魔王の瘴気により穢された土地。魔王が倒された後、青年は各地のそんな土地を回って浄化を行なってきた。慣れた所作で聖水を撒き、術を唱える。だが術の途中で違和感に気づく。ここは違う。この穢れは深すぎる。自分の手には負えない。声が聞こえる。魔の者よりも深い闇。人間の怨念。 #twnovel

2019-03-28 23:57:39
リュカ @ryuka511

「来世ではあなたと結ばれたい」悲しげな顔でそう告げて、君は去って行った。それは君の本心なのだろうか。僕は駆け出しの画家で、君は良家の令嬢で。どう考えても釣り合わない。資産家の彼を選んだのは、決して間違いではない。君を幸せにできるのは彼だ。来世でも、同じではないだろうか。 #twnovel

2019-03-29 23:49:23
リュカ @ryuka511

また泣かせてしまうなと、水中に漂う赤いものを視界に捉え思った。「僕が帰らなくてもどうか泣かないで」とずっと言っていたけれど、まさか現実になるなんて。君の手紙に返事を書けないままだ。君は、ちゃんと笑ってくれてますか。遠のく痛みと共に薄れていく意識で、君の幸せだけを願った。 #twnovel

2019-03-31 00:23:14